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掲載日:2022年12月27日

令和4年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山根史子議員)

人工妊娠中絶に関する精神的・身体的な支援について

Q   山根史子 議員(民主フォーラム)

私は、これまでの一般質問の中で妊娠に関する項目を数多く取り上げてきたと思います。特に、性教育の重要性を訴えてまいりました。それは、予期せぬ妊娠による悲しい結果を目の当たりにしてきたからです。
妊娠をすれば、女性の体は大きく変化します。お腹に自分がいないと育たない、いとおしい生命力を感じます。それが母性というものなのかと、私自身も我が子を身ごもったときに感じました。
しかしながら、妊娠しても病気や経済的事情、様々な理由によって産むという選択がかなわず、中絶を選択される方はいます。その悲しみは計り知れません。若くして中絶を経験し、何十年たっても後悔と罪悪感を背負って生きていらっしゃる方がいます。
予期せぬ妊娠を防ぐためにも、性教育は重要です。避妊や性病などについて、生理が始まる年頃より前から男女共に学ぶべきだと思っています。
埼玉県では、学校における産婦人科医や助産師等の外部講師を招いた出前授業、ホームページによる周知や思いがけない妊娠に関する相談窓口、にんしんSOS埼玉などの相談窓口を設けています。では、中絶を考えている方、中絶を経験され精神的に苦しみをお持ちの方が相談できるところはどこなのか。現在のところ、にんしんSOS埼玉、埼玉県不妊症・不育症等ピアサポートセンター「ふわり」の中で相談ができるようです。
しかし、埼玉県不妊症・不育症等ピアサポートセンター「ふわり」は、その名称からも不妊症や不育症のように妊娠を願っている方のための相談窓口をうたっています。そこに中絶に関する相談を行うのは、中絶をし罪悪感を抱えている方にとっては、とてもハードルが高いように思います。
令和3年度、子ども子育て支援推進調査研究事業の子供を亡くした家族へのブリーフケアによる調査研究によると、人工妊娠中絶により子供を亡くした女性及び家族の悲嘆は深く、その影響は長期にわたることが改めて確認されたとあります。また、多くの人が支援を必要としておりますが、その一方で、支援を求める人たちに必ずしも必要な支援が届いておりません。さらに、支援体制においても地域差があることも分かりました。
中絶を経験された多くの方は、その後、赤ちゃんにまつわる全てを、見るのも、耳にするのも、何て自分は最低な人間なんだと、そのたびに思い知らされるようで、とてもつらいと聞きます。悲しみの失意を経験し、それでも未来を歩む生きる力を取り戻すためには、精神的ケアが必要だと思います。
また、人工妊娠中絶後、通院の意欲が失せる方もいます。身体的ケアを放置すれば、将来的に影響を及ぼすこともあります。
さらに、人工妊娠中絶を考えている方、経験された方の中には、周囲にほとんど知らせず、誰にも相談できずにいる方が多くいます。そのため、人工妊娠中絶について得たい情報を御自身で収集されます。それが正しい情報なのかどうか、不安を抱えたまま、そのときを迎える方もいます。
そこで、知事に3点質問させていただきます。
1点目、人工妊娠中絶を考えている方、経験された方の身体的ケアや罪悪感等への精神的なケアについて、埼玉県の支援状況をお伺いいたします。
2点目、相談窓口の設置については、人工妊娠中絶を考えている方、経験された方にも配慮したものにしていただきたいと思います。御見解をお伺いいたします。
3点目、埼玉県として人工妊娠中絶に関する正しい情報を必要な方へ提供していただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。

A   大野元裕   知事

本県の支援状況についてであります。
県では、平成30年に思いがけない妊娠に関する相談窓口である「にんしんSOS埼玉」を開設し、人工妊娠中絶に関する御相談をお受けしています。
「にんしんSOS埼玉」では、保健師や助産師、社会福祉士などの専門相談員が、思いがけない妊娠に悩む方の状況を丁寧に受け止めながら、精神的なケアを行っています。
また、必要に応じて、医療機関や市町村の子育て世代包括支援センターなどと連携を図り、地域において継続したサポートが受けられるよう支援を行っています。
さらに、本年7月には、流産や死産などでお子さんを亡くされた方や御家族への相談支援を目的として、「不妊症、不育症等ピアサポートセンターふわり」を開設いたしました。
これらの窓口において、人工妊娠中絶を考えておられる方や、経験された方の相談支援を行っています。
次に、人工妊娠中絶を考えている方や、経験された方へ配慮した相談窓口の設置についてであります。
人工妊娠中絶を選択される方の背景には、経済的な問題、健康上の問題、DVや性被害に関連する問題など、様々な問題があることが推測されます。
このような問題を抱えた方が、その解決に向けて、それぞれの背景に応じた相談窓口にたどり着きやすくなるための配慮が重要であると認識します。
そのため人工妊娠中絶に特化したホームページを作成し、より分かりやすい広報に取り組みます。その中で、「にんしんSOS埼玉」において人工妊娠中絶を経験された方に対する相談を受けることができる旨を明記し周知をしたいと思います。
次に、正しい情報の提供についてです。 
現在、県ホームページや広報誌に、相談窓口に関する情報を掲載し、周知に努めております。
また、相談支援に携わる医療機関や市町村等の職員を対象として、相談スキルの向上を図ることを目的とした研修会を開催しており、人工妊娠中絶に関する知識や相談窓口の情報についても周知しております。医療機関における広報は効果的と考えており、更なる措置についても検討してまいります。
今後は、SNSの活用や先ほどお話しをいたしましたホームページの作成等により、支援が必要とされる方に正しい情報が着実に届くよう取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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