彩の国 埼玉県

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ページ番号:276523

掲載日:2025年12月19日

Vol.9 米・米粉 

シェフ 田中 寛敬さん/食堂カフェLaugh(ラフ)

芳醇な香り漂うお米。生産者とのつながりが地元の食材を提供する自信に

田中シェフ

炊き立てホカホカ「彩のきずな」。
湯気が立ち昇り、甘くて芳醇な香りが漂います。

ご飯と主菜に加えて、お客様が数種類の中からお好みの総菜を選び「私の定食」に仕立てるのが、食堂カフェ・Laugh(ラフ)の流儀です。
埼玉の米どころ、加須市に開店して10年以上。

定食2

「総菜はとにかく主食のご飯に合うように気遣います。総菜は副菜といわれますが、うちではご飯の引き立て役として主菜に肩を並べる主役級」

と、シェフの田中寛敬さんはご飯を美味しく食べていただくことにこだわります。

「だからこそ、お米が大事です」

定食1

「ご飯を作ってくれる母の背中を見て育ちました」と田中さん。

「いつか自分の店を持ちたい」という料理好きの母の夢も重なって、お店を開くことに決めました。
妻と母、姉妹と一緒に家族で切り盛りしています。出身は川口市。都内で料理を学び、加須に縁はなかったそうです。

「都会と違ってここには何もないように見えますが、人と人とのつながりに温かみがあって、距離感もほどほどで居心地がいいんです。加須で店をやろうと素朴に思えました。父が転勤族だったので、ここが根を張る場所だと感じたのかもしれません」。

開店当初から地元食材にこだわったものの、当初は野菜を思うように揃えられず、苦労したと言います。
「せめて米だけは」と仕入れを通じて生産者とつながり、今があります。

「紹介された生産者が他の生産者を紹介してくれ、少しずつ食材が手に入るように。米に導かれて、ここまで来た気がします」

と、生産者とのつながりが、地元産をうたう自信になっているとも話します。

埼玉のお米はおいしい。

「お客様には炊き立てを食べていただきたいので、大量には炊きません。家庭用の炊飯器を使って、様子を見ながら使い切れる分を見越して炊くので、毎日どきどきです」と笑います。

「おいしい!」というお客様の声が、田中さんのこだわりをさらに強くしているようです。

埼玉県には「彩のきずな」のほか、「彩のかがやき」など様々なお米の品種があります。

「同じ県内産の同じ品種でも、生産者によって味が異なります。」

家庭におけるお米の美味しい食べ方について聞くと、

「少量でもいいので玄米で購入し、できれば自分で精米してみてください。いつもとは違う美味しさに気づくと思いますよ。」

生産者の顔を思い浮かべてお米を味わう楽しみ。是非お試しを!


今回御紹介した店舗はこちら

Laugh
店舗名:食堂カフェLaugh(ラフ)
所在地:加須市北小浜816-1
営業時間:ランチ11時30分~15時(L.O 14時)ディナー18時~21時(L.O 20時)
定休日:水曜日、火曜日はランチのみ営業

新聞掲載記事はこちら(PDF:3,231KB)

シェフ 石田 英寛さん/ドルチェメンテ

しっとりどっしり食感。なのに重くないのが、米粉の深い魅力

石田シェフ

食の多様化や健康志向で人気が高まる「米粉」。
お菓子やパンに使えば、小麦とは違うもっちりとした食感に。

川口市にある洋菓子店・ドルチェメンテは、県内洋菓子店の中でも米粉を使う比率がひと際高いお店。
シェフの石田英寛さんは、地域との繋がりを大切に、県産米粉にこだわります。
米粉を使用するにあたっては、研究を重ね、独自の製法を生み出しました。

かつてお米が余り、国が利用を推奨した時期があります。
石田さんはこれをきかっけに、米粉に興味を持ったそうです。
「ただ、米粉のことをよく分かっていませんでした」。
持ち前の探究心に駆り立てられて、米粉の製造業者などへ足を運び、学んだそうです。

パンは、グルテン(タンパク質の一種)が豊富な強力粉で作ります。
グルテンが水分と結着すると粘りが出て、もちもち感や弾力が生まれます。
「当時から米粉パンはもちもちしているといわれましたが、もち米の米粉ならまだしも、うるち米ではそうはならないだろうと考えていました」。

そして、手がかりを見つけます。
「ポイントは吸水にありました。ご飯はグルテンがないのにもちもちしています。その理屈から試行錯誤しました」。

アンブロワジー

おすすめは、フランスの焼き菓子「アンブロワジ―」。
県産米粉と粉末状のアーモンドなどで作ります。
しっとりとしていて、どっしりした食感。なのに、重くないのは「米粉を使っているから」。
アーモンド粉末は、特別な製粉機でアーモンドをひいた自家製。
素朴で上品な味わいです。

お客様の中に、卒業する顔なじみの中学生へ、毎年この焼き菓子を贈る女性がいるそうです。
「アンブロワジー」には、昔、敵軍に包囲されたフランス軍がこのお菓子を食べて籠城戦を生き延びたという逸話があるため、「いつまでも元気で頑張れるように」という思いが込められているといいます。

焼きバラモンブラン彩

米粉は小麦粉の代用品といわれることもありますが、石田さんは

米粉に魅力を感じて使っています。特性を深く知れば、魅力的なお菓子になります」

と話します。
花の形をした「焼きバラ」は米粉と小麦粉を配合したもので、抹茶やメープルなどの風味で楽しめます。

米粉は、もちろん県産米が原料です。地産地消のこだわりをどうぞお召し上がりください!


今回御紹介した店舗はこちら

ドルチェメンテ
店舗名:ドルチェメンテ
所在地:川口市領家3-13-11 ウィンベル1F
営業時間:10時~19時
定休日:火曜日

新聞掲載記事はこちら(PDF:3,231KB)

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農林部 農業ビジネス支援課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎5階

ファックス:048-830-4830

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