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掲載日:2026年10月23日

令和8年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(永瀬秀樹議員)

第10期埼玉県高齢者支援計画と介護人材の確保・定着について

Q 永瀬秀樹 議員(自民)

県では現在、令和9年度から11年度までの第10期埼玉県高齢者支援計画の策定が進められています。第9期計画は、介護職員数を令和5年10月の9万7,582人から令和8年10月に12万1,800人とする目標を掲げています。最新の令和6年10月の実績は9万9,230人で、令和8年10月の目標12万1,800人の81.5パーセントにとどまり、目標とは2万2,570人の開きがあります。
第10期計画は、3年間の介護職員数だけを定める計画ではありません。厚生労働省の基本指針案は、2040年を見据えた中長期推計、人材確保、生産性向上、経営改善支援等を盛り込み、地域の目標と達成方策を定める方向を示しています。都道府県が主体となる介護人材確保のプラットフォーム構築も掲げています。
さらに、去る9月8日、9日、私が委員長を務める少子・高齢福祉社会対策特別委員会で松山市のサンシティ北条を視察しました。同施設は、介護テクノロジーを業務の見直しや役割分担と組み合わせ、負担を減らし、生み出した時間を直接介護へ振り向け、サービスの質の向上につなげていました。人材の確保だけでは、増加する介護需要を支え切れません。人材の確保・定着と生産性向上を一体で進め、その効果を検証する仕組みが必要です。
そこで、知事に伺います。
第1に、県は、第10期計画に向け、令和11年度及び2040年に必要となる介護人材数と不足数を、実人員と常勤換算数、施設、訪問等のサービス種別、老人福祉圏域別にどう推計するのでしょうか。
第2に、最新の公表実績と第9期目標との2万2,570人の開きを採用定着の実績や今後の介護需要を踏まえてどう評価し、次期計画の推計に反映するのでしょうか。
第3に、必要な人材を確保するため、新卒、転職、復職、外国人材の確保や離職防止について、全てを人数目標に割り振ることは困難でも、重点施策には、確保数や定着率など検証可能な目標指標を置く必要があると考えます。どの施策にどのような目標を置き、進捗と費用を確認するのでしょうか。
第4に、担い手が減る中でも必要な介護サービスを維持するため、県は、介護のみらいサポートセンターを支援の中核として、施設系サービスで業務の可視化、介護テクノロジーの導入、役割分担の見直しを一体的に支援し、その成果を訪問介護など居宅サービスにも広げていくことを提案します。県が市町村、事業者、職能団体等を束ねる司令塔となって、これらの取組を第10期計画にどう位置付け、県内にどう展開するのか伺います。
第5に、介護テクノロジーは導入して終わりではありません。省力化によって生まれた時間が直接介護に充てられたか、職員の働きやすさとサービスの質がどう向上したかを県が検証し、その結果を事業者への支援に生かすべきと考えます。どのような方法で効果を確かめ、支援の改善につなげるのか、知事の御所見を伺います。

A 大野元裕 知事

県全体の必要な介護職員数につきましては、第10期計画の最終年度である令和11年度及び2040年に向けた、市町村ごとの介護サービス見込量等に基づき、介護テクノロジーの導入による生産性向上の効果も考慮して推計をする予定であります。
一方、介護職員の不足数については、直近の介護職員数を基に、近年の入職、離職の動向等を加味し、国が推計した介護職員の供給数から必要数を差し引いて算出いたします。
実人数と常勤換算数については、これらの推計を行う過程において、算出してまいります。
また、施設・訪問等のサービス種別や老人福祉圏域別の介護職員の推計につきましては、サービス別、圏域別の将来にわたる過不足の状況が可視化できるメリットがあることから、第10期計画を策定する中で新たに推計することを検討します。
次に、最新の公表実績と第9期目標との2万2,570人の開きを、どう評価し、次期計画の推計に反映するのかについてであります。
生産年齢人口の減少により、幅広い産業で人手不足が深刻化し、人材獲得競争が一層厳しくなっています。
国が実施した令和7年度介護労働実態調査によれば、採用者数が離職者数を上回り、介護職員数は増加しているものの、その増加率は2.0パーセントに留まっており、増加する介護サービスを支える必要数には届いていない状況であります。
介護職員の給与水準は、全産業と比較して月額8万円程度低く、依然として格差が生じていることや、「介護の仕事は身体的、精神的負担が大きい」など、マイナスイメージを持つ人が多いことが、職員の確保を難しくさせる要因と考えます。
また、大学や専門学校など介護福祉士養成校の入学者数が減少していることにより、介護現場に就職する新卒の介護職員も減少する傾向にあります。
こうした複数の要因により、直近の介護職員数の実績と第9期計画における介護職員数の目標との間に、開きがあるものと受け止めております。
第10期計画におきましては、これまでの採用や定着の状況、今後の介護サービスの需要見込みなどを十分に分析し、介護テクノロジーの導入による生産性向上の効果も加味し、将来の介護人材の需要を推計するとともに、確保、定着、イメージアップなどあらゆる施策を更に強化し、必要な介護職員数確保につなげてまいります。
次に、重点施策についての目標設置と進捗などの確認についてであります。
議員お話しの、検証可能な目標指標につきましては、それぞれの予算事業において、EBPMの考え方に基づき、事業ごとに成果指標等を設定しています。
例えば、介護未経験者向けに就労マッチングを行う介護人材確保促進事業では、年間就労者数を440人と設定しているほか、外国人介護人材確保対策事業では、採用時の初期費用の補助により、外国人の就労人数を年間100人と設定しています。
また、今年度から実施している奨学金の返済支援事業では、県内外から将来を担う若い世代の介護人材確保者数を年間50人と設定しました。
今後も、事業ごとに適切な成果指標等を設定し、きめ細かく進捗管理や効果検証を行い、事業の効果的な実施に努めます。
また、第10期計画では、新たな検証可能な指標として、例えば、県内介護福祉士養成校等からの新規就職者数や、在留資格別の外国人介護職員数など、人材確保に関連する代表的な数値について、計画における進捗管理の対象とすることを専門家の意見もお伺いしながら検討したいと思います。
次に、介護テクノロジーの導入成果を訪問介護サービスなど居宅サービスへ広げる取組の第10期計画への位置付けと展開についてであります。
令和7年度に県社会福祉協議会に設置した「介護のみらいサポートセンター」では、介護現場の生産性向上に関する相談や介護テクノロジーの導入に関する助言など、年間約300件の支援を行いました。
このうち、訪問介護など居宅系の事業者からの相談は、全体のわずか2パーセントに留まっています。
こうした事業所は、比較的経営規模が小さい事業所が多く、介護テクノロジーの導入に当たり、機器の選定や活用に詳しい人材の不足などの課題があることから、事業所の特性に応じたきめ細かい支援が必要と考えます。
例えば、訪問介護の現場ではケアプランデータ連携システムや介護記録の音声入力システム、介護報酬請求システムなど、間接業務の省力化につながるICT機器の導入が有効です。
また、単に機器を導入するだけでなく、事業所全体の業務の見直しや役割分担の整理と併せて一体的に進めることも成果を上げる上で重要です。
このため、「介護のみらいサポートセンター」において、事業所ごとに適した機器の選定・活用に加え、機器導入と業務の見直しを同時に行うためのノウハウについて、専門相談員がセミナーや個別相談を通じて丁寧に助言を行うなどの後押しをしてまいります。
県といたしましては、生産性向上に関する支援を第10期計画の主要な施策として位置付け、介護事業者や職能団体、専門家とも連携しながら、訪問介護等の居宅サービスを含めた介護事業所の介護テクノロジーの導入と業務改善が一体的に進むよう支援を強化します。
最後に、どのような方法で介護テクノロジーの導入効果を確かめ、支援の改善につなげるのかであります。
議員お話しのとおり、介護テクノロジーは導入して終わりではなく、業務の効率化や職員の負担軽減を通じ、利用者のケアの充実や働きやすい職場づくりにつなげることが重要だと思います。
県の介護テクノロジー導入補助事業では、事業者に対し導入後3年間、導入効果に関する調査を行っており、令和6年度に導入した事業所の95パーセントが、介護事故の防止、職員の負担軽減、残業時間の軽減などの業務改善効果があったと回答しています。
また、見守り機器を導入した事業所のうち、約7割が「利用者のケアやコミュニケーションに充てられる時間が増えた」と回答しており、介護サービスの質の向上に寄与していることも確認できました。
様々な効果のある介護テクノロジーを県内に広げていくためには、導入前と導入後で業務時間や職員の負担、ケアの質が、どのように変化したかを「見える化」することが不可欠です。
そこで、県では、今年度新たに実施している生産性向上推進体制加算の取得を支援する事業において、導入費用の補助に加え、専門家による助言や提案を行っており、年度末には成果を見える化し、事業者向け報告会を開催することで、好事例の横展開を図ってまいります。
今後も、介護テクノロジー導入による具体的な効果を確認・検証し、把握した好事例と共に広く展開することで支援の改善につなげながら、介護現場の生産性向上を推進してまいります。

                                

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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