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掲載日:2022年3月3日

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平成17年度埼玉県産業技術総合センター研究報告Vol.4

平成17年度に当センターで実施した研究に関する成果公表です。各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。

政策的重点研究(6テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 マイクロ波を利用したガスの改質に関する研究
カーボンフェルトを用いたマイクロ波放電によるガスの分解について検討した。放電は2500℃焼成品のカーボンフェルトブロック間で発生し、発光および熱も伴うものであることがわかった。カーボンフェルト表面は放電後もグラファイト構造が維持され、清浄であった。メタンの改質については、この放電によりメタンが消失し、それに伴い水素が生成した。メタン以外の含水素化合物からも水素の生成が確認された。フロン類については、他のフロンの生成が確認されたが、カーボンフェルトブロック間に生石灰ブロックを入れることにより、係るフロン類の生成を抑制できた。
マイクロ波放電、カーボンフェルト、水素、フロン類 環境 17~18 産官 研究報告(PDF:366KB)
2 微生物利用技術に関する研究
-パン種の乳酸菌と酵母の利用-

パン種より分離した乳酸菌(Lactobacillus sanfranciscensis)と酵母(Saccharomyces cerevisiae)の培養液に抗菌性があることを示した。また、これらの微生物を用いて製造した「発酵穀粉」で新製品を試作した。
自然発酵パン種、発酵ぬかどこ、乳酸菌、酵母 バイオ 17~19 学官 研究報告(PDF:473KB)
3 微生物利用技術に関する研究
-新規酵母の分離と食品への利用-

新規な酵母を取得し、食品へ応用することについて検討した。埼玉県内の自然界の花や果実等、あるいは酒造工場から試料を集め、酵母を分離した。その中から、発酵性のあるものが得られた。得られた酵母でパンを試作したところ、市販天然酵母と同様に良く発酵するものもあり、そのパンは従来とは若干異なる風味だった。
酵母、発酵、パン、清酒 バイオ 17~19 学官 研究報告(PDF:219KB)
4 超微細加工に関する研究
-ディーゼルエンジン用ノズルの微細深孔加工-

現在、船舶用ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに対してφ0.2mm、深さ4mm(アスペクト比20)以上の微細深孔をあける要望がでてきている。しかし、船舶用ディーゼルエンジンに使用されるステライトは難削材であり、現状では対応できていない。本研究では微細深孔ドリルに対してシンニング加工を行うことによって、切削動力を最大30%減少させ、刃先への切粉溶着を抑制することができた。さらに、微細径ドリルに対して、特別な技術を要せずに正確なシンニング加工を施すことができる装置を開発し、φ0.2mmのドリルに対して左右対称にシンニングを行った。
微細深孔ドリル、シンニング、燃料噴射ノズル ものづくり基盤 17~18 産官 研究報告(PDF:759KB)
5 超微細加工に関する研究
-マイクロ電解研磨及び加工-

従来、チタンのエッチング加工においてはフッ酸等の劇毒物を含む溶液を使用する危険を伴う手法が用いられてきた。そこで、チタンの安全なフォトエッチング加工方法について検討した。エチレングリコールと塩化ナトリウムからなる電解液を用いた電解エッチング加工により、チタン板に微細貫通孔を加工することに成功した。この電解液は劇毒物を含まず安全性に優れるものである。
チタン、フォトエッチング、電解、エッチング、貫通孔 ものづくり基盤 17~18 産官 研究報告(PDF:406KB)
6 高品位鋳造技術に関する研究
アルミ溶湯に損傷されにくい鋳鉄製品を開発し、鋳鉄製品の高付加価値化を図ることにより、鋳鉄鋳物製造業の競争力を向上させることを目的としている。開発した材料をベースに、炭素、クロムなどの元素の添加量を変化させて耐アルミ溶湯溶損性の向上を図った。その結果、100時間を超える材料を見いだした。
耐アルミ溶湯溶損性、アルミニウム、0.8%クロム鋳鉄 ものづくり基盤 17~18 産官 研究報告(PDF:487KB)

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産業支援研究(16テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 小規模廃水処理装置に向けた微生物担体の開発
ハニカム状のセラミック材に酸化マンガン(IV)を担持することにより、水中オゾン分解の効果を持たせた微生物担体を作成し、同一槽内でオゾン処理と生物処理を行うことを試みた。その結果、濃度2080ppmのオゾンガスを4h通気した後も、担体上に生育する微生物の作用と考えられる生物処理が進行した。従って、同微生物担体を用いることにより、活性汚泥中にオゾン通気した場合の0.02mg-O3/L-排水より高いオゾン注入率0.56mg-O3/L-排水の許容されることが示唆された。
小規模事業所,排水処理、オゾン生物同時処理、微生物担体 環境 17~18 単独 研究報告(PDF:707KB)
2 生分解性植生ユニットの開発
クラフト古紙を使用した紙製の生分解性苗木栽培容器を試作し、栽培試験を行った結果、定植後速やかに分解するため、定植時に取り外す必要がなく、植栽の手間が軽減でき、廃棄物処理が不要となった。
苗木栽培容器、生分解、湿潤紙力、クラフト古紙 環境 17 産官 研究報告(PDF:213KB)
3 溶媒含浸法を利用した有用金属回収技術の開発
溶媒含浸繊維による塩酸溶液からのパラジウム(II)の分離回収特性について評価した。カポック繊維からなる油吸収材に、新規分離試薬であるN,N'-ジメチル-N,N'-ジ-n-オクチル-チオジグリコールアミドを含浸させた溶媒含浸繊維を調製し、バッチ法及びカラム法により吸着実験を行った結果、白金族金属及びベースメタルを含む塩酸溶液からパラジウム(II)を選択的な分離が可能であった。さらに、吸着したパラジウム(II)はチオ尿素含有塩酸溶液により99%以上の効率で溶離できることが分かった。
溶媒含浸繊維、カポック繊維、貴金属、パラジウム、分離、回収、チオジグリコールアミド 環境 17~18 学官 研究報告(PDF:499KB)
4 機能性成分の効率的な利用による麺類の高付加価値化
血糖上昇抑制作用が報告されているヤーコン葉を使用した機能性麺を開発するため、原料葉に含まれるポリフェノール類を効率的に利用するための原料処理条件について検討した。ヤーコン葉の電子レンジ及び蒸し処理によりポリフェノールオキシダーゼを失活することができた。酵素失活処理を行ったヤーコン葉粉末を添加した生麺では、製麺中のポリフェノール類の損失を抑えることができると同時に、麺生地の褐変も防止することができ、生麺の色調の保持にも効果的であった。
ヤーコン葉、ポリフェノール、ポリフェノールオキシダーゼ、血糖上昇抑制 バイオ 16~17 産学官 研究報告(PDF:295KB)
5 蓄肉製品のテクスチャー評価と高品質化への試み
畜肉類の品質を機械計測により客観的に評価する品質判定技術について検討した。肉質の異なる牛、豚及び鶏肉の力学的性質を動的粘弾性測定装置及び静的圧縮試験装置を用いて測定した。動的測定による貯蔵弾性率E'では静的測定によるヤング率より品質差を顕著に示した。また、貯蔵弾性率E'と損失弾性率を2次元プロットすることにより原料特性の違いや動物間の肉質の特徴を明瞭に表現できた。
畜肉、品質判定、動的粘弾性測定、圧縮試験、貯蔵弾性率、損失弾性率、ヤング率 バイオ 17~18 単独 研究報告(PDF:1,433KB)
6 食品製造工程における微生物検出技術の開発
加工食品から大腸菌群が検出された際、迅速に汚染源を除き衛生状態を復元するための汚染源推定システムの開発を試みた。大腸菌群の実験室株22株を用いて糖の種類・食塩濃度が異なる培地上で生育を調べた結果、3種の培地を用いて4グループに分類可能なことが示された。この方法で実際の食品工場で採取された大腸菌群の構成を調べた結果、環境条件によって構成比が異なることが示され、食品から検出された大腸菌群の構成と一致した場所を汚染源と推定できた。
食品衛生、大腸菌群、培地セット、汚染源探索 バイオ 17~18 単独 研究報告(PDF:244KB)
7 すべり検出システムの精度向上と実用化
すべり検出システムの高精度化と定量的な評価技術の確立を目指し、ハード及びソフトの両面からシステムの改良を行った。ハード面では、センサ部位の軽量化と電源周りのノイズ対策を行い、出力信号の信頼性を向上させた。ソフト面では、すべり検出プログラムのアルゴリズムの再構築と機能強化を行い、新たに動摩擦係数とすべり量を検出できるようにした。また、システムの特性評価実験では、これまでのシステムとの比較により検出精度の向上が確認できた。
すべりセンサ、変位センサ、重心検出、動摩擦係数、すべり量 福祉 17~18 単独 研究報告(PDF:324KB)
8 電波暗室を利用した高周波シールド特性評価法に関する研究
実験室内でMIL-STD285に準拠した電磁波シールド測定を実現するためには、試料を取り付けられる測定専用のシールド壁面などの特殊な設備が必要である。本研究では、電波暗室を利用し、シールド材を透過した電磁波のみをタイムゲート処理で抽出することにより、遠方界における電磁波シールド材の測定を実現した。また、測定条件を検討することにより、ジグ内部反射、偏波による回り込みなどの影響を低減できた。その結果、1~6GHzで70dB程度の遮蔽率がある電磁波シールド材を測定可能な装置を開発し、50dBの電磁波遮蔽能力がある電磁波シールド材を開発した。
電波暗室、電磁波シールド材、タイムドメイン法、MIL-STD285、KEC法 IT・映像 17~18 産官 研究報告(PDF:3,124KB)
9 インライン型超微小硬さ測定機の開発
薄膜の機械的特性値を的確に測定でき、かつ、鉛筆硬さ試験よりも簡易に測定を行なうことが可能な超微小硬さ測定機を開発した。その結果、超微小硬さ測定におけるマルテンス硬さ(ISO 14577)およびヤング率の正確な算出が可能となり、簡易に薄膜の機械的特性値を的確に得ることができるようになった。
超微小硬さ、ナノインデンター、マルテンス硬さ、ヤング率 ものづくり基盤 17~18 産官 研究報告(PDF:419KB)
10 情報機器に用いられるガラス・水晶光学部品の鏡面研削加工の研究
デジタルカメラなどの情報機器には多くの光学部品が使われている。これらの部品には傷のない表面と形状精度が求められるため、研削加工の後に研磨をする必要があり、加工時間がかかっている。また、これらの光学部品は主にガラス・水晶製のものであるため、ガラス・水晶を迅速、高精度に加工する手法が求められている。本研究では電気泳動現象を利用して、加工対象物とメカノケミカル反応を起こす微粒砥石を均一に配したEPD 砥石の量産を考慮した作製方法を検討し、ラップ盤加工に必要な量の砥石を、今までよりも短時間で作製した。量産した砥石を用いて、水晶に対してラップ盤で加工実験を行ったところ、表面粗さ、形状精度ともに、実用可能な値を得ることができた。
電気泳動現象、EPD砥石、メカノケミカル反応、研磨、ラップ盤 ものづくり基盤 17~18 産学官 研究報告(PDF:697KB)
11 超臨界発泡射出成形による寸法精度向上に関する研究
寸法精度向上を図るため、窒素ガスを発泡剤とする超臨界発泡射出成形が注目を集めている。その中で発泡成形における寸法精度向上におけるメカニズム解明が求められている。本研究では、射出容量を変化させ、金型内での冷却完了後に金型から取り出された成形品の温度分布と箱形形状の寸法精度について検討を行った。その結果、射出容量低下は、金型から取り出された発泡成形品における温度の低下及び、温度分布均一化につながり、寸法精度の向上が明らかになった。一方、極端な射出容量低下は、流動末端部において不均一な温度分布となり、ソリ量が増加した。
超臨界流体、窒素ガス、射出成形 ものづくり基盤 16~17 単独 研究報告(PDF:793KB)
12 高濃度オゾン処理による水中難分解性化合物の生分解性向上に関する研究
<省エネルギー型廃水処理技術開発事業【NEDO】>平成16年11月より平成17年11月までの1年間に渡り、前オゾン処理+生物処理のフローによる処理量5立方メートル/day規模での染色廃水処理実証試験を行い、その中で当該処理水に係る安全性を有機ハロゲン化合物生成能の観点から評価した。その結果、処理工程の進行に伴いトリハロメタン類生成能が削減され、またオゾン処理時に増加したトリクロロニトロメタン生成能も後の生物処理により原水以下まで削減され、廃水としての安全性の向上が確認された。
染色廃水、オゾン処理、生物処理、トリハロメタン生成能(THMFP) 環境 15~17 産学官 研究報告(PDF:602KB)
13 廃石灰、廃硝酸から高品質、安価な硝酸Caの新製造技術の開発
<地域新生コンソーシアム研究開発事業【経済産業省】>
石灰製造工程で排出される廃石灰及び廃硝酸を原料とした硝酸カルシウム製造プラントを構築し、製造工程で問題となった製品の濃度管理や副生成物の分析・除去法を確立した結果、高品質な硝酸カルシウムの製造が可能になった。
廃石灰、廃硝酸、硝酸カルシウム 環境 16~17 産学官 研究報告(PDF:145KB)
14
15
16
カイコ培養細胞系による有用タンパク発現に適した無血清培地の開発
新物質置換法による超精密金型表面加工技術の開発
疑似ランダム符号相関方式による光伝送路反射システムの開発

-テーマ14、15及び16は継続(平成18年度まで)であるため抄録のみ掲載-
<省エネルギー型廃水処理技術開発事業【NEDO】>
  バイオ
環境
IT・映像
17~18 産学官 研究報告(PDF:145KB)

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新技術創出研究(17テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 視覚障害者のための家電機器操作用マルチリモコンの開発
最近の家電機器は、その操作のほとんどがリモコンになっており、しかも機器ごとに操作性が全く異なっている。また、各機器ごとにリモコンがあるため、視覚障害者にとっては非常に不便なものとなっている。本研究では、特にリモコンの操作が困難である後天的な視覚障害者でも容易に操作できることを主眼とし、先天的な視覚障害者の意見も採り入れた操作結果を音声表現するマルチリモコンを試作開発し、その効果を実験した。その結果、試作機と既製品とでは課題遂行に要する時間の内容が異なること、操作した内容を音声で表現する機能は有効であることが分かった。
視覚障害、家電機器、マルチリモコン、音声 福祉 17 単独 研究報告(PDF:359KB)
2 体位変換機の開発
体位変換介護の負担を軽減するものとして、自動体位変換機が商品化されており、一定の役割を果たしている。しかしこれまでのものは、「ベッドの中央でまっすぐ仰向けに寝た姿勢」の被介護者に対してベッド面を傾斜等させるものが多く、被介護者の拘縮等を原因とする身体形状の違いや、就寝姿勢を考慮したものではなかった。本研究では、圧力センサと、開発したニューラルネットワークを用いた認識プログラムを組み合わせた「身体形状等を認識できるシステム」を開発し、さらにこのシステムを、試作した体位変換機に導入して、身体形状等に応じた体位変換動作を行う装置を開発した。
体位変換、身体形状、就寝姿勢、ニューラルネットワーク、圧力センサ 福祉 17 単独 研究報告(PDF:547KB)
3 IT技術を利用した遠隔操作機能付き電源タップの開発
IPネットワークにより通信が可能であり、遠隔より消費電力の確認、電源のON/OFFが可能である電源タップの開発を行った。具体的には、PC上のクライアントプログラムからの信号を、小型デバイスサーバを用いてRS232信号への変換を行った。また、その信号内容に応じて適した処理を実行するようにマイコンのファームウェアの実装を行った。
電源タップ、TCP/IP、遠隔操作、マイコン、マイクロコンピュータ IT・映像 17 単独 研究報告(PDF:268KB)
4 指紋認証を利用したデータ通信ソフトの開発
通信相手と相互認証を行った上で、サーバを介さずデータを「直接手渡し」するようなデータ通信ソフトの試作開発を行った。相互認証には、ユーザ名、パスワード及び指紋認証を利用することで本人確認を確実なものとした。指紋認証では、照合を厳密にするほど認証エラーが増加し、ソフトウェアの使用感が悪くなった。また、通信の暗号化に利用したIPSecの通信速度に対する影響を測定したが、10Mbps程度の通信では、ほとんど影響がないことがわかった。
IT,通信、指紋認証、ピアツーピア IT・映像 17 単独 研究報告(PDF:344KB)
5 Webを利用した分散・共同開発ツールの作成と環境の構築
インターネットが普及したとはいえ大容量の電子ファイルの受け渡しにはまだ制約が多い。そこで、新しいプロトコルであるWebDAVを利用し、小規模な共同開発環境において大容量ファイルを手軽にインターネット上で受け渡しをするためのツールを開発した。このツールは電子メール機能を組み合わせることにより送信案内を通知することを特徴としている。更に、このツールを含めてそれらを実際に使える環境を構築し、その有用性が確認できた。
WebDAV、インターネット、大容量ファイル、電子メール IT・映像 17 産官 研究報告(PDF:605KB)
6 デジタル相関法による構造物の変形解析技術の開発
デジタル相関法は、デジタルカメラ等で撮像した画像を処理することで、計測対象物の変形量、変形方向を解析できる手法である。スペックル干渉法やモアレ干渉法のようなレーザの干渉を利用した方法は非常に高精度な計測方法であるが、大気の揺らぎ等の影響を受けやすく、またレーザの能力に依存した計測に限定されてしまうという問題点があった。本研究ではデジタル相関法を用い、光源の能力に依存しない変形量計測システムを開発した。
デジタル相関法、サブセット、相関関数 ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:1,157KB)
7 銅薄膜を用いたCPU冷却モジュールの開発
酸化銅は、P型半導体であり、かつ高いゼーベック係数を有することが知られている。しかし、酸化銅バルクは非常にもろく抵抗の高い材料であるため、実用化に至っていない。そこで酸化銅を薄膜にすることで密着性が良好でかつ強度のある薄膜型熱電素子を作製した。酸化銅薄膜の作製条件として、RF電力、成膜レート及び酸素導入量等をパラメータとして最適化し、ゼーベック係数8.2mV/K、抵抗率2.5Ωmの酸化銅薄膜を作製した。
酸化銅、薄膜、ゼーベック係数、抵抗率 ものづくり基盤 17 官学 研究報告(PDF:316KB)
8 離型性を重視したダイヤモンドライクカーボン薄膜に関する研究
金型用DLC膜の離型性向上を目的としてフッ素含有DLC薄膜の作製を試みた。原料にC6FxH6-x(x=1~6)で表されるベンゼン環の水素の一部または全てをフッ素に置換したフッ化ベンゼンを用いることによりフッ素含有DLC薄膜の作製に成功した。作製したDLC薄膜のフッ素含有量、硬度、接触角、摩擦係数及びラマンスペクトルの測定を行った。その結果、得られた薄膜はアモルファスカーボンであり、原料を選択することでフッ素含有量、硬度、接触角をコントロールできることがわかった。
DLC、イオン化蒸着法、フッ素、接触角、硬度、摩擦係数 ものづくり基盤 17 産官 研究報告(PDF:1,049KB)
9 耐熱性を有する透明ゲルの研究開発
耐熱性を有する基材であるイソブチレン・無水マレイン酸共重合ポリマー及びポリエチレンイミン系架橋剤について、溶媒及び界面活性剤等の条件を変えて調製し、香料を添加して、芳香剤用ゲルを作製した。これについて、耐熱性等の試験を行い、自動車用芳香剤として使用できるゲルの処方を見出すことができた。
耐熱性、芳香剤、透明ゲル ものづくり基盤 17 産官 研究報告(PDF:237KB)
10 プリント基板の配線形成用めっきに関する研究
プリント基板の配線形成に用いられる電気銅めっきに磁場を用いためっき法を適用することを目的として、硫酸銅溶液からの電気銅めっきを行った。スルーホール形状への銅めっきの付きまわりと、銅めっきに対する磁場効果について検討した。磁場によりスルーホール形状への付きまわりが向上し、電流効率や体積抵抗率についても良好な結果を示した。
銅、電気めっき、磁場、スルーホール ものづくり基盤 17 産学官 研究報告(PDF:440KB)
11 磁場を利用した材料の組織制御
アルミニウムに強磁性体である鉄を1.0、2.0、4.5mass%添加した材料を電気炉により溶製した後、無磁場(0T)及び磁場強度2T、4Tの環境中において再溶融・凝固させ、添加元素の挙動変化や溶融金属の流動、結晶配向への磁場の影響について検討した。Al-4.5mass%Fe以下Al-4.5%Fe)合金の凝固組織は、アルミニウム基地への鉄の固溶がほとんど認められず、アルミニウム基地中に粗大な初晶のアルミニウム-鉄金属間化合物の生成と微細針状のアルミニウム-鉄共晶の晶出が見られた。この合金への磁場による影響として、鉄元素の拡散が進行してアルミニウム-鉄共晶の晶出密度が高くなる傾向が認められた。また、磁場強度4Tの場合、アルミニウム-鉄金属間化合物が磁場方向に垂直に配向した組織の形成が認められた。
アルミニウム、鉄、磁場中凝固、磁場効果 ものづくり基盤 17 産官 研究報告(PDF:1,627KB)
12 廃プラスチックの再利用技術に関する研究
PE/PP系の印刷を含む多層フィルムから有機溶剤を用いてこれらを分離し、回収したポリマーフィルムを有効利用する方法について検討を行った。多層フィルムが剥離を起こす現象は、接着剤の溶解の可否で決まり、THFを用いて容易に剥離を起こすことができた。印刷面でない方のフィルムは、広い条件でほぼ純粋なポリマーとして高い回収率になり、本研究での操作が簡便であることから、コスト面においてもマテリアルリサイクルに適応する可能性を見出した。
廃プラスチック、包装フィルム、リサイクル ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:232KB)
13 高分子材料を用いた発泡制御に関する研究
近年、携帯電話、ノートパソコンなどの小型化、軽量化が進み液晶ディスプレイの使用が多くなってきた。この液晶ディスプレイの輝度を決定するのは、液晶表示方向に光を反射させる反射板である。この反射板は、反射率向上及び軽量化が求められている。本研究では、無機ガスを使用し、プラスチックに含浸させ、発泡させ、それら発泡Cell径、Cell数をコントロールし、各Cell径における発泡プラスチックの反射特性について検討を行った。その結果、Cell密度が増加し、Cellが微細になると反射率が向上し、平均Cell径が9μm、Cell密度が2.38×10cmでは、90近くの反射率に達92%した。
超臨界流体、二酸化炭素、反射 ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:217KB)>
14 ローレットを用いた鏡面仕上げの開発
現在、金属材料は、旋盤加工の後、円筒研削によって仕上げ加工を行い、必要に応じてラッピングする方法、または、高価な超精密旋盤や、超精密旋盤に研削機能を付加したものを使用して加工する方法などがある。本研究では、研削やラッピングがしにくい軟質金属の仕上げ加工に、普通旋盤加工で滑り止め加工に用いられるローレットを応用し、普通旋盤だけで鏡面に近い仕上げを得ることができた。
旋削加工、鏡面仕上げ、ローレット ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:388KB)
15 打ち抜き金型の表面粗さと加工抵抗に関する研究
打ち抜き金型は一般的に表面粗さが良好であることが求められるが、打ち抜き加工時におけるその効果は明らかにされていないと思われる。本研究は打ち抜き金型の表面粗さと加工抵抗の関係を明らかにすることを目的としている。金型及び製品にそれぞれ見たてた試験片及び圧子を用いて摩擦試験を行った。その結果、往復回数の増加に伴う摩擦係数の推移を明らかにした。また、表面粗さが減少すると摩擦係数も減少するという結果を得た。
打ち抜き金型、表面粗さ、加工抵抗 ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:422KB)
16 WC-Co系超硬合金中微量元素の熱処理による析出制御に関する研究
WC-Co系超硬合金のコバルト含有率の違いによる熱処理条件及び耐食性について検討するため、腐食試験、蛍光X線分析装置による簡易分析を行った。その結果、コバルト含有量8%の超硬合金を1200℃で熱処理することにより耐食性が向上するとともに、鉄、ニッケルの微量元素が均一に拡散することがわかった。
超硬合金、WC-Co、微量元素、熱処理、耐食性 ものづくり基盤 17 産学 研究報告(PDF:492KB)
17 清酒仕込み方法の合理化に関する研究
アンプル酒母の改変による清酒仕込方法の合理化について検討した。アンプル酒母を製造後10℃で一週間枯らしたところ、酵母数はかえって増加し、もろみの発酵も旺盛だった。麹の代わりに蒸米と酵素剤で仕込んだアンプル酒母は、通常より酵母の増殖が遅れ、醪も遅れがちだった。
清酒、アンプル酒母、酵母密度 バイオ 17 単独 研究報告(PDF:699KB)

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技術支援高度化研究(4テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 EMC測定データによるノイズ放射源の推定方法の研究
EMC試験における放射ノイズ発生原因の切り分け作業を支援するため、測定データからノイズ源の位置を推定する方法について検討した。時間的な負担を極力減らすため特別な測定を一切行わず、通常の測定の中で得られるハイトパターン測定結果のみを用いる推定方法とした。空間的に大きな分布を持たない小型のノイズ源に対して、200MHz~1GHzの周波数においてノイズ源高さを概ね0.1mの精度で推定可能であり、所要時間も1分程度であるノイズ源推定支援システムが開発できた。
EMC、放射ノイズ、ノイズ源、波源位置推定、ハイトパターン IT・映像 17 単独 研究報告(PDF:613KB)
2 精密測定高度化に関する研究
-二次元座標顕微鏡の測定品質向上に向けて-

二次元座標顕微鏡の測定においては、測定者によりその測定値にばらつきが発生する。本研究では測定精度の安定化と向上を図るため、既存の二次元座標顕微鏡にCCDカメラと画像処理装置を付設し、真円度、直径測定が可能なシステムを構築した。従来の目視による真円度測定との比較評価を行った結果、本システムは測定のばらつき、かたよりともに熟練者による測定とほぼ変わらない精度を持つことが分かった。
二次元座標顕微鏡、画像処理、測定品質、真円度 ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:259KB)
3 精密測定高度化に関する研究
-測定環境の精度に及ぼす影響について-

精密測定結果に影響を与える要因として温度に着目し、測定物が測定室に持ち込まれてからの温度変化と、それに伴う変形の度合いを検討した。その結果、表面温度を観察することで、内部までの温度ならしが予測できることを確認した。また、温度と寸法の比例関係を確認し、温度補正の有効性を確認した。さらに、当センター内精密測定室1の環境温度のモニタリングを行い、環境温度が19.97℃±0.38℃(k=2)であることを確認した。
測定環境、精度、精密測定、温度、温度ならし、温度補正 ものづくり基盤 17 単独 研究報告(PDF:512KB)
4 亜鉛めっき用3価クロメートの耐食性の向上に関する研究
3価黒色クロメートにおける耐食性の向上を図るため、クロメート処理した試料に3価クロム系仕上剤を使用し、処理条件と耐食性の関係について検討を行った。その結果、この仕上剤を使用した浴中における3価クロム濃度の増加に伴い、クロメート皮膜の改質が進み、耐食性(防食性)が向上した。これに対し、仕上処理の浴温度における表面状態及び耐食性への影響は、クロム濃度のそれと比べ、非常に少なかった。
3価黒色クロメート、クロメート処理、仕上剤、黒色 ものづくり基盤 17 産官 研究報告(PDF:573KB)

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彩の国コンソーシアム研究(3テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 マクロ/ナノ構造共役複合セラミック体の創製と環境浄化への応用
本研究は、流体透過抵抗が小さく、吸着に適した接触表面(性状、形状、面積など)を有するセラミック体を創製し、揮発性有機塩素化合物などの環境汚染物質の吸脱着や分解除去を高効率で実現することを目指したものである。また、作製したセラミックス体を小型マイクロ波装置に設置し、分解無害化を連続的に可能にする実証試験をおこなった。この結果、吸着保持、マイクロ波照射による瞬時分解を確認した。これにより、装置メンテナンスによる設備負担の低減と環境浄化の促進を両立することが期待できる。
揮発性有機塩素化合物、多孔質セラミックス、マイクロ波 環境 17 産学官 研究報告(PDF:431KB)
2 統計干渉計測法の実用化による次世代型直描装置に関する研究
本研究は、MEMSやウエハのレジスト露光等における微細パターン露光から、モジュール基板等のドライフィルムレジスト露光等の業界にも対応できるように、5μmレベルの高精細Line and Space(L/S)から数十μm以上のパターン露光にもフレキシブルな線幅パターンに対応したレーザ直描装置の研究である。特に高精細露光においては基板傾斜等を制御するオートフォーカス(AF)部とレーザ光源部の熱変形による微細変化を検出する高精度AF部を組み合わせて制御する必要がある。この高精度AF検出部には光波の完全なランダムさを基準とする新原理の統計干渉計測法を用いた研究を実施した。
統計干渉計測法、高精度オートフォーカス、マルチレーザ直描装置高精細パターン露光、フレキシブル線幅パターン IT・映像 16~17 産学官 研究報告(PDF:384KB)
3 ITと熟練技術の融合による3D-2Dシステムの創成
本システムの特徴的な機能は、専門技術者が顧客の体形をみてそれに対応する体形人台モデルを選択、必要な計測点を採寸することによって、顧客の人台データが生成でき、これを展開して型紙を作製することができる。このため、熟練者の技能、知識である(1)体型分類した情報、(2)ゆとりの与え方、(3)型紙生成のためのデザイン線(切り替え線)を衣服設計システムで取り扱えるようにした。このシステムにより製作された型紙で婦人ジャケットとデザイナーに依頼した高級婦人服ジャケットの評価試験を行ったところ、技術的には、高級婦人服仕立てには及ばないが、顧客の体形にあった着やすい衣服ができた。
高齢者、3次元人体データ、体型分類、人台モデル、衣服設計 IT・映像 16~17 産学官 研究報告(PDF:630KB)

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