トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和8年9月定例会 > 令和8年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 10月1日(木曜日) > 権守幸男(公明) > 令和8年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(権守幸男議員)

ここから本文です。
ページ番号:288799
掲載日:2026年10月23日
Q 権守幸男 議員(公明)
昨年1月28日、八潮市中央1丁目で中川流域下水道の管路に起因する大規模な道路陥没事故が発生しました。原因究明委員会では、硫化水素によって腐食した下水道管に起因する事故であると考えられており、下水道の老朽化対策は待ったなしです。
事故を受けた全国特別重点調査では、緊急度1.は原則1年以内、緊急度2.は応急措置を行った上で5年以内の対策が求められています。
まず、県管理の緊急度1.の管路について、対策の進捗と今後の見通しはどうか。あわせて、市町村管理分の進捗を県としてどう把握し、必要な支援につなげるのか、下水道事業管理者の見解を伺います。
大口径で地下深くにある流域下水道管は、既存管を生かした補修、再生、延命技術の活用が重要です。県では3月、民間事業者などと下水道管路マネジメントシステムの共同研究に着手しています。私は8月17日、参画する株式会社染めQテクノロジィを視察しました。同社では、耐硫化水素性に優れた材料で、劣化した管路を内側から補修、強靱化する技術を開発し、工期短縮やコスト縮減も期待されています。こうした研究を研究だけに終わらせず、耐久性や施工性、費用対効果を検証し、有効性が確認された技術は順次実証、導入すべきです。
そこで、共同研究の成果を管路の補修、再生、延命、さらには下水道の強靱化にどうつなげるのか。また、本格的な更新改修期を見据え、安全性を最優先に対策の優先順位をつけ、持続可能で強靱な下水道をどう構築するのか、下水道事業管理者の見解を伺います。
A 北田健夫 下水道事業管理者
まず、全国特別重点調査による県管理の緊急度1.の管路について、対策の進捗と今後の見通し、併せて、市町村管理分の進捗を県としてどう把握し、必要な支援につなげるのかについてでございます。
県管理の流域下水道におきまして、緊急度1.の要対策延長は、3.9キロメートルあり、このうち令和8年8月末までに3キロメートルの対策が完了しております。
残る0.9キロメートルについては、既に対策に着手しておりますが、下水を流しながら行う工事であることから、作業の安全性に配慮しながら、早期完了に努めてまいります。
また、市町村管理分につきましては、いずれの市町からも、道路陥没等の第三者被害の恐れが無いことを確認し、各箇所の対策に取り組んでいると伺っております。
市町担当者とは、定期的に情報交換する場を設けており、引き続き進捗状況の把握に努めるとともに、国の補助制度や技術的な問い合わせに対しても、様々な事例を紹介するなど、丁寧に助言を行ってまいります。
次に、民間事業者等との「下水道管路マネジメントシステム」の共同研究の成果を管路の補修・再生・延命、さらには下水道の強靭化にどうつなげるのかについてでございます。
大規模な下水道管路の点検調査や補修工事は、下水の流量が多く流れを止められない状況に加え、硫化水素ガスのリスクも伴うなど、極めて過酷な環境で行われており、作業の安全性と効率性を向上させる新技術の開発が不可欠であると認識しております。
このため、県では令和8年3月に、民間事業者等と下水道管路マネジメントシステムの共同研究の協定を締結し、ドローンやAI等の下水道DX及び新素材・新工法による短時間補修技術を活用した新たな維持管理手法の検証を進めております。
また、全国においても様々な新技術の実証事業が進められていることから、今後、有効性が確認された技術においては、現場の条件などを踏まえながら、積極的に導入を進め、下水道の強靭化に取り組んでまいります。
最後に、「本格的な更新・改修期」を見据え、安全性を最優先に対策の優先順位を付け、持続可能で強靱な下水道をどう構築するのかについてでございます。
県が管理する流域下水道の管路延長は439キロメートルあり、今後の改築更新や維持補修にあたっては多額の費用を要することから、財源を有効に活用するため、事業の重点化を進めていく必要があります。
県といたしましては、管路の点検結果に基づき、緊急度の高い箇所から優先的に対策事業を実施するよう、埼玉県下水道局ストックマネジメント計画を見直し、計画的に改築更新や維持補修を行ってまいります。
さらに事業実施に当たっては、新技術の活用による省力化・工期短縮・長寿命化を進め、陥没等の重大事故の未然防止を最優先に持続可能で強靭な大規模下水道システムの構築に努めてまいります。