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掲載日:2023年12月18日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(荒木裕介議員)

県立高等学校等の令和3年度入試における対応について

Q   荒木裕介  議員(自民

コロナ禍における学びの遅れに始まった今年度の教育現場は、その対応に追われる日々を送ってこられました。ICT環境整備の前倒しによるオンライン授業や夏休みの短縮による授業時間の確保など新たな日常は、まさに教育環境にも大きな影響を及ぼしています。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況の中で、来年に受検を控える生徒さんたちにとっては特別な年となり、例年以上の不安とプレッシャーを感じながら、今この瞬間も勉学に励まれていることと思います。
さて、いよいよ来年からは大学入学共通テストが始まりますが、コロナ禍での入試を考慮し様々な対策が講じられるようです。入試試験場におけるマスク、速乾性アルコール製剤の準備に始まり、試験場への入場方法の工夫、さらにはトイレの使用方法に至るまで、そうした配慮が施されるとも伺います。
ここで特筆すべきは、例年本試験と追試験の間が1週間であった期間を2週間に変更することで、本試験時には新型コロナウイルスの陽性者が追試を受けられるようになったことであります。また、濃厚接触者もPCR検査で陰性、かつ当日に無症状の一定の条件がそろえば受験が認められるという点です。
そこで、以下四点、お尋ねいたします。
一点目、埼玉県の県立高校入試では来年の2月26日に試験を行い、5日後の3月3日を追試の日程と県のホームページでも公表しております。大学入学共通テストと同様に、期間を2週間空けることで新型コロナウイルスの陽性者も試験を受けられるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
二点目、無症状の濃厚接触者となった生徒への対応については、県の教育委員会からの方針がいまだに示されておりません。こうした受検生は一定数いるであろうことを鑑みると、県がきちんとした対応方針を示すことで受検を可能にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
三点目、新型コロナウイルスやインフルエンザを疑う受検生の試験当日の対応は、今までにない対応を強いられることになると思いますが、いかがお考えでしょうか。
四点目、このまま感染拡大が収まらず緊急事態宣言が再度発出され入試日程に重なった場合には、試験は実施されるのでしょうか。また、その場合の人員配置など受入体制はどのように考えているのでしょうか。
以上、全ての県立高校受検を控えた生徒さんが、安心して来年の入学試験に挑めるよう万全の体制を整えていただくことを期待しつつ、教育長の御答弁をお願いいたします。
一方で、県教育局が10月29日に公表した県内中学校進路希望者6万1,740人を対象にした調査によると、来年の県内私立高校進学希望者数は9,384人で、前年を413人上回っております。これだけ多くの生徒が私立高校への進学を希望していることからも、生徒の進学の機会を確保し、一人ひとりが安心して受験に挑み、希望する学校いかんに関わらず進学ができるよう、県としても必要な処置を最大限講じることが重要と考えます。
そこで、お尋ねいたします。
私学には独自の教育理念に基づいた試験科目や試験方法があり、私立高校の教育方針について県が私立高校への指導監督の権限がないことは承知いたしております。しかし、県立高校と同様に、少なくとも入試の直前に新型コロナウイルスにり患した生徒、あるいは濃厚接触者とされた生徒たちにも、可能な限り受験の機会を確保してあげるべきではないでしょうか。
埼玉の未来を担う子供たちがその希望に沿ってチャレンジができるよう、県としてもサポートすべきと考えますが、総務部長の御見解をお伺いいたします。

A  高田直芳 教育長

まず、学力検査と追検査の間を2週間空けることで、新型コロナウイルスの陽性者も試験を受けることができるようにするべきについてでございます。
現在、県内において新型コロナウイルスへの感染者が増加しており、受検生は、自分自身が陽性者となった場合に、学力検査を受けられるかどうか大変心配していることと思います。
新型コロナウイルスに感染した場合、治療及び健康観察期間が10日程度必要なことから、従来の公立高校入試では、学力検査だけでなく、その5日後に行う追検査も受検できない可能性があります。
そこで、受検生にとって3年間の学習の集大成である高校入試を、新型コロナウイルスに感染した場合でも受検できるよう、従来の追検査に加え、学力検査から2週間程度の

 

に、特例の追検査新たに実施する向で検討を進めております次に、無症状の濃厚接触者の受検生への対応方針を示し、受検を可能にすべきと考えるがいかがかについてでございます。
大学入学共通テストでは、無症状の濃厚接触者は、一定の条件を満たせば別室による受験を認めており、国からの通知では、高校入試においても、同様の取扱いとすることが可能となっております。
このことを受け、県では従来から実施している追検査の際、無症状の濃厚接触者が他の受検生と接触しないよう、感染防止対策が十分講じられた検査会場を別途用意し、受検できるよう検討してまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザへの感染の疑いがある受検生への検査当日の対応についてでございます。
これまでは、学力検査当日に、インフルエンザ等で体調不良となった受検生を対象に追検査を実施しておりました。
今年度は更に、県が作成した健康観察のためのチェックリストを用いて、発熱や味覚障害等の項目に該当する受検生は、当日の学力検査ではなく、追検査の対象とすることを検討しております。
次に、高校入試の期間中に緊急事態宣言が発出された場合でも学力検査は実施するのか、また、その場合の受入れ体制はどのように考えているのかについてでございます。
先月末に行われた文部科学大臣の会見の中で、緊急事態宣言下であっても、大学入学共通テストは実施するとの御発言がありました。
現時点では、高校入試について文部科学省から特段の通知等は出ておりませんが、この発言を踏まえ、県では、公立高校入試についても、十分な感染防止対策を講じた上で、実施する方向で準備を進めております。
実施にあたっては、密を生じさせないよう受検生の動線を確保し、その誘導のための教員を適切に配置するなど、受入れ体制を整えてまいります。
今後、公立高校入試における感染者等への対応方針を、早急に決定するとともに、中学3年生や保護者の皆様に周知してまいります。
コロナ禍においても、志望校合格を目指して一生懸命頑張っている全ての受検生が、安心して高校入試に臨めるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 

A  北島通次  総務部長

 

私立高校の受験の機会を確保すべきについてでございます。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で不安を感じている受験生の気持ちを思えば、希望に向かってチャレンジできるよう、様々な受験機会が確保されることは私も重要と考えております。
県では、私立高等学校の入学試験の実施に際し、試験会場での感染対策のほか、追試等による受験機会の確保について十分な配慮を行うよう各学校に要請をしております。
もとより、私立高等学校は、多彩な人材を受け入れるために多様な選考方法を採用しており、入学試験についても、ほとんどの学校で複数回の受験機会を設けております。
令和3年度入試では、新型コロナウイルス対策として、多くの学校が様々な事情で当日受験できない生徒に対して、追加試験の日程を設ける予定と聞いております。
県といたしましては、生徒一人ひとりが安心して受験に臨めるよう、県教育委員会としっかりと連携するとともに、私立高等学校に対して適切な要請や情報提供を行ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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