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ページ番号:154501
掲載日:2022年6月30日
県庁舎建替え等検討特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されております案件は、「県庁舎の建替え及びこれに伴う周辺整備・地域活性化等に関する件」でありますが、今回は、「県庁舎の現状と課題について」審査を行いました。
審査に当たりましては、執行部から県庁舎の現状等に関する概要説明を受け、その後、質疑を行いました。
以下、主な論議について申し上げます。
まず、「職員のモチベーションの向上だけでなく、若くて優秀な人材を確保する観点から、今の県庁舎の執務環境をどう捉えているか」との質問に対し、「職員へのアンケートでは、意欲を持って仕事をするために必要なこととして『働きやすい職場環境』との回答が45%ほどあった。また、採用辞退者に対するアンケートでは、就職先を選ぶ際に重視することとして『執務環境等』が複数回答で一番多く63.4%であり、ほかの就職先のどのような点が埼玉県より魅力的なのかという項目では、『働きやすい職場環境』との回答が27.3%あった。こうしたことから、現状は十分と言える状況ではないと考えているが、執務環境の改善なども行っている」との答弁がありました。
次に、「警察本部が合同庁舎にあることで、警備面やセキュリティ面に課題がある。複数の庁舎に分散化していることで、機能性や効率性にも課題がある。また、警察官1万人以上の都道府県で独立庁舎でないのは埼玉県だけという話も聞いている。こうした状況をどう捉えているか」との質問に対し、「全ての所属が独立庁舎の中に入って業務を進める方が、一元管理や情報の共有化が図られるため理想であるが、現状では8つの所属が外の施設で分散化して業務を行っている。捜査機関である警察は、危機管理上、情報や秘密の保持の徹底が最重要課題で、強固なセキュリティの確保が求められている。また、災害発生時に治安維持の拠点の役割を果たす必要がある。そうしたことからも、できれば独立庁舎が望ましい」との答弁がありました。
次に、「情報セキュリティ対策については、情報セキュリティポリシーに基づいて運営されるはずだが、執務区域に第三者が入れないように防護するルールは守られていない。狭あい化でセキュリティポリシーを守りたくても守れない状況だと思うがどうか」との質問に対し、「申請手続等で県民や事業者の来訪が多い職場については、カウンターやパーテーションを設けて、このルールを守る努力をしている。ただ、物理的に現状で足りない部分については、管財課とも調整していきたい」との答弁がありました。
次に、「現在の庁舎は、耐震安全性を示すIs値が0.6以上あるとのことだが、この値であれば倒壊しないというわけではなく、少しでも傾くと住むことはできない。耐震改修の際、基礎から地下の杭も含め点検や補強等は行ったのか」との質問に対し、「杭のところまでは行っていないようだが、当時の状況をしっかり確認したい」との答弁がありました。
これらの質疑の後、委員から、「現在の県庁舎が抱えている課題を解決する上で参考になると思い、近年建替えを行った他県等の庁舎の事例を紹介したい」と資料提供の発言があり、資料配布後、説明がありました。その主な内容は、近年庁舎の建替えを行った長崎県庁、豊島区役所、さいたま市大宮区役所について、整備手法や建替えの効果などに関する概要であります。
その後、質疑を行いましたところ、まず、「長崎県庁舎のように、職員のやる気、能力や、様々な意見交換などを引き出す場として、オープンフロアを作るべきと考えるが、手狭とされる現在の庁舎で実現できるのか」との質問に対し、「現在の庁舎では、壁を壊すと耐震性能等に影響が出るため、オープンフロアにするためのスペースの確保は難しい」との答弁がありました。
次に、「長崎県庁舎のように、まちづくりの観点から県庁舎の整備を考えているか。また、定期借地権による財源を活用して整備した豊島区役所のように、建替えをする場合の財源の拠出手法について考えているか」との質問に対し、「現時点ではそこまでの考えは持っていないが、建替えを行うとすれば、まちづくりの観点を取り入れるような議論も必要となると認識している。これらの点については、今後課題を整理していく中で、検討していくものと考えている」との答弁がありました。
その後、次回の審査について協議したところ、審査事項については、「本日の審査で解明できなかった点及び建替え等を行う場合の課題及び対応」とし、日程については、9月定例会中に開催することと決した次第です。
以上、審査経過の概要について申し上げましたが、「県庁舎の建替え及びこれに伴う周辺整備・地域活性化等に関する件」につきましては、今後とも引き続き審査する必要がありますので、閉会中の継続審査事項として御決定くださいますようお願い申し上げまして、本委員会の報告を終わります。
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