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掲載日:2023年12月18日
Q 荒木裕介 議員(自民)
新型コロナウイルス感染症の患者で陰性になった後も、その後遺症とされる症例によって苦しめられているという報告が後を絶ちません。頭痛や発熱に倦怠感、更には味覚、嗅覚障害に加え手足のしびれ、中にはおでこから後頭部にかけて殴られたように痛むことがあるなど、それらを理由に長期間職場に復帰できない方がいることは、大変に憂慮すべき事態と言えます。
また、海外では、イタリアでも後遺症についての調査が行われ、感染者143人を対象にした調査で、そのうちの87%が発症から平均65日後も倦怠感や呼吸障害があるなどという調査結果を得ており、またアメリカによる調査でも270人のうち35%が、検査の半月以降も元の健康に戻っていないとする結果が出たとの報告もあります。これまであまり問題視されてこなかった後遺症ではありますが、これだけ多く症例に苦しむ方たちがいるのです。
そうした中、我が国においても厚生労働省が8月から厚生労働研究を開始し、新型コロナウイルスの後遺症についてその実態の把握と原因の究明に向けて動き出しております。
そこで、お尋ねいたします。
現在、重症化リスクの低い若年層を中心に感染が拡大しております。後遺症についてはその危険性を周知し、危機感をあおることで感染拡大抑止につながると考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。
また、県はこうした考え方に立って後遺症の調査研究を行うべきと考えますが、その調査については国任せにするのではなく、県のトップである知事が率先して因果関係を明確にする時期に来ているとも考えます。例えば保健所や衛生研究所の人員を増やした上で、積極的疫学調査の中に後遺症の調査研究を位置付けるなどし、実態の把握に努めるべきではないでしょうか。その上で、後遺症に苦しむ方々への丁寧なアフターケアが必要になってくると考えますがいかがでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
後遺症の実態の把握に努め、後遺症に苦しむ方々への丁寧なアフターケアが必要ではないかについてでございます。
新型コロナウイルス感染症の後遺症については、分からないことが多いため、県民の不安に思う気持ちを受け止めなければならないと考えております。
後遺症の予防や治療のためには、議員御指摘のとおり、後遺症の実態について調査をしていくことは重要であります。
こうした調査は多くの症例を集め検証する必要がありますが、都道府県レベルでは症例数も限られておりますので、国において大規模な調査研究を実施するべきものと考えます。
現在、国においては、後遺症について8月から2,000人を対象に、その原因を調べる調査研究に着手しており、県としても積極的に協力をしてまいります。
この調査研究では、症状が重かった人には、退院後に残っている症状の聞き取りや肺のCT画像診断、肺機能の検査を、症状が軽かった人には、残っている症状の聞き取りや血液の分析を行うと聞いております。
県としては、保健所において実施している退院後のフォローアップに、国の調査研究結果や他の知見などを生かし、丁寧なアフターケアに努めてまいります。
A 関本建二 保健医療部長
「後遺症の危険性を周知する事が感染拡大抑止に繋がる」についてでございます。
若者に限らず、感染防止に対する意識の緩みにより感染してしまい、それに気付かず家族や知人、職場などへ感染を広げてしまっている例も散見されます。
こうした方々に対して、再度基本に返って感染防止を徹底していただくためには、治療後に後遺症が存在することも含め、新型コロナウイルス感染症に関する正しい情報を周知していくことが重要です。
このため、国における後遺症の調査結果や他の知見などを踏まえ、引き続き、若者を含めた県民に対する正確かつ効果的な情報提供に努めてまいります。
再Q 荒木裕介 議員(自民)
新型コロナウイルスの後遺症についてお尋ねさせていただきましたけれども、これも知事にお尋ねの中で、答弁の中では国の方針に従ってと。確かにデータサンプル自体は、県自体はなかなか持ち合わせていない。国に比べたら、それはそうかもしれませんけれども、やはりこれだけ大きな症例があるとされる中、まして海外でもいろんな症例が報じられておる中で、基礎自治体といいますか、この埼玉県として、より県民に身近な埼玉県として独自のきちっとした調査をする視点も、私はもうあってもいいと。その思いから今回、あえて質問をさせていただいたつもりでございます。
繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、そうした国任せにするのではなくて、しっかりと県としてそういう認識を今まで以上に持ち合わせて推し進めていただきたいと思いますが、改めまして知事に対する質問とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
再A 大野元裕 知事
県として独自の調査を行う視点があっても良いのではないかという再質問についてでございます。
そもそも後遺症の予防や治療方法のみならず、新型コロナウイルス感染症の治療方法や、あるいは予防、検体採取の方法などにつきましても、そのサンプル数が有効であるためには、国がしっかりとした対応をこれまでもしてきたところであり、県としてもそれに協力をさせていただいてきたところでございます。
議員御指摘のとおり、多くの症例がある深刻な問題であればこそ、サンプルをしっかりととり、そしてより確実な対応を図っていくためにも、現時点では私どもといたしましては、後遺症の予防や治療のために国の調査研究が進められておりますので、県として積極的に協力をし、必要な県独自の臨床事例等あれば、御提供させていただくつもりでございます。
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