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掲載日:2022年12月27日
Q 飯塚俊彦 議員(自民)
魅力ある県立高校づくり第二期実施方策が10月21日に策定され、12校を6校に再編する方針が示されました。私の地元本庄市でも、第一期実施方策に基づき、児玉高校と児玉白楊高校の統合が進められています。
両校とも100年以上の歴史を誇る伝統校であります。県立高校の統合は、中学校卒業者が減少する中で県立高校の活性化、特色化を図るためにはやむを得ないと思いますが、統合により高校がなくなってしまう側の人々にとって、歴史があり、地域に根付いた学校であればあるほど、その喪失感は大きいものとなります。第一期の児玉や飯能の事例は同一市内の学校同士でしたが、秩父高校と皆野高校の統合などは市町をまたいだ再編であり、地域に与える影響の象徴的な事例になるのではないでしょうか。
県には、このなくなってしまう側の学校の歴史や地域に与えてきた影響を重く受け止め、周辺住民や卒業生、在校生、教員の思いをくみ上げて、今後の再編を進めていってもらいたいと考えますが、教育長の御見解を伺います。
また、これまでの地域における県立高校のプレゼンスの大きさを鑑みれば、再編により教育活動が充実、強化された後の各高校に期待される役割も一層大きなものとなります。
教育局では、島根県教育委員会と高等学校教育に関する連携協定を締結し、島根県立隠岐島前高校に教員を派遣し、その取組を学んできたと聞いております。隠岐島前高校は、生徒減少により閉校寸前の状態から奇跡の復活を遂げた学校であり、この事例に学ぶところが多いのではないでしょうか。
隠岐島前高校では、学校、行政、地域住民が共同し、地域課題にチームで共同的に取り組む課題解決型の探求学習の構築などに取り組んでいます。私が実際に隠岐島前高校に派遣されていた教員の方に聞いた話の中では、島を丸ごと学校として捉え、地域資源を活用した教育を行っていることが強く印象に残っております。隠岐島前高校の事例から見えてくるのは、地域を重視する姿勢ではないでしょうか。
このことを踏まえ、生徒にとっても、地域にとっても魅力ある学校づくりを進めてほしいと考えますが、教育長に取組の方針を伺います。
A 高田直芳 教育長
まず、周辺住民や卒業生、在校生、教員の思いを汲み上げて、今後の再編を進めることについてでございます。
議員お話しのとおり、高校の再編に伴って校舎を閉じる学校の、これまで積み上げてきた歴史や地域への貢献、関係する方々の思いを受け止めることは、大変重要です。
これまで学校が培ってきた地域とのつながりや伝統を受け継ぎ、さらに発展させることで、地域の皆様に今後も支えていただけるような、新しい学校を作っていかなければなりません。
例えば、令和5年4月に新たに開校する児玉高校では、地域課題解決に取り組む「こだま学」を展開し、地域のことを深く理解し、地域に愛着と誇りを持った人材の育成を目指してまいります。
具体的には、現在の児玉高校で実施しているスポーツ交流や、児玉白楊高校で先行実施している「市民ポプラサロン」での高齢者との交流などについて、地域との連携をより一層充実させていきたいと考えております。
今後とも、県立高校の再編整備に当たりましては、これまでの学校の伝統をしっかり引き継ぐとともに、生徒、保護者、教員、地域の皆様の思いを受け止めながら、丁寧に進めてまいります。
次に、生徒にとっても地域にとっても魅力ある学校づくりを進める取組の方針について、でございます。
魅力ある県立高校づくりを進めるにあたり、地域を重視する姿勢は、何より大切なことと考えます。
議員お話しの島根県教育委員会とは、平成30年に連携協力協定を締結し、教員や生徒の相互交流、研修などを通じ、島根県の地域資源を活用した探究学習の取組などを参考にしながら、本県の教育活動の充実に取り組んでまいりました。
令和8年度に開校を予定している新校6校においても、それぞれの特色に応じて地域と連携しながら、地域を深く理解し、地域に貢献する学びを取り入れてまいります。
例えば、秩父高校と皆野高校を統合する新校は、グローバル人材を育成する高校として、秩父地域全体の観光資源の海外発信につなげるなど、地域社会への貢献も目指しています。
再編により開校する新校におきましては、地元中学生との意見交換会や新校準備委員会などを通して、地域の方々の声を丁寧に伺いながら、生徒や地域にとって魅力ある高校となるよう努めてまいります。
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