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掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(吉良英敏議員)

 教育問題について-教員の負担軽減とケアについて-

Q 吉良英敏 議員(自民)

今年4月に公表されました文部科学省の教員勤務実態調査の速報値では、前回の調査から比べると全ての職種において在校等時間が減少したものの、依然として長時間勤務の実態は変わらない、そういった印象であります。また、県は、学校における働き方改革の基本方針を昨年の4月に改定し、時間外在校等の時間が月45時間以内、年360時間以内の教員数の割合を令和6年度末までに100パーセントにすることを目標に掲げて取り組んでいると聞いております。
私の知る20代の若い先生は、帰りは毎日9時、10時が当たり前、日付けを越えることもあると言っています。また、試験前などは仕事を家に持ち帰って深夜までパソコンに向かい、十分に眠れない中で出勤する。その先生は今、体調を崩して休職をしております。
令和4年、埼玉県では小・中・高などの教職員383人が休職をしており、そのうち76パーセントの291人が精神疾患であります。そして、令和4年度は過去最高となりました。この休職している方々、さらにはその予備軍、もう既に苦しんでいる人を入れると、この数倍になるのではないかと心配でなりません。
疲れた状態で教壇に立っている状況、本当に想像できているでしょうか。悲鳴を上げている先生方、若い先生方、助けないのでしょうか。誰一人取り残さない、これらの教員負担軽減策と、そのケアに対する取組について、日吉教育長の御所見を伺います。

A 日吉亨 教育長

県では、これまで、教育活動の見直し、業務の効率化や削減、人的支援などに取り組み、教員の負担軽減を進めてまいりました。
こうした取組により、年々、時間外在校等時間は減少してきましたが、依然として教員の長時間勤務は課題であり、より実態に応じた負担軽減策やケアが重要と考えます。
そこで、小・中学校では、年間授業計画を工夫し、教員が授業の準備や事務処理等を行う時間を生み出すことができるよう、取り組んでいるところです。
県立学校では、長時間勤務の教員が多い学校を教育局職員が訪問し、校長に直接指導・助言を行うとともに、他校の好事例を紹介するなどの個別支援を行っているところです。
実態に応じたケアについては、若い教員を含め、時間外在校等時間 月80時間を超える教員に対し、校長が面談を通して健康状態や長時間になった要因を聞き取ったうえで、業務の削減等の具体的な支援策を速やかに講じております。
また、県では、教員が不調を感じた時に、精神科医や保健師、臨床心理士などの専門家による指導・助言を受けられる相談体制を整えております。
教員の働き方改革は何としても達成すべき最重要課題であり、今後とも、その実現に向け全力で取り組んでまいります。

再Q 吉良英敏 議員(自民)

先ほど言ったとおりですね、令和4年が過去最高という深刻過ぎる状況であります。しかも年度内の復職の割合は37パーセントの方々しかいません。半分は復職できないという、もう本当に大変な状況であります。
その若い教員の、先生のことを思ってもですね、せっかく夢と希望を持って教員になったのに休職をし、そして辞めてしまう。現場で大切な大切な人材を潰してしまっている、そのように思います。
具体的な対策もしているんだと、相談体制という話もありましたけれども、例えば、令和4年度は724人の人が相談されています。でも、その相談のスタッフ体制はたったの3人しかいません。
その実現に向け取り組むという御答弁ではありましたけれども、このように苦しんでいる教職員の人たちに対してちゃんとケアができているのか、再度、御答弁をお願いいたします。

再A 日吉亨 教育長

議員お話のとおり、経験が浅い若手教員は、授業準備や事務処理に時間がかかるため、長時間勤務になる傾向があります。
そこで、学校の管理職が面談を通じて若手教員一人一人の業務の進捗や心身の状況をしっかりと把握し、その状況に応じた業務の削減や必要に応じて健康相談につなげるなど、寄り添った支援を行うよう、改めて校長を指導してまいります。
特に、初任者には、県立総合教育センターで行われる初任者研修においても、保健師による健康相談の機会を設け、学校での不安や悩みについて、気軽に相談ができるよう配慮しております。

再再Q 吉良英敏 議員(自民)

これですね、先ほど学校の先生がそういった相談を聞く、あるいは研修体制、初任者研修という話がありました。管理職研修もあるかと思います。これは前からあるんですよ、やっています。ただ一方で、今の現状というのはどんどん悪化しております。
さらに、私なんかが思うのは顕在化しづらい状況になる。その状況というのはヤングケアラーでも同じですけれども、忙しかったり余裕がないと顕在化がどんどんしづらくなってくるんです。子供たちの取り巻く環境が厳しいということは、恐らく先生の環境もかなり厳しい。それを校内で管理職の人たちが気付く、遅れる、もう目に見えているんですね。
ケアに対する取組について、今までどおりでは非常に実現に向けることは難しいと思っております。その点も含めまして、再度、御答弁をお願いいたします。

再再A 日吉亨 教育長

子供たちに、より一層効果的な教育活動を行うためには、何よりも、教員が心身ともに健康であることが重要でございます。
今後とも、児童生徒はもとより、教員につきましても、誰一人取り残さないという決意のもと、一人一人に寄り添いながら働き方改革を全力で推進してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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