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掲載日:2020年3月31日

令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(村岡正嗣議員)

医師不足解消と健康長寿の埼玉をめざして

Q   村岡正嗣  議員(共産党

2016年に策定した埼玉県地域医療構想では、2025年までに「入院医療の需要は約1.3倍、在宅医療などの需要は1.8倍に増加する」と推計し、課題解決のためには「健康長寿の取組」「地域包括ケアシステムの構築」「医療提供体制の充実」とあります。何よりも大切なのは、医療体制の充実です。しかし、埼玉県人口10万人当たりの医師数は169.8人で、全国最下位です。医師不足解消、医師確保についての知事の決意を伺います。
その上で、健康長寿の取組も重要です。
私は、小鹿野町を視察しました。小鹿野町は、町立病院と保健センター、地域包括支援センターが町立で一体的な運営がされ、地域ケア会議、包括ケア会議で高齢者などの情報共有を図り、各担当の取組や課題を発表し、職員の連携と資質の向上を図っています。町立病院外来の患者についても、「認知症の心配があるのでは」「臭いがする」「お風呂に入っていないのでは」と、医療保健福祉につなぎ、連携して生活全般を支えています。その中心が保健師です。小鹿野町の保健師1人当たりの担当人口は1,169人で、県内2位の手厚い体制です。保健課の課長さんは「職員が地域の人の顔が分かるのが強み」と語り、「保健師は受け入れられやすい存在です。警察官や税金徴収事務職員とは違って、保健師は家の中に入れてもらえる」と語っていました。
このマンパワーこそが、健康長寿の鍵であり、結果、医療費を低く抑えています。2018年度の後期高齢者医療費を見ると、小鹿野町の1人当たりの医療費は約70万円、県平均の84万円より13万円以上も低いのです。10年前、県は健康プロジェクト計画策定に当たって小鹿野町に学び、鳩ヶ谷町、ときがわ町での検証を経て、健康長寿プロジェクトを推進してきました。しかし、年とともに県の健康プロジェクトはウォーキングや体操を個人に促すだけの自助努力中心へと変化したと言わざるを得ません。これでは本当の健康長寿実現は危ういと感じます。小鹿野町の町立病院を核とした保健師中心のマンパワー強化こそ、全県に広げていくべき教訓ではありませんか。知事の見解を伺います。

A   大野元裕   知事

医師不足解消、医師確保についてでございます。
人口10万人当たりの医師数では全国最下位となりますが、医師不足への対応策としては、医師数全体を増やすことに加えて、秩父、北部などの特定地域や、小児・産科・救急など特定診療科の医師の充足を図ることが、まず大切であると考えます。
地域や診療科の偏在を解消する上で、特に有効なのが地域枠などの医学生向けの奨学金制度です。
奨学金制度は、一定期間特定地域や特定診療科の病院に従事することを前提に貸し付けており、令和12年には400人の医師を確保できる見込みになっています。
また、医療現場の即戦力となる医師を確保することも大切です。
このため令和2年度からは新たな取組として、優れた指導環境を整備するための、県外の大学病院から県内病院に指導医と専門医をチームで派遣していただく、そして後期研修医の確保に努めてまいります。
私は、医師確保は県政の最重要課題の一つと考えておりますので、しっかり取り組んでまいります。
次に、健康長寿の取組についてでございます。
議員お話しの小鹿野町の取組は、県が健康長寿の取組を進めるに当たり、最初に研究させていただいたものであります。
小鹿野町では、医師、保健師、管理栄養士などの多職種の連携や保健師によるきめ細やかな訪問指導により、成果を上げていました。
県では、他の先進的な事例も研究し、医療費削減効果や取り組みやすさを踏まえ、東松山の「毎日1万歩運動」と加須の「筋力アップトレーニング」を基本とする「健康長寿埼玉モデル」を構築し、推奨しています。
県では小鹿野町の取組も、市町村が取り組める好事例として紹介しており、これを学び、成果を上げている事例も既にございます。
健康長寿の取組は、市町村が地域の実情に応じて、工夫しながら取り組んでいただくものだと考えております。
県としては、市町村の取組をしっかりと把握し、効果的な取組を行った市町村については表彰を行い、市町村担当者の情報交換会を開催することなどで優良事例の横展開を図り、健康長寿の取組を推進してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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