彩の国 埼玉県

閉じる

ここから本文です。

ページ番号:274749

掲載日:2025年10月29日

Vol.6 さつまいも 

代表 武田 浩太郎さん/OIMO cafe 上富

おいしさの秘訣は 年月を刻んだふかふかの土。甘さも歴史も詰まった「川越いも」

武田代表

川越いもの産地として知られる埼玉県の三富新田・上富エリア。
約30軒の農家が並ぶ「いも街道」の一角に、「OIMO cafe 上富」はあります。

「この地で育てたさつまいもを、もっと多くの人々に楽しんでもらいたい」

という思いから、江戸時代から続く農家の10代目、武田浩太郎さんが2013年にオープンしました。

三富新田は、江戸時代の元禄年間に川越藩主・柳沢吉保の命により開発された地域です。
農家は代々、雑木林の落ち葉を堆肥として畑にすき込み、土を育んできました。
そのため、畑の土はふかふかで、水はけや通気性がとても優れています。

「この土は、さつまいも農家にとって何よりの家宝です。根が張りやすく、養分をしっかりと吸い上げることで、おいしいさつまいもが育ちます。この土こそが、川越いもの味の決め手とも言えるでしょう」

と武田さんは話します。

「OIMO cafe 上富」では、さつまいもをはじめとする地元産の農産物を使い、農家ならではの視点で素材の魅力を最大限に引き出すメニューを提供しています。

カレー

自慢の一品は、「おいもとチキンの粒マスタードカレー」。
甘みのあるホクホクとしたカットさつまいもと、粒マスタードの酸味が絶妙に調和した一皿で、細切りのさつまいもを揚げ、カリカリとした食感も楽しめます。
このカレーは各地で開催されるさつまいもイベントでも提供され、人気メニューの一つとなっています。

むさし金時むさし金時のスイートポテト

おすすめのデザートは、「むさし金時のハニースイートポテト」。
きめ細かくしっとりとした口あたりが特徴の品種「むさし金時」を輪切りにして熱々に焼き、その上に冷たいバニラアイスがのり、さらに蜂蜜がかかっています。
商品としては敬遠されがちな大型サイズのさつまいもを活用しており、フードロスの削減にもつながっています。

「三富新田には歴史があり、おいしい川越いもを作っているのですが、鉄道の駅からは遠く、観光地としてのブランド力はまだ弱いのが現状です。料理やデザートを通じて川越いもの魅力を発信し、『いも街道』をもっと盛り上げていきたいですね」

と武田さん。これからも自家栽培のさつまいもを「進化」させたいと、畑の土づくりもメニュー開発も模索し続けています。

家庭でさつまいもを保存する場合は、「13~15℃で保存するのが理想。湿度を保つため、新聞紙に包んで台所に置くのが簡単で安心」と教えてくれました。
長期保存したい場合は、できるだけ一定の温度を保ってください。
また、気軽に「焼き芋」を楽しむ方法として、蒸かしたさつまいもを、オーブンやトースターで15分ほど焼くだけで、ホクホクの焼きいもが簡単に楽しめるのだとか。
三富の土の歴史とともに、是非甘いさつまいもを味わってみてはいかがでしょうか?


今回御紹介した店舗はこちら

OIMO cafe

店舗名:OIMO cafe 上富
所在地:入間郡三芳町上富287
営業時間:11時~18時
定休日:月曜日・火曜日(祝日営業)

新聞掲載記事はこちら(PDF:4,959KB)

店舗総括責任者 町田 亮さん/秩父芋菓子専門店 芋うらら

受け継がれた味が 秩父の新たな名物スイーツに。 幻の「ちちぶ太白」

町田さん

秩父市の芋菓子専門店「芋うらら」は、今では幻と言われるさつまいも「ちちぶ太白」の魅力をスイーツとして発信しています。
2022年4月、西武秩父駅や秩父鉄道御花畑駅方面から秩父神社へと向かう観光ルート「番場通り」にオープンしました。

店舗統括責任者の町田亮さんは、「秩父に観光で訪れる方、とくに女性のお客様に喜んでいただけるよう、さつまいものスイーツに特化した専門店にしました。さまざまな形でスイーツに加工できるのが、さつまいもの魅力です」と話します。

ちちぶ太白

秩父の和菓子店の間では、ちちぶ太白をお菓子に活用する活動が積極的に行われ、これがきっかけとなり店舗の立ち上げとちちぶ太白のスイーツにつながりました。

ちちぶ太白はかつて全国で広く栽培されていた品種でしたが、戦後に高値で売れる新品種が次々に登場したことで、市場から姿を消していきました。
そうした中、「自分の代で絶やしてはならない」との思いで、秩父の生産者は作り続けてきました。

お芋プリン生スイートポテト

ちちぶ太白を味わえるおすすめの一品は、「お芋プリン」。
紅はるかがベースの、とろっとしたプリンを食べ進めると、柔らかく少しサクッとした食感のちちぶ太白がコロンと沈んでいます。

「冷たくなってもおいしいという『ちちぶ太白』の特徴を生かしています。一般のお芋プリンの中に太白芋を入れることで、食感と風味の違いを楽しんでいただきたい」

と町田さんは話します。
素材本来の味と風味を生かす製法を追求した一品で、お土産や贈答品としても人気があります。

もう一つのおすすめは、「生スイートポテト」。
しっとりとした舌触りと素朴な甘みがある、ちちぶ太白の白いスイートポテトです。
さらに、紅はるかを使ったプレーンタイプと鮮やかな紫芋を加え、3種類を展開しています。素材本来の色合いをいかし、見た目にも美しいスイーツに仕上げました。

「『ちちぶ太白って何ですか?』と、お客様から毎日のように尋ねられます。それだけ珍しく、知られていない品種ですが、だからこそ知っていただけるチャンスでもあると思っています」

と、町田さん。

生産量が少ないため、市場には出回っていないちちぶ太白。

「昔ながらのさつまいもを味わってみてほしい。ソバなどで知られる秩父の名物に、ちちぶ太白が加わるとうれしいですね」

と、「芋うらら」ではちちぶ太白の知名度アップを目指して商品開発にも力を入れています。
秩父で受け継がれてきた味を、是非楽しんでみませんか?


今回御紹介した店舗はこちら

芋うらら

店舗名:秩父芋菓子専門店 芋うらら
所在地:秩父市番場町19-3
営業時間:10時~19時
定休日:火曜日

新聞掲載記事はこちら(PDF:4,959KB)

関連リンク

お問い合わせ

農林部 農業ビジネス支援課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎5階

ファックス:048-830-4830

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?