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掲載日:2022年10月19日
Q 岡地 優 議員(自民)
埼玉県の交通事故の発生状況について、令和3年度の交通事故死者数は118人で、前年と比較してマイナス3人で減少していると伺っています。今年度は更に例年より少なくなっていますが、9月末現在、全国ワースト7位の現在79名の方が犠牲になっており、痛ましい交通死亡事故を1件でも減らす努力は続けていくべきと考えます。
この歩車分離式信号は、車の通過と歩行者の横断が交わらないように設定してある信号機のことで、多少信号待ちの時間は長くなりますが、交差点の事故を防止し、あるいは減少させるための有効な手段の一つであると考えます。令和2年度にも歩車分離式信号の整備について質問させていただきましたが、その整備により人身事故が約27%減少したと伺いました。
交通量の多い交差点、大きな交差点では渋滞が増え、生活道路等への流入が増加する懸念があることで敬遠されるということですが、小学生の通学路、人通りの多い交差点等の信号機を歩車分離式信号に変更し、死傷事故を減らしていくべきと考えます。また、近年は信号機の設置戸数も減少していることから、既存の信号機を歩車分離式信号に変更するなど歩行者の安全確保をより一層図るため、既存施設を効果的に整備していくことも必要と考えます。
そこで、伺います。
今年の交通事故死者数は減少していますが、歩車分離式信号の整備による効果は出ているのか、警察本部長にお伺いいたします。また、交差点における歩行者の安全確保を図るため、更に信号機を歩車分離式信号に変更していく考えはあるのか、警察本部長に所見をお伺いいたします。
A 鈴木基之 警察本部長
まず、「歩車分離式信号の整備による効果について」です。
歩車分離式信号については、歩行者と車を完全に分離する制御方式または、歩行者と右折する車両のみを分離する制御方式等がありますが、令和4年3月末現在、県内の635交差点に整備されております。
このうち、平成24年度から令和2年度までに整備した339交差点において、整備前後1年間の人身事故件数を比較したところ、796件から551件と、整備前に比べ約31%(245件)減少しております。
また、歩行者・自転車が関係する人身事故件数について同様に比較したところ、190件から110件と、整備前に比べ約42%(80件)減少しております。
議員御質問のとおり、歩車分離式信号については、歩行者と車両の通行する時間を完全または一部分離する制御方式であるため、歩行者等が関係する交通事故抑止に効果的であると考えております。
次に、「今後の歩車分離式信号の整備について」です。
歩車分離式信号の整備にあたっては、歩行者、車両とも従来より信号の待ち時間が長くなるため、渋滞の発生が懸念されるなど整備が困難な交差点もあります。
しかしながら、交通事故抑止には効果的な信号機の制御方式であるため、交通実態に応じた信号秒数の調整等の手法により、整備を進めてきたところであります。
県警察においては、平成29年度から令和2年度までの4か年計画で、特に交通量の多い路線の交差点などを中心に260交差点を重点的に整備してきたところであり、今年度は6交差点を整備する予定です。
今後も交通事故の発生状況、付近の歩行者の通行実態等を踏まえ、必要性の高い交差点に整備してまいります。
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