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掲載日:2020年3月31日

令和2年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)

部落差別解消推進条例について

Q   田並尚明  議員(民主フォーラム

「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」、これは言うまでもなく日本国憲法第14条の条文です。戦後、世の中は急速な技術の進歩により、便利過ぎるほど便利で文化的な生活が送れるようになりました。私が3歳くらいの頃は家に電話やお風呂はなく、もちろん自動車もありませんでした。クーラーなんかはまだこの世に存在していなかったのではないでしょうか。それが今やスマホにAIです。コンピューターに人間の仕事の半分近くが奪われてしまうのではないかと心配されるほど、技術の進歩はすさまじいばかりです。
こんな進んだ世の中なのに、日本にはまだいまだに江戸時代の名残があります。それを代表するのが部落差別です。特に就職や結婚相手に対しての身元調査がいまだに行われているという事実が、この問題の根深さを表わしていると思います。被差別部落出身ということで結婚を断られたという人が、私の身近にも、そして後輩にもおりました。
2011年11月には一部の司法書士や行政書士が職務上請求権を偽造、印刷して、1万件に及ぶ戸籍や住民票を不正取得し、それを結婚相手の身元調査に使用していた、いわゆるプライム事件が発生いたしました。また、2013年には中古住宅販売会社が中古住宅を購入する際に、そこが同和地区かどうかを調査していた事件も起こっております。最近ではあるサイトで、法務局の指導も無視して全国の同和地区所在地一覧をインターネットに掲載し続けている信じがたい事件も起きております。
そういった事態が後を絶たないことを受け、2016年12月には長年の懸案であった部落差別の解消の推進に関する法律、以下、推進法と呼ばせていただきます、が制定されました。このことは部落差別が存在していること、部落差別は許されないことを明確にするとともに、国や自治体の責務を明確にし、かつ行政や教育委員会の取組に根拠を与えました。
また、2002年にいわゆる同和対策特別措置法が失効してからこの15年間、「同和行政は終わった」とか「同和教育はもうやらなくていい」という風潮が広がる中で、「部落差別解消」という文言をストレートに表現した法律ができたことは、問題解決にとって極めて大きな意義を有すると考えます。
しかし、推進法ができて3年経過いたしましたが、部落差別は減るどころか、インターネット上では更に陰湿な差別がはびこっております。私は、地元の集会所で子供たちを対象とした七夕、パンづくり、クリスマス会等に毎年参加しております。そのたびに何の責任もないこの子たちに、江戸時代の身分制度の名残である部落差別によってこの子供たちの笑顔を奪ってはならない、この子たちの笑顔を守るのが大人たち役目でもあるし政治の大事な仕事ではないかと強く思います。
同様の質問を平成28年の12月定例会でも質問させていただき、部長からは再質問に対し「同和問題は他の人権問題と違い、土地との関わり合いによって引き起こされる差別ということです。刑罰を課すということになると、例えば同和地区というのを改めて定める必要があるのかなとかいろいろな課題がございます。しかしながら、そういう課題も踏まえ、条例制定を前提に進めてまいりたいと思います」との答弁をいただき、実際1年ほどかけて法や憲法との整合性も含め検討していただきましたが、結果は推進法があるなどの理由で条例はふさわしくないとのことでした。残念でしたが、真摯に取り組んでいただいたことには大変感謝しております。
しかし、推進法があっても条例を定めている自治体はあります。要は推進法があるなしではなく、「うちの県は部落差別を絶対に許さない」という強い気持ちの表現なのではないでしょうか。私は特措法が失効した後も法的根拠や予算がない中で、埼玉県はよくやっていただいていると評価しています。
今までの取組の成果を更に確固としたものにするためにも、是非条例制定に取り組んでいただきたい。他県でできて埼玉県で条例を作れないということはないと思います。知事のお考えをお伺いいたします。

A   大野元裕   知事

議員御指摘のとおり部落差別は、残念ながら現実に存在しており、絶対に許されるものではありません。
同和問題の近年の傾向としては、インターネットでの全国の被差別部落一覧の掲載や、部落を対象とした差別的な書き込みなどが挙げられます。
こうしたインターネットの匿名性を悪用した行為は、差別を助長するものであり見過ごすことはできません。
県では、これまでも人権施策推進指針や県民運動などで、「同和問題は我が国固有の人権問題であり、憲法が保障する基本的人権の侵害に関わる重要な問題」と捉え、積極的な啓発活動に取り組んでまいりました。
また、県内の企業や公民館などで開催される人権講演会に講師を派遣するなど、あらゆる機会を通じて同和問題の正しい理解の普及に努めております。
私は、人権問題は目の前に起きている現実にしっかりと向き合い、全ての人は差別なく生きる権利がある、そういった発想の下、政策を進めていかなければならないと考えているところであります。
現在、国では部落差別解消推進法に基づき、地方法務局が把握する差別事例調査やインターネット上の部落差別に関する調査などを、全国の実態を調査しているところです。
今後、この調査結果に基づき、部落差別の解消に向けた施策や国と地方公共団体との役割分担が示されるものと考えております。
条例制定につきましては、国が示すであろう地方公共団体の役割を踏まえ、本県の実情や条例を制定している府県での効果なども確認をしながら、その必要性を検討したいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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