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掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)

 新型コロナウイルス感染症への対応について-誰一人取り残さない社会とWith Corona 社会について-

Q 日下部伸三 議員(自民)

令和4年の女性の自殺者数が前年比67人増で7135人となり、3年連続増加しています。令和4年の失業者の自殺数は1220人で、令和3年の636人から倍増しています。最近のデータでは、失業率と自殺死亡率は男女に関係なく相関係数0.89という極めて強い正の相関を示しております。小・中・高生の自殺者数につきましても、令和4年は514人で、コロナ前の令和元年の399人と比べると大幅に増加しています。
この小・中・高生の自殺増加については、今年2月の予算特別委員会において公明党の橋詰昌児議員の質問に対し、知事は「昨年11月に開催された埼玉県自殺対策連絡協議会において、委員の医師から学校が休校となり、親と一緒になることはストレスになったという報告があった」こと、また、「スクールカウンセラーの委員からリストカットの背景として、親が失業し、家計が苦しくなったという家庭環境の子供が多いという報告があった」ことを述べられました。また、「子供の自殺はあってはならないことであり、多くの若者が自ら尊い命を断たざるを得ない状況は大変重く受け止めている」と答弁されました。
仏教に「生老病死」という言葉ございます。人間も生物である以上、生まれて年老いて病気になって死ぬことは避けられません。これは医師しか言えないことかもしれませんが、御高齢の方や持病のある方、いわゆる免疫力の弱い方が新型コロナに限らず感染症にかかって亡くなるのは、ある意味で自然の摂理と言えます。それに対して、行政の発した自粛要請によって持病のない若い人が失業や鬱状態から自殺に追い込まれるのは、自然の摂理とは言えません。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長だった尾身茂先生が、今年2月に「どこまでの犠牲を許容するかという提言ができなかった」と回想されていますが、今回の新型コロナのようなパンデミック感染症の場合、誰一人取り残さないことは理想ではありますが、現実的には難しいと思います。特に医療現場では誰一人取り残さないことは机上の空論でございまして、例えば、大規模災害時にはベッドや薬などの限られた医療資源を有効に活用するため、トリアージという治療の優先順位付けがあります。
ウィズコロナ社会ではコロナの第9波、あるいは新たな新規感染症に備えて、どこまでの犠牲を許容するかという議論も重要と考えますが、知事の見解を伺います。

A 大野元裕 知事

まず、パンデミックを含めた大規模災害時には、限られた医療資源を有効に活用するためにどこまでの犠牲を許容するかの議論が重要だという御意見は、現役の医師である議員ならではの大変重い言葉と受け止めました。
コロナ禍で、そうした厳しい場面に何度となく直面されたであろう医療関係者の方は、私は少なくないと思っており、改めて深く敬意を表するところであります。
国は、第3波の感染拡大を踏まえ、令和3年3月に、感染の急拡大時にはコロナ医療に優先順位をつけるだけではなく、一般医療を相当程度制限する緊急的な患者対応をするよう通知で示すこととなりました。
本県では、通知で示された一般医療の制限を行ってよい診療科や患者の状態について文書で回答をするよう、国に求めてまいりましたが、これまで明確な答えはありませんでした。
医療の制限は、国民の生命や健康に重大な影響が及ぶ可能性があり、その判断を地方自治体やあるいは医療機関に任せるということでは、いけないと私は思っています。
他方で、この100年に1度と言われる新型コロナの流行を経験した今、再び、こうした事態に見舞われた時にどうしたらよいか、国においてしっかり議論すべきだと思います。
他方で、県行政のトップである私といたしましては、今後の感染対策についても、これまで同様、死亡者や重症者を減らすという戦略目標の下、取組を進めたいと考えます。
端的に申し上げれば、例えば、致死率が高い時には、一般の医療を制限する度合いが高く、また、致死率が低くなる時には、一般の医療に対する制限は低くなるということになろうかと思います。
他方で、高齢者施設の感染防止対策や、感染症専門人材の確保、医療体制の充実に努めるとともに、コロナ禍で生活に深刻な打撃を受けられた方に対するセーフティネット等を通じ、これらの制限のいわゆるハードルを低くしていくということが極めて重要だと考えており、県民の皆様がより安心・安全に暮らせる社会を目指したいと考えます。

再Q 日下部伸三 議員(自民)

ちょっと私の質問の仕方が悪かったのかもしれないんですけれども、どこまでの犠牲を許容するか、これはオープンに話すことは非常に難しいと思うんですけれども、埼玉県の新型コロナ感染症専門家会議、これは非公開ですから、その非公開の議論の開放はできるとは思うんですね。
今、5類に新型コロナはなりましたけれどもですね、例えば、全年齢層において季節性インフルエンザと重症化率と致死率が同等になった感染症に関しては、もう自粛要請はしないと。先ほどのBA・5対策強化宣言の延長のことを申し上げましたけれども、商売をやっている人にとってですね、5%でもお客さんが減るとこれは大きくてですね。先ほどの最強のBA・5対策強化宣言は緊急事態とかまん延防止と違って協力金はございませんので、5%でもお客さんが減ると商売をやっている人には大変なんですよ。
だから、このコロナが5類になった今ですね、どのレベルになると自粛要請をするかと、この辺のところはですね、やっぱり議論しておくべきだと思うんですけれども、もう一度、知事の答弁をお願いします。

再A 大野元裕 知事

先程来お話がございます医療の制限につきましては、県民の命に直結する重要な問題なので、先ほど申し上げたとおり応召義務のある医師に判断をさせるべき問題ではないと考えており、国に対して求めてまいりました。
他方で、国がこれらの判断をする前に先ほどお話がございましたけれども、医師あるいは医療機関が困難に直面するということもございますので、私どもといたしましては、致死率に応じて、そこは専門家会議に諮って判断をしたいと考えています。
なお、現状の致死率を維持するような場合には、あるいは変異株等が出現をして新たに懸念をしなければいけないような場合を除けば、これらの自粛要請について現時点で考えるところはございません。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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