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掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(尾花瑛仁議員)

知事の次期マニフェストと、コロナ禍を経た県行財政の在り方について-基金残高とポストコロナ-

Q 尾花瑛仁 議員(自民)

コロナ禍は、多くの潜在的な社会課題を浮き彫りにしました。国と地方の政策、財政の連動性、役割分担の必要性はより可視化され、危機管理に代表される都道府県政のプレゼンスは、かつてないほど高まっております。
そこで、ポストコロナに向け、まず、財源論からお伺いいたします。
民間レポート等では、本県の財政状況は総体として良好といった評価が多い一方、財源調整のための基金の残高が低い問題が議会から指摘されておりましたが、独自財源である県税収入がコロナ禍前から増加を続けていることに加え、コロナ禍における令和3年度の県財政では、当初の歳入見込みに反して決算額が上振れ、交付税も大幅増となったことと併せて、年度末の基金残高は約622億円の大幅増となる約1274億円に、そして令和4年度も約135億円の増となった結果、残高は1409億円と大幅回復をした状況です。
知事は、本任期の総括について、2月定例会当時の小島信昭団長の代表質問に対し、危機対応に追われ、自分がやりたいことよりも、やらなければいけないことを優先せざるを得なかったとの旨、答弁され、報道によれば、自ら80点と評価をされております。再選の意思を表明された今、積み増した財源の活用を含めて、施策を加速する考えがあるかをお伺いしたいと思います。
なお、この基金残高について、県は本年の予算特別委員会にて、交付税の精算措置分と定年の段階的引上げに伴う退職手当分を積んでいるものと説明をされていますが、実は今回、ほぼ全ての自治体で精算が行われる一方、精算が開始された令和4年度の地方財政計画において、実質的な交付税の全国の総額が減るどころか増えているという事実があり、交付税額はコロナ禍前から大きく減らないという可能性が考えられます。
また、地方公務員の退職者と手当支給額は年々減少傾向にあり、特に令和5年度からの10年間は、定年延長に伴い退職者数が半減することから、支給額も大きく減ると思われます。令和4年度の補正予算第10号では、県税及び地方譲与税等について、県税交付金等の関連歳出を除いた見込みが当初予算に比べ約469億円伸び、財源調整のための基金残高も前年度比約135億円増加するなど、基金と県税決算額がコロナ前の令和元年度以降、一貫して増え続けていることは客観的事実であり、政策実施に必要な財政基盤は徐々に整ってきているとも考えられます。
残高目標については、知事が債務や経済状況で見直すべきものと述べられている前提での問いとなりますが、ポストコロナと再選に向けての施策加速について、財源論から知事の御所見をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

議員お話しのとおり、財源調整のための基金残高は令和4年度末時点で、1409億円まで復元をしております。
しかし、後年度の普通交付税の精算措置や、定年年齢の段階的引上げに伴い、今後必要となる退職手当相当額を除いた実質的な残高は、現時点で160億円であり、決して十分とは言えない状況であります。
また、県税収入は令和2年度以降増加しているものの、景気動向等により大きく左右されるという面もございます。
さらに、今後、社会保障関連経費や公共施設の老朽化対策経費の増加は確実に見込まれており、財政状況に余裕があるとは言えないと認識しております。
このような状況でも、埼玉版スーパー・シティプロジェクトの参加自治体を拡大するほか、2年連続で1000億円を超える公共事業予算を確保するなど、本県の発展のために必要な施策については、財源を理由にすることなく、歩みを止めることなく実施をさせていただいております。
超少子高齢社会が進展する中で、引き続き本県の成長を実現させるため、今後も未来を見据えたまちづくりを進めていくとともに、DXの推進をはじめとした社会全体の生産性向上に向けた施策に取り組んでいく必要がございます。
そのためにも、引き続き、歳出面ではEBPMの考え方に基づいた検証を行い、不断の行財政改革に努め、効果の高い事業に限られた財源を重点化するとともに、歳入面ではあらゆる手段を用いて財源確保を図ってまいります。
令和5年度をポストコロナ元年として、10年、20年先を見据えた、持続的発展につながる取組を着実に実施してまいります。

再Q 尾花瑛仁 議員(自民)

先ほど知事答弁の中で、基金については、精算措置分を確保してある旨の答弁でした。確かに御説明のとおり、普通交付税の基準財政収入額については、一部の税目において課税実績とかい離が生じた場合、算定以降3か年かけて精算をするという仕組みになっております。
一方、先ほども述べましたが、今回この精算が始まった令和4年度の地方財政計画上の交付税及び臨財債の合計額、つまり全国の自治体に対してこれから配分する交付税の総額を過去と比較しますと、コロナ前の令和2年度と比べて減るどころか増えており、また、令和5年度についても同等の規模で推移しているという状況がございます。これについては、一度積み上げたものを一定のルールに沿って全国に配分するというものでありますので、このお金については、必ず行き先があるという性質のものであります。
今回かなり特殊な状況ですが、ほとんど全ての自治体において精算が行われるという状況にもかかわらず、このように実質的な交付税総額が変わらないという状況を総合的に判断しますと、精算の中身というのは、結果的には基準財政需要額側の増加に転嫁されるなどして、交付税の金額自体は、コロナ禍前からそこまで変化しないという結論が導き出されます。
端的に申し上げれば、県においても3か年における精算のその影響は受けますが、実際に来る交付税の額はそこまで変わらないのではないか。少なくとも、県が説明されましたかい離額の566億円が丸ごとなくなることはまずないと思われます。
その証明として、実際本県においては、令和4年度に交付された交付税が令和2年度に比べてほぼ変わらず、反対に県税が大きく増えていることで135億円が積み増せているという状況でございますので、結果的にこれらの状況も踏まえた上でも、あくまで現時点として、県としては精算の結果、残高がコロナ禍前の652億円程度まで減るという認識で予算編成をされていくのか、予算調製権をお持ちの大野知事にお伺いしたいと思います。

再A 大野元裕 知事

普通交付税につきましては、景気の影響を受けやすい法人事業税等の特定の税目について、基準財政収入額と課税実績額との間に格差が生じた場合に精算する制度となっており、これは議員御指摘のとおりであります。
本県では、令和3年度、そして4年度に法人事業税等の実際の税収が交付税算定上見込んだ額よりも多く、結果として普通交付税が過大に交付されたことから、後年度に精算制度による減算措置がなされます。
このため、精算制度による普通交付税の減算措置見込額を基金に積み立てているということであります。
また、議員のお話しにもございました地方交付税と臨時財政対策債の合計額につきましては、例えば令和2年度と4年度との比較において、市町村も含めた地方財政計画上、つまり道府県と市町村の合計では増加をしておりますが、本県の当初交付決定額は減少しております。
これは、法人事業税等は道府県税であるために、精算制度における実質的な交付税では、市町村の場合には令和2年度から4年度にかけて増加したわけでございますけれども、道府県の方が法人事業税等による影響が大きいということが要因としてあるので、逆に道府県では減っている、そして埼玉県においても減少しているということでございます。
したがって、実質的な基金残高がコロナ前の水準に戻る前提に立って予算編成を行わざるを得ないという状況にあります。
なお、議員御指摘のとおり、地方交付税の交付額は需要と収入の差し引きで算定をされることになるため、基準財政需要額の措置のされ方によっては、もちろん見込みを上回るということもあり得ます。
今後、実質的な基金残高の状況を見ながら、地方交付税と臨時財政対策債の合計額が見込みを上回った場合には、その財源を有効活用をして予算編成をさせていただきたいと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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