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掲載日:2026年10月23日
Q 権守幸男 議員(公明)
今年も各地で台風や線状降水帯による豪雨が相次いでいます。令和8年8月千葉豪雨では、線状降水帯が3回発生し、警戒レベル4・5相当の防災気象情報が発表される中、多くの車両が冠水道路で立ち往生し、水没放置車両は約2,700台に及びました。発信された情報を県民の具体的な行動にどう結び付けるかが課題です。
私自身も9月8日、名古屋市で1時間104.5ミリの観測史上最多となる豪雨に遭遇し、道路冠水や水没車両、公共交通の運転見合せを目の当たりにし、都市型災害の恐ろしさを実感しました。警戒レベル5では既に災害が発生し、移動そのものが危険となる場合があります。だからこそ、レベル4までに県民が行動に移せるよう、具体的な情報発信が重要です。
一方、近年の台風や豪雨では、短時間で災害リスクが急激に高まり、地域によって降り方も異なる中、一律の発信には難しさもあると考えます。
しかし、千葉豪雨後の調査では、豪雨時に千葉市内で車やバイクを運転していた400人中153人が冠水などの危険に遭遇し、うち15人は車のドアが開かなくなったとされています。移動目的も、買物や通勤、家族の送迎などでした。こうした結果から、不要不急の移動を控えるという一般的な表現ではなく、より具体的に示す必要があります。気象情報や警戒レベルを県と市町村であらかじめ共有し、それに応じた段階的な行動基準を一貫して発信すべきです。あわせて、県民が地域の浸水リスクや避難先を確認し、いつ何をするかを決めておくマイタイムラインの普及を進めるべきです。
また、大量の水没放置車両の発生を踏まえ、車両の移動を含め、人員や物資を円滑に受け入れる広域的な応援・受援体制を平時から整える必要があります。
そこで、県民の行動につなげる情報発信をどう改善し、マイタイムラインの普及を市町村とどう連携して進めるのか、また、広域的な応援・受援体制をどう構築していくのか、危機管理防災部長の見解を伺います。
次に、ハード面です。
千葉豪雨では1時間115ミリの猛烈な雨が観測され、電気設備の浸水によりマンションで停電や断水が続くなど、都市型水害が生活機能に長期的な影響を及ぼしました。
本県でも1時間100ミリ級の豪雨が予想されます。河川や調節池、道路排水、アンダーパスなどの治水、冠水対策に加え、雨水をためる、浸透させる対策を組み合わせ、内水氾濫も見据えた流域治水を一層強化すべきです。また、県道には冠水のおそれがあるアンダーパスが13か所あります。冠水後の対応に加え、危険度の高まりに応じた通行規制の在り方についても検討すべきと考えますが、県土整備部長の見解を伺います。
A 武澤安彦 危機管理防災部長
まず、県民の行動につなげる情報発信についてでございます。
今年の夏の豪雨災害では、アンダーパスの浸水や道路冠水など、都市型水害の脅威が顕在化し、防災情報を県民の具体的な行動につなげる重要性を改めて認識したところでございます。
議員御指摘のとおり、県民の皆様には早めの避難などをお願いしておりますが、身を守る行動につなげていくためには、より具体的な表現によるアナウンスが重要です。
国、市町村と連携して、レベル5大雨特別警報が発表された際には、むやみに移動せず、車の運転を控えること、冠水した道路には侵入しないことを平時から県民の皆様に県のホームページや公式SNS、防災情報メールで呼び掛けを行っております。
また、レベル5に至らない場合でも、今年度から線状降水帯に関する情報が発表された場合に、県民へ早めの避難などを周知することといたしました。
引き続き、あらゆる媒体を活用し、県民の具体的な行動につながる情報の発信に努めてまいります。
次に、マイ・タイムラインの普及についてでございます。
県では、避難に備えた行動を一人ひとりがあらかじめ整理しておく「マイ・タイムライン」の作成を推進しております。
マイ・タイムラインの必要性や作成方法を紹介するショート動画を公開しているほか、彩の国だよりや防災マニュアルブックなどにより、普及啓発に努めております。
また、能美防災そなーえ 埼玉県防災学習センターにおいても、マイ・タイムラインについて学び、実際に作成するワークショップなどを開催しております。
マイ・タイムラインの普及啓発には、市町村との連携が重要となるため、市町村防災担当課長会議で周知を図るとともに、新たに市町村と協働してマイ・タイムラインの研修会を開催するなど、しっかりと取り組んでまいります。
最後に、広域的な応援・受援体制の構築についてでございます。
これまで、関東地方知事会や九都県市の相互応援協定を活用し、物資などの提供や応急対策に必要な職員の派遣など、体制の構築を図っているところでございます。
さらに、県域を越えた全国規模の民間企業、団体とは、災害時応援協定を締結しており、食料品など様々な物資の調達や車両の移動など、幅広い分野において広域的な応援を受けることができるよう取り組んでおります。
協定団体とは、平時より顔の見える関係づくりを進めており、災害時においても、実効性の高い応急対策を迅速に行えるよう、引き続き連携を強化してまいります。
A 小島茂 県土整備部長
令和8年8月千葉豪雨のような想定を上回る降雨に対し、浸水や道路冠水による人命および財産への被害を防止し、最小化するためには、あらゆる関係者が協働で取り組む流域治水を強力に推進する必要があります。
現在、県では、河道、排水機場及び調節池の整備、さらには道路冠水対策や防災情報の発信に取り組んでおり、市町では下水道や調整池の整備、校庭貯留などの内水対策を進めております。
さらに、流域治水の実効性を高めるために、中川・綾瀬川流域や笹目川流域を特定都市河川流域に指定し、国予算の重点措置による河川整備の加速化や法的枠組みを活用した雨水貯留浸透施設の整備などにより、官民一体となって治水対策の強化を図ってまいります。
また、県管理道路のアンダーパスなどでは、ポンプなどの排水設備に加え、水位計及び注意表示、カメラ等の監視設備を設置し、冠水状況に応じて速やかに通行規制等の措置を講じております。
更なる安全確保に向けて、国の予防的な事前通行規制の取組や、迂回路等の周辺状況などを踏まえ、アンダーパスの通行規制の在り方について、検討を進めてまいります。
今後とも、迅速かつ適切な措置が行えるよう関係機関と連携しながら冠水対策の強化に全力で取り組んでまいります。