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掲載日:2023年1月26日
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水のたまりやすい流域の地形
中川・綾瀬川流域は、北は利根川、東は江戸川、西側は荒川と三方を大きな川で囲まれており、平坦な地域です。かつては大小の川が大雨のたびに氾濫を繰り返す低湿地帯でした。江戸時代には瀬替え工事や農業用排水路の整備により、穀倉地帯へと生まれ変わりました。しかし現在でも、利根川・江戸川・荒川などの大河川よりも低い位置にあり、勾配も緩やかであるため水の流下能力が低く、浸水被害は広範囲かつ長時間になるという治水上の問題を抱えています。
またそれに加え、昭和30年代までは農村地帯だったものが、40年代の高度成長期に入ると、東京に近接するという地理的条件から、都市化が急激に進行しました。近年鈍化はしているものの、依然として都市化の傾向は変わっていません。それにともない、田畑の宅地化等の開発行為が急増し、流域の遊水・保水能力が激減しました。
その変化がもともと氾濫原であり水が流れにくい地形とあいなって、ひとたび洪水が発生すると甚大な被害を被るようになりました。
都市化の様子(昭和41年)
都市化の様子(平成2年)
このような流域の状況の中で、従来どおりの治水施設の整備だけでは、洪水被害の軽減・防止を図ることは困難な状況となっています。
そこで、堤防や放水路といった洪水処理施設の整備と、遊水・保水能力の回復及び流域の降雨流出の抑制などの流域対策との両面から対策を行うこととしました。これを総合治水対策といいます。
総合的に治水対策を実施していくために、国土交通省、埼玉県、東京都、茨城県と流域39区市町村により構成する中川・綾瀬川流域総合治水対策協議会を昭和55年に設置し、現在も、治水対策の整備と流域の開発・土地利用計画等との有機的な連携、調整を図り、治水安全度の向上に努めています。
総合治水対策の基本的な考え方は、河川における治水施設整備の強力な推進、流域における流出抑制施設等を設置する流域対策の実施を連携して行うことです。また、浸水被害を最小限に食い止めるためには水防情報システム等のソフト対策も重要です。
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