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掲載日:2025年7月8日
Q 浅井明 議員(自民)
ペロブスカイト太陽電池については、令和4年6月定例会でも太陽光パネルの新技術の開発、取組について並びに今後増大する太陽光パネルの廃棄処理について質問をしております。このペロブスカイト太陽電池について自然再生・循環社会対策特別委員会で、昨年1月29日、30日の両日、ペロブスカイト太陽電池の開発に携わっている株式会社東芝研究開発センター並びに太陽光パネルのリサイクル処理事業を運営する環境通信輸送株式会社牛久リサイクルセンターに視察研修に行ってまいりました。
シリコンの太陽光パネルについては、令和4年の質問でも触れましたが、大量廃棄時代が始まるとの警鐘を述べさせていただきました。御答弁では、廃棄費用の外部積立ての開始やリサイクル事業者の技術支援のリサイクル処理事業者の確保、育成を進めるとのお話でありました。確かに牛久リサイクルセンターで見せていただいた処理方法は、以前に言われていた全て手作業でシリコンパネルのガラスを破壊、1枚1枚から基盤を外す工程だったのが、オートメーションで解体、リサイクルできる部分に仕分けされていくなど、格段に進歩していました。しかし、担当者からは、まだまだこのスピードや機械規模では、とても廃棄スピードには追いつかずとの声でありました。
電力の買取価格が下がり倒産に追い込まれた事業者など、既にシリコンパネルの不法投棄が始まっています。中国製シリコンパネルは大量生産で価格が大幅に下がり、価格だけのメリットで導入する企業や事業所もあります。
また、中国製発電システムの一部には不審な通信機器が搭載されていたことが報道されています。これ以上、シリコン製太陽光パネルの設置を許してはいけません。メガソーラー設備の設置禁止を宣言した自治体もあります。シリコン製太陽光パネル規制を視野に入れた取組も考えるべきです。更なる投棄監視指導と太陽光パネルの処理ルートの確保をお願いいたします。
これからは日本発のペロブスカイト太陽電池が主流となるでしょう。令和4年の質問時には、薄い軽量フィルム型で曲げての設置や窓ガラスや壁面に施工できる新開発製品としての紹介でした。視察した東芝研究開発センターによると、今や実用化が進んでおり、2025年以降の事業化に向け実用化サイズの受光面積が900平方センチメートル以上と更なる大面積化を目指すとともに、エネルギー変換効率20パーセント以上の実現で、発電コストがワット15円の実現を目標に掲げているそうです。
2050年のカーボンニュートラルを目指す本県では、新県庁舎の建設などに導入、設置するなどの活用も考えられます。環境部長にお伺いしますが、今後シリコン製太陽光パネル処理とともに、県としてペロブスカイト太陽電池の活用をどのように捉え考えていくか、お尋ねいたします。
A 堀口幸生 環境部長
まず、シリコン製太陽光パネルの処理についてでございます。
現在稼働中の太陽光パネルは、今後順次、廃棄の時期を迎えますが、2030年以降、40年代初頭のピークを迎えるまでの本県におけるパネルの排出総量は約10万トンに及ぶと予想されています。
まもなく到来する大量廃棄に備え、太陽光パネルの適切なリサイクル体制の確立と、老朽化したパネルの放置や不法投棄への対策を急ぐ必要がございます。
まず、リサイクルにつきましては、太陽光パネル専用の処理設備を備えた事業者を増やすとともに、パネルの回収ルートを確立し、さらに分別・再資源化した資材を市場に流通させる資源循環システムの形成が課題となっております。
このため、本年度からサーキュラーエコノミー推進分科会に太陽光パネルの処理に関する研究会を設置いたしまして、リサイクル事業者と、再資源化した資材を利用する事業者のマッチング等を進めたいと考えております。
また、不法投棄対策として、家屋の解体現場や廃棄物の排出事業者への立入指導を徹底いたしまして、不法投棄の未然防止を図るとともに、本年2月に導入しました不法投棄通報アプリ等を活用して、早期発見に努めてまいります。
次に、ペロブスカイト太陽電池の活用についてでございます。
シリコン製の太陽電池は重くかさばるので、設置場所の確保が課題となっておりましたが、ペロブスカイト太陽電池は軽くて、曲げることもできるため、ビルの壁面や窓ガラス、ドーム型の屋根への設置等も可能になってまいります。
これまで太陽光発電設備の設置が難しかった都市部の建物においても、建物の機能や景観を損なうことなく、エネルギーを確保できるようになることが期待されています。
さらに、自動車やドローン等の移動体に取り付け、どこでも発電できるようになれば、事業活動の利便性や効率性が高まり、災害時の電源確保にもなるなど、幅広い分野に効果をもたらす可能性があると考えております。
ペロブスカイト太陽電池の実用化にあたりましては耐久性や変換効率の向上、生産体制の整備や量産技術の確立が課題となっておりますが、国は2030年までのできる限り早期の社会実装を目指し、官民連携の取組を加速しているところです。
国内外でし烈な開発競争が進んでいることもあり、仮に実用化が前倒しになった場合にも速やかに対応できるよう情報収集に努めるとともに、県有施設も含む効果的な活用方法について、研究を進めてまいります。
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