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掲載日:2022年3月3日

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平成25年度研究報告Vol.12

平成25年度に当センターで実施した研究(16テーマ)等に関する成果公表です。
各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。

産業支援研究(9テーマ)

産業支援研究は、産業界が求めるニーズを把握し、社会情勢を踏まえ、センター内で保有する技術シーズや新技術創出調査の成果を活用し、県内企業の製品化・実用化を支援することを目的として行っています。

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 PDF
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1 県内産小麦を用いた特色のあるパン・麺用小麦粉の開発 -パン用粉-
埼玉県産のパン用品種「ハナマンテン」の小麦粉に対し、新規導入が進む麺用「さとのそら」の全粒粉をブレンドして製パン試験を行った。ブレンド比と加水量を変化させて得られたパンの硬さをレオメーターで数値化することで、全粒粉入りパンをやわらかくする条件を検討した。
ハナマンテン、さとのそら、全粒粉、パン 人・社会に優しい技術 25 研究報告(PDF:271KB)
2 県内産小麦を用いた特色のあるパン・麺用小麦粉の開発 -麺用粉-
埼玉県産における新規小麦品種「さとのそら」の小麦粉の風味の改善について検討を行った。従来の製粉方法による小麦粉に対し、やや灰分の高い取り口の小麦粉を添加することで、色調は劣るものの味・風味に優れた良好な麺の製造が可能となる小麦粉を得ることができた。生麺とゆで麺の物性測定結果から、灰分の高い取り口の粉の添加により、生麺が切れにくくなるとともに、ゆで麺についてはコシが強くなることが確認された。
小麦、さとのそら、風味、官能試験、物性、麺用粉 人・社会に優しい技術 25 研究報告(PDF:652KB)
3 安全・安心な食品製造工程の管理技術の確立
-食中毒菌の迅速検出技術の開発-

食中毒菌の迅速検出を目的にイムノクロマト法の高機能化を目指した。試作品で定量性を調べたところ、O157の菌数が5×102~4×103cfuの範囲であるとき、定量性がみられた。エルシニア菌・黄色ブドウ球菌・リステリア菌も可能となり、1枚の試験紙でこれらとO157、併せて4種類の細菌を同時に検出することに成功した。遠心濃縮法を前処理に用いることで、感度が向上し、野菜および肉の懸濁液に102cfu/mLとなるように添加したO157を検出できた。
食品衛生、食中毒菌、迅速検出、イムノクロマト法、抗体 人・社会に優しい技術 24~25 研究報告(PDF:310KB)
4 MGH加工によるチタン鏡面仕上げ
チタン材料に対して焼け・凝着の無い鏡面加工をすることを目標に、加工条件及び加工潤滑剤の検討を行った。1回の切り込み量を1μmと小さくしてMGH加工を行うことで、純チタンに対して焼け・凝着の発生しない仕上げ加工が可能となった。また、加工ピッチや切り込み量と表面粗さの関係を明らかにした。
MGH加工、超音波、鏡面仕上げ、塑性加工 人・社会に優しい技術 25~26 研究報告(PDF:457KB)
5 医療用穿刺針の高品質化に関する研究
穿刺針は外科手術の際に使用される医療機器で、体内の血液や膿を排出させるチューブを通すドレイン穴をあける器具である。この穿刺針は使い捨てのため年間消費本数が多く、手術数の増加に伴って需要が増えている。一方で、穿刺針の表面状態を高品質化したいという要望がある。
そこで、本研究では穿刺針の新しい加工方法に取り組み、電解研磨を取り入れることで表面品質の向上を行った。その結果、現行製品と比べて穿刺性能を低下させずに、光沢度250の表面品質とすることができた。
穿刺針、医療、電解研磨、穿刺性能 人・社会に優しい技術 25 研究報告(PDF:407KB)
6 電気化学プロファイルによる水質評価解析システムの開発
微分パルスボルタンメトリにより得られる電気化学プロファイルを指標とする新規な水質評価解析システムの構築を検討した。本システムでは未知試料の電気化学プロファイルを組成の明らかな標準試料が登録されたデータベースと比較して品質を判定する。適用分野の一例として、成分組成の異なるワット浴ニッケルめっき液の電気化学プロファイルを比較した結果、めっき液の構成成分濃度の変化を反映した電気化学プロファイルが得られ、めっき液の品質を判定する指標として利用可能なことが示された。
電気化学プロファイル、パターン識別、水質評価解析 環境・エネルギー関連技術 25~26 研究報告(PDF:330KB)
7 オンサイト型ナノインデンター用XYステージの開発
従来からの手動式位置決めステージ(以下、ステージ)の10倍以上の分解能を持つステージの開発を試みた。超磁歪素子を用いた位置決め装置(以下、超磁歪素子ステージ)と弾性体(ばね)を用いた位置決め装置(以下、弾性体ステージ)の2通りの方式の試作機を製作し、両者の性能比較を行った。結果は、分解能では超磁歪素子ステージが優れていたが、ストローク・コスト・線形性で弾性体ステージの方が優れていた。
精密位置決め、ステージ、弾性体、超磁歪素子 環境・エネルギー関連技術 25~26 研究報告(PDF:539KB)
8 熱可塑性FRPの高性能化と高度利用に関する研究
-オゾン酸化処理による炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の強度向上-

ポリプロピレン(PP)をマトリックス樹脂とする炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材料(CFRTP)の強度を向上させるため、プリプレグ作製に用いるPPシートと炭素繊維(CF)織物の双方に対してオゾン酸化処理を行った。曲げ強さと空洞率を測定したところ、オゾン酸化処理を行うと強度が大幅に向上し、空洞率が低く抑えられた。これは酸化処理によるCFとPP界面での接着性の向上、PPの流動性の向上が影響していると考えられた。また、繊維体積含有率(Vf)と曲げ強さ、曲げ弾性率との関係を調べたところ、それぞれ最大値を示すVfの値に違いがあることが分かった。さらに、マトリックス樹脂の物性の違いが曲げ強さに及ぼす影響を明らかにした。
炭素繊維強化複合材料、熱可塑性樹脂、曲げ強度、オゾン酸化処理、界面 環境・エネルギー関連技術 24~25 研究報告(PDF:467KB)
9 熱可塑性FRPの高性能化と高度利用に関する研究
-高周波誘電加熱によるガラス繊維強化ポリプロピレンの接合-

炭化ケイ素(SiC)を含有した熱可塑性接着層を高周波により加熱溶融し、ガラス繊維強化ポリプロピレン(GF/PP)を接合する方法を検討した。熱可塑性接着層の誘電特性に対するSiCの粒径及び含有率等の影響を調べた結果、粒径が小さく含有率が高い程tanδ/ε’値は大きかった。また、これらの接着層を用いたGF/PPの高周波接合において、接合時間や接合強度に対するSiCの粒径及び含有率の影響を検討した結果、粒径が小さく含有率が高い場合に短時間で接合する傾向が見られ、最大で10MPaの引張せん断強度が得られた。
誘電加熱、ガラス繊維強化ポリプロピレン、接合、熱可塑性接着層 環境・エネルギー関連技術 24~25 研究報告(PDF:442KB)

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新技術創出調査研究(7テーマ)

独創的技術形成研究(3テーマ)

独創的技術形成研究とは、若手研究者等の独創性を活かした新たな技術シーズの創出・芽出とともに、研究遂行能力の育成・強化を目的とした調査研究です。

No テーマ名・抄録 キーワード 期間 PDF
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1 FIBを用いたナノレベル超微細加工技術の確立
集束イオンビーム装置(FIB)を用いてナノレベルでの加工を行うため、FIBの調整を行い、加工設定位置と実際の加工場所のずれを修正した。さらに石英ガラステンプレートに覆われた直径4μm、長さ数mmのビスマスワイヤーのガラス表面にイオンプレーティングによりTi/Cu電極膜を成膜した。ワイヤー側面を超微細加工により露出させ、電子ビーム(EB)によりスポット成膜を行い、ナノレベルでの超微細加工技術を確立した。
FIB、加工、EB、スポット成膜、タングステン 24~25 研究報告(PDF:510KB)
2 高度FRPリサイクルシステムの開発
-混合溶剤によるCFRPの化学処理リサイクル

本研究では、常温常圧下で炭素繊維および樹脂を回収することを目的として、混合溶剤による熱可塑性CFRPの化学処理リサイクルについて検討した。熱可塑性CFRPのマトリックス樹脂として、ポリカーボネート(Polycarbonate(PC))を使用した。ハンセン溶解度パラメーター(HSP)を利用して混合溶剤を探索し、NMP-THF-アセトン系3種混合溶剤を選定した。混合溶剤により、常温・常圧下でCFRPプリプレグの溶解・回収実験を行った結果、PCを溶解することができ、炭素繊維(CF)およびPCを回収することができた。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ポリカーボネート、リサイクル、混合溶剤、ハンセン溶解度パラメーター(HSP) 25~26 研究報告(PDF:493KB)
3 白金代替燃料電池触媒の開発
燃料電池は水素を燃料とし、排出が水のみである非常にクリーンな電源装置として期待されるが、酸素還元触媒に白金を用いるなど、高コストが課題の1つに挙げられる。本研究では白金を用いない酸素還元触媒である酸素欠損型酸化ジルコニウムに着目した。センターの独自技術である「カーボンフェルトマイクロ波プラズマ処理(CF-P)」により酸化ジルコニウムに酸素欠損を生じさせ、処理時に硫黄を添加して撥水性を付与させることで、酸素還元開始電位0.80V、電流密度0.12mA/mg@0.6Vを得た。XPS測定の結果は酸素が欠損していることを示唆した。
酸素還元触媒、酸化ジルコニウム、プラズマ、硫黄 24~25 研究報告(PDF:331KB)

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技術支援高度化研究(4テーマ)

技術の進展に対応し、センターにおける依頼試験、解析評価技術等の技術支援高度化を図る調査研究であり、県内企業の問題解決に役立つ評価解析技術の開発・蓄積を目指しています。

No テーマ名・抄録 キーワード 期間 PDF
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1 BEMS/HEMSの高度化並びにCEMS研究
平成24年度に無線通信により電力使用量を監視し、負荷の制御切り替え可能なBEMS/HEMSを開発し、北部研究所に設置、実証試験を行ってきた。
本年度は、開発したBEMS/HEMSの高度化を目標とし、BEMSマスターコントローラおよびBEMSスレーブコントローラを開発し、系統別に複数設置した。CEMS/BEMSで1:Nの双方向通信を行い、収集した電力使用量と需要予測に基づきCEMSからBEMSへ警告を発報することを確認した。
BEMS/HEMS、CEMS、VPN、双方向通信、不快指数 24~25 研究報告(PDF:673KB)
2 精密測定機同士の連携に関する研究(第2報)
精密測定のための連携治具を製作し、依頼試験に利用することを目的とする。連携治具とはそれぞれの測定機で測定が可能で、それぞれ独立した測定機同士を共通の座標軸で連携させるものである。本研究では測定機の定盤上を基準面(XY平面)とし、XY平面内での座標軸の共通化を目指した。本研究で対象にしたのは三次元測定機、画像測定機及び輪郭形状測定機である。また、座標軸をどの程度正確に共通化できたかを証明できるように検証方法を検討した。
精密測定、座標系、三次元測定機、輪郭形状測定機、画像測定機 25 研究報告(PDF:412KB)
3 高温もろみ対応清酒酵母の開発(第3報)
埼玉酵母から28℃でのアルコール処理で生存した株を得、これらと埼玉酵母を28℃の小仕込み試験で選抜した。また乳酸や糖化用酵素剤の使用量について検討した。高温もろみではカプロン酸エチル高生産性の埼玉F酵母および埼玉G酵母が適していた。これらを使用し、総米1t当り乳酸0.5Lと糖化用酵素剤30gを初添に添加した総米60kgの清酒製造試験では、最高品温15℃に設定した仕込の半分以下の期間で上槽に至り、同程度のアルコール分、日本酒度、アミノ酸度となり、粕歩合は小さくアルコール収得は同等以上で、酸度は1以上高く、香気成分ではエステルが少なく高級アルコールが多くなった。
清酒酵母、高温もろみ、乳酸、酵素剤、酸度 25 研究報告(PDF:378KB)
4 流動性材料に対する水蒸気透過度測定方法の検討
-三酢酸セルロース保持基材を用いた測定-

塗料や接着剤など、自立薄膜の調整が困難な流動性材料の水蒸気透過度測定方法を検討した。これらの材料を水蒸気透過性の高い三酢酸セルロースフィルム上に成膜して積層試験片を調製し、水蒸気透過度測定を行った。積層試験片および三酢酸セルロースフィルムの水蒸気透過度の実測値から、積層膜の透過を表す一般式(1/J=Σ[1/Ji])を用いて成膜試料の水蒸気透過度を算出したところ、遊離塗膜の実測値との間で誤差が生じた。そこで、三酢酸セルロースフィルムの透湿係数の湿度依存性に基づく補正を行ったところ、遊離塗膜の実測値とほぼ一致した結果を得ることができた。
水蒸気透過度、透湿度、カップ法、塗料、接着剤 25~26 研究報告(PDF:570KB)

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平成25年度研究報告 全収録版

 平成25年度研究を1冊にまとめて収録した、「平成25年度研究報告(PDF:4,653KB)」です。

 

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