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掲載日:2021年12月21日

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令和2年度研究報告Vol.19

令和2年度に当センターで実施した研究(11テーマ)等に関する成果を公表します。
各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。

産業支援研究(5テーマ)

産業支援研究は、産業界が求めるニーズを把握し、社会情勢を踏まえ、センター内で保有する技術シーズや新技術創出調査の成果を活用し、県内企業の製品化・実用化を支援することを目的として行っています。

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 PDF
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1

表面改質によるFRPの高機能化

ポリアミドをマトリックス樹脂とする炭素繊維強化複合材料(CFRP)の摺動性向上を目的として表面に窒化チタン(TiN)をコーティングした。摩擦係数を測定したところ、摺動性の向上効果は得られなかった。これはTiN皮膜の硬さが不足していたため皮膜が脱落、滞留したためと考えられる。
また、CFRP表面に酸化チタン(TiO2)をコーティングし熱処理を行ったところ、光触媒効果を有する皮膜を形成することができた。

ポリアミド、CFRP、酸化チタン、光触媒効果 先端ものづくり関連技術分野 R1~2 研究報告(PDF:708KB)
2 車椅子バスケットボールの競技成績向上に資する車椅子の開発
本研究では、車椅子バスケットボールトップ選手の競技成績向上に貢献することを目的として、車椅子の旋回性を分析した。歪ゲージを車椅子フレーム各部に貼付して、旋回時のフレームの歪みを計測したところ、計測対象の車椅子においては、「左右の後輪のうち、内輪には浮き上がる方向に力が加わっており、それ故、旋回性は高いとはいえないだろうこと」が推察された。また、共同研究先の埼玉大学が、開発された画像分析システム(動画像から対象選手の上肢関節角度等を推定できるシステム)の改良を実施した。その結果、任意の角度で撮影された動画像についても、車椅子の位置等の検出が可能となった。

車椅子バスケットボール、車椅子、旋回性、歪み、画像分析

ヘルスケア関連技術分野 R1~2 研究報告(PDF:619KB)
3

二酸化マンガン-リチウム金属二次電池の開発

400℃で焼成して、二酸化マンガンの構造水を完全に除去することにより、二酸化マンガン正極の充放電利用率:80 %およびサイクル維持率:90 % / 50 回を達成した。リチウム金属用電解液を組み合わせることにより二酸化マンガン-リチウム金属一次電池の二次電池化が可能となることが示唆された。これにより、資源的に有利な物質で高温耐性の電池を実現できる可能性が示唆された。

二酸化マンガン、構造水、リチウム金属、二次電池 先端ものづくり関連技術分野 R2 研究報告(PDF:454KB)
4

未利用小麦ストリーム粉の活用による国産小麦パンの風味向上

小麦の製粉工程で生成する高灰分ストリーム粉(高灰分粉)を活用した国産小麦パンの風味向上技術について検討した。高灰分粉の使用により、パン生地中の遊離アミノ酸、遊離糖ともに含有量が増加した一方、焼成後は遊離アミノ酸が増加し、遊離等の含有量は減少した。また、揮発性成分分析から、高灰分粉の添加により、焼成後のパンの外皮部分でピラジン類やフラン化合物などのメイラード反応生成物が増加することが示された。高灰分粉使用パンでの遊離アミノ酸や遊離等含量の差異が加熱生成物の量と関連し、これらの増加が高灰分粉使用パンの風味向上につながるものと考えられた。

国内産小麦、製パン、香り成分、味成分、ストリーム粉 農林水産・食品関連技術分野 R2~3 研究報告(PDF:886KB)
5

機械学習によるCFRP破壊過程におけるAE波形評価方法の開発

CFRP破壊モードの分類のため、初期に現れる樹脂割れ・界面はく離の一つであるトラ
ンスバースクラックに着目し、時間周波数解析をおこなった。時間周波数解析の特徴的な解析結果に着目し、解析方法を改良し、k-means法によるクラスタリングを実施した。
さらに試験片断面のその場観察結果からトランスバースクラック数を推定し、クラスタリング結果と比較した。

AE法、トランスバースクラック、時間周波数解析、Wavelet変換 先端ものづくり関連技術分野 R2~3 研究報告(PDF:522KB)

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新技術創出調査研究(2テーマ)

独創的技術形成研究(1テーマ)

独創的技術形成研究とは、若手研究者等の独創性を活かした新たな技術シーズの創出・芽出とともに、 研究遂行能力の育成・強化を目的とした調査研究です。

No テーマ名・抄録 キーワード 期間 PDF
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1

接着剤用水分拡散係数測定セルの開発

接着剤硬化物に埋没させたMEMS温湿度センサの相対湿度計測値から、接着剤の水分拡散係数が推定できるか検討した。配合したエポキシ系接着剤では、相対湿度計測値と時間の関係が概ねFickの拡散に従うものであったが、ここから求めた水分拡散係数は従来法の測定結果と比べて3~6倍大きく、また、測定値のばらつきが大きかった。この理由として、センサ近傍での気泡の発生と、接着剤未反応物によるセンサの汚染が考えられた。

接着剤、湿度センサ、水分拡散係数、自動測定、JIS K 7209 R2 研究報告(PDF:1,398KB)

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技術支援高度化研究(1テーマ)

技術の進展に対応し、センターにおける依頼試験、解析評価技術等の技術支援高度化を図る調査研究であり、 県内企業の問題解決に役立つ評価解析技術の開発・蓄積を目指しています。

No テーマ名・抄録 キーワード 期間 PDF
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1

積層造形物に対するめっき処理の検討

インクジェット式積層造形装置で出力された造形物は、表面がサポート材に覆われた状態で造形される。造形物表面にサポート材が残存した状態でめっきを行うと、めっき液の分解や密着性の低下が生じる。密着性の高いめっき皮膜を得るためにはサポート材の除去方法と、最適なめっき工程を探る必要がある。本研究では造形物の樹脂材料、サポート材除去方法、めっき処理方法の3つを検討することで、インクジェット式積層造形装置の造形物に対するめっき処理技術を確立した。

3Dプリンタ、サポート樹脂、水酸化ナトリウム、無電解めっき R2 研究報告(PDF:696KB)

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(独)日本学術振興会 科学研究費助成事業(1テーマ)

平成29~令和2年度に、独立行政法人日本学術振興会の「科学研究費助成事業」を利用して実施した研究です。

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1

麺の加工工程における風味形成メカニズムの解明
麺の加工工程における揮発性成分の変化は、加水時に大きく、それがLOXによる不飽和脂肪酸の酸化によることを見出した。農林61号はLOX活性が顕著に高く、その生地とゆで麺の揮発性成分にアルデヒド類やケトン類が多かった。そのため、農林61号にみられた地粉としての独特な風味の形成は、LOXに起因するアルデヒド類やケトン類に由来するものと考えられた。

揮発性成分分析、製麺工程、国産小麦、GC/MS、リポキシゲナーゼ

H29~R2 研究報告(PDF:977KB)

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( 一財)内藤泰春科学技術振興財団 調査・研究開発助成(1テーマ)

令和2年度に、内藤泰春科学技術振興財団の「調査・研究開発助成」を利用して実施した研究です。

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1

MEMS温湿度センサを用いた多連式水分活性測定装置の開発

複数試料の同時測定に対応した水分活性測定装置を開発した。この装置は計測装置本体と複数の封止型測定セルからなり、測定セルの蓋部に通信コネクタとMEMS温湿度センサが搭載されている。計測装置の側面に複数の測定セルを固定して、測定セル内に封入した試料の水分活性を測定する。MEMS温湿度センサは飽和塩水溶液の水分活性が精度良く計測できたため、本装置は食品の水分活性をスクリーニング評価する用途に利用できる。

水分活性、食品、HACCP、ISO 18787、静電容量式

R2 研究報告(PDF:680KB)

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(公財)飯島藤十郎記念食品科学振興財団 学術研究助成事業(1テーマ)

令和2年度に、公益財団法人飯島藤十郎記念食品科学振興財団の「学術研究助成事業」を利用して実施した研究です。

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1

イムノクロマト試験紙によるパン種微生物叢のモニター技術の開発

サワー種中の乳酸菌を迅速に検出可能なイムノクロマト試験紙を開発した。3種類の市販サワー種に生育している乳酸菌の種類を調べたところ、Lactobacillus brevis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus sanfranciscensisが検出された。各々の乳酸菌を検出する試験紙を用意し、特異性を調べたところ、L. sanfranciscensisを検出する試験紙が高い特異性を示した。小麦粉への添加試験の結果から、1×10^7 cfu/g以上のL. sanfranciscensisが生育しているときにこの試験紙で検出できることが分かった。

乳酸菌、試験紙、検出、サワー種

R2 研究報告(PDF:243KB)

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先端産業創造プロジェクト 新エネルギープロジェクト推進事業(1テーマ)

埼玉県先端産業創造プロジェクトの一環で、今後の成長が見込まれる新エネルギー分野の研究開発に取り組む新エネルギープロジェクト推進事業における、次世代型蓄電池研究開発推進事業として実施した研究です。

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次世代蓄電池技術研究開発

―金属蓄電池の開発―
マグネシウム金属蓄電池の開発においては、ラミネートセルがサイクル劣化する原因の1つがアルミニウムの溶解であることを見出し、新たにステンレスラミネートセルを開発した。また、高性能蓄電池の要望に応じたリチウム金属電池の開発においては、電解液に酸化マグネシウムを添加することによりサイクル劣化が抑制されることを見出した。

マグネシウム蓄電池、ラミネートセル、リチウム金属電池、デンドライト

H26~R2 研究報告(PDF:399KB)

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令和2年度研究報告 全収録版

令和2年度研究を1冊にまとめて収録した、「令和2年度研究報告(PDF:7,731KB)」です。

 

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