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掲載日:2022年6月21日

令和3年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(小島信昭議員)

知事公約について - あと数マイルプロジェクトについて

Q   小島信昭  議員(自民

今年度有識者による公共交通の利便性向上検討会議の中で、鉄道延伸の評価の視点と評価項目を検討し、路線ごとに課題や効果、取組の方向性を整理しています。しかし、幾ら有識者に分析してもらっても事業は進みません。どこをどうしたらできるのかを洗い出して徹底的に議論し、課題を解決しなければなりません。路線の延伸を切に願う県民は、課題解決のための処方箋が有識者会議によって示されることを強く期待しております。
そこで、今後示される有識者会議の取りまとめは、県民の期待に応えるものになるのか。また、その検討結果を路線を延伸させるという公約本来の目的実現にどのようにつなげていくおつもりなのか、知事にお伺いいたします。
そして、埼玉高速鉄道線については、さいたま市の延伸協議会においてもB/C(ビーバイシー)が一を超えるケースも示され、延伸実現の可能性が最も高い路線でもあります。令和2年9月議会の我が会派の神尾議員の一般質問の知事答弁において、「これまでの検討の成果を踏まえ意見の集約を図り、具体的に一つ一つ課題を克服していく新たな段階に入ったと考えている」との答弁がありました。
そこで、知事に伺います。課題克服のための取組として、今何をしているのか。また、令和3年度は何をするつもりなのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
また、知事は、大宮駅を拠点とした東日本連携、東武線をも巻き込んだ交通の便の向上を公約に掲げられています。先日、鉄道関係者と意見交換する機会があり、その際に出た話題の中に、東武アーバンパークラインにJR成田線を乗り入れ、成田空港から大宮駅まで路線をつなぐとの話がありました。JR常磐線と東武アーパンパークラインは千葉県の柏駅で並行しており、柏駅においていわゆる渡り線を整備することで直通の路線ができ上がります。大宮駅は国においても広域的な交通ネットワークの拠点となる駅として位置付けられており、さいたま市においても大宮駅グランドセントラルステーション化構想が着々と進められております。
現在、成田空港から大宮駅間の移動は、京成スカイライナーを利用し、日暮里駅でJRに乗り換え東京駅へ。そこから新幹線を経由して最短で大宮駅まで81分、在来線では145分かかります。一方、成田線から柏駅を経由して東武アーバンパークラインを利用し直接大宮駅まで乗り入れれば、71分で移動が可能という試算が出ています。
柏駅で相互に乗り入れるためには渡り線の整備が必要となります。昨年の代表質問の中で紹介した相模鉄道とJRの渡り線整備と同様に、都市鉄道利便増進法により可能であると考えますが、整備費用の3分の1を地方公共団体が負担しなければなりません。埼玉県と千葉県の合意と役割分担が重要となります。また、春日部駅から運河駅間は単線区間であり、スピードアップのためには複線化も検討しなければなりません。
このように課題もありますが、埼玉県の将来を見据えて、今こそ実現に向けての検討を進めるべきだと考えます。海外から混雑する都内を経由することなく埼玉へ。その後、新幹線を利用して東北、上越、北陸へ移動できるような基盤を作ることにより、インバウンド需要を取り込み、地域経済発展の起爆剤となると期待が持てるこの事業を是非進めていきたいと思います。知事の御所見をお伺いいたします。

A   大野元裕   知事

有識者会議のとりまとめは県民の期待に応えるものになるのか、また、検討結果を公約本来の目的実現にどのようにつなげていくのか、についてでございます。
鉄道の延伸については、今年度、有識者等で構成する「公共交通の利便性向上検討会議」を設置し、路線ごとに独自の視点を含めて評価した上で、課題の整理と取組の方向性を検討しているところであります。
有識者からは、鉄道の延伸で通学圏域が拡大し、教育環境が向上することにより子育て世代の人口増加が期待できるため、鉄道延伸の評価上、便益として十分に生かすべきであるとの意見もいただきました。
また、都内区間における混雑率の上昇が課題となる路線については、都内から県内に向かう利用者の増加につながるまちづくりの在り方や観光資源の生かし方を考えていくことも重要との御指摘もいただきました。
検討会議のとりまとめは、このような新たな視点も含めて課題を整理し取組の方向性を導き出すものであり、便益向上やコスト縮減などに結び付け、延伸の実現という県民の期待に応えるものになっていくと考えます。
延伸路線については、交通政策審議会の答申路線で、すでに関係者間で具体的な協議が進んでいる路線もあれば、答申外路線で延伸先も決まっていない路線もございます。
検討会議のとりまとめ結果は、その方向性を踏まえ、各路線の進捗に応じた取組を進めることにより、目的の実現へとつなげてまいります。
今後、さらなる便益向上策や延伸に伴う混雑対策の検討、鉄道延伸と一体となったまちづくり計画の策定、延伸ルートの絞り込みなど、延伸の実現に向けた取組を進めてまいります。
次に、埼玉高速鉄道線の課題克服の取組として、今何をしているのか、また、令和3年度は何をするのか、についてでございます。
埼玉高速鉄道線の延伸については、延伸協議会で示された課題の解決に向け、さいたま市が設置した実務関係者会議で協議を行っています。
また、この会議での検討に必要となる資料の収集・整理のため、県と市による共同調査を行ってまいりました。
今年度は、直近の国勢調査やパーソントリップ調査等のデータを収集し、こうした最新データを踏まえ、課題の解決に向けた検討内容の整理を進めております。
私も直接さいたま市長と意見交換を行い、これまでの検討結果を踏まえ、延伸の実現に向けて部長級会議を新たに設置し、課題の具体的な克服を目指すことで意見が一致いたしました。
令和3年度では、この会議で関係者間の協議の収れんを進めるとともに、沿線地域の土地利用状況など、今後の事業計画に必要となる資料作成のための調査を県市共同で行ってまいります。
また、県としては、公共交通の利便性向上検討会議において、延伸実現のために何が必要かという観点から議論を行っていただいており、課題の具体的克服に向けて関係者に働き掛けを行ってまいります。
具体的には、さいたま市に中間駅周辺のまちづくりについて働き掛けるとともに、新たに国等との調整を始めるなど、一つ一つの課題の克服に向け、着実に取り組んでまいります。
次に、成田空港と大宮駅を直接結ぶ路線の実現についてでございます。
議員お話しの東武アーバンパークラインを経由した成田空港と大宮駅の直通路線については、既存の交通ネットワークを活用した空港へのアクセス強化という点で本県において大きな効果があると考えます。
圏央道の効果と同様、東京を経由せずに、東北・上越・北陸新幹線を利用して各地の観光地へ短時間でアクセスすることができるようになり、インバウンドについても利便性の向上と利用促進が期待できると思います。
一方、議員お話しの想定ルートにおいては、大宮駅のホーム増設や東武アーバンパークラインとJR常磐線が結節する柏駅において、相互乗り入れに必要な「渡り線」の整備などの課題があります。
また、この構想を推進するためには、国の補助制度の活用を視野に入れる必要があるものの、当該構想は国の交通政策審議会の答申に位置付けがなされておりません。
まずは、鉄道事業者がこうした位置付けを目指すのかどうかを含め、その意向の確認が必要と思います。
私としては、機会を捉え、鉄道事業者のトップとこうした構想について率直な意見交換に努めるとともに、鉄道事業者からの相談には真摯に対応し、県としてできることにしっかりと取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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