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掲載日:2020年7月8日
Q 白土幸仁議員(自民)
2010年の民間会社の調査によりますと、郷土愛ランキングという数字がありますが、本調査は各都道府県の出身者に対して出身都道府県について愛着があるかどうか、誇りに思うかどうか、自慢に思う要素など25項目の設問で構成し、愛着度は出身者自身がふるさとに対して感じる意識として、自慢度はふるさとを他者に誇れるかどうかの意識について質問しております。これによりますと、1位は沖縄県、2位は北海道、3位は京都となり、我が県は残念ながらこれまた最下位に甘んじているところであります。
この調査によりますと、出身都道府県のどのようなことが誇りに思うかを聞いたところ、47都道府県の平均では、海、山、川、湖などの自然が豊かなことを51.1パーセントの回答者がそれぞれの出身地の誇る要素として挙げ、次いで食事がおいしいことが43.4パーセントで続いており、これらの要素が郷土愛につながっていることが分かります。本県では、自然が豊かで食事もおいしい場所もあるにも関わらず最下位という残念な結果となっております。しかしながら、観光客を呼ぶためには県民が郷土愛を持って自慢できるものがなければならないと考えます。
そこで、食事に関しては行政として掘り起こしや既存のPRなどの後方支援が主な業務になると考えますが、自然の豊かさを端的に表し、直接観光につながり、他県に自慢できるものとしてPRできるものとしては、国が文化財保護法にて指定する名勝だと考えます。近隣では、華厳の滝や中禅寺湖、袋田の滝、妙義山などがあり、古くから観光客でにぎわっているわけでございますが、実は埼玉県では2県以上にまたがっているものとして、13県がまたがっている奥の細道の風景地と群馬県と埼玉県にまたがっている三波石峡がありますが、本県だけのものは唯一、長瀞のみの状況です。実は、2県以上またがって指定されているもの以外で1県しか指定されていない県は埼玉県のみになります。見沼田んぼや荒川の河川敷、都幾川など、まだまだ指定される可能性がある名勝地があると私は考えます。また、国指定の史跡に関して19件、特別史跡は0件ということで、これまた他県に比較し、非常に少ない状況です。これらの指定を増やすことは、郷土愛を醸成するためには非常に重要であると考えます。
そこで、国にてこれら文化財に深く関わられた教育長に、埼玉県の現状の認識と今後指定を増やしていくお考えを国での経験を踏まえた御見解をお伺いいたします。
A 小松弥生 教育長
まず、埼玉県の現状の認識についてです。
国指定の名勝が少ないのは、本県では海がないこと、山岳や峡谷のような景観地が限られていることなどの、地理的特性も影響しているのではないかと推測をしております。
次に、今後、指定を増やしていくことについてです。
文化財保護の考え方として、国際的にも、国内的にも、1件1件の価値を捉えるのではなく、複数の文化財や一定地域にある文化財を総合的に捉える方向に変わってきております。
議員のお話にありました「おくのほそ道の風景地」も、芭蕉などにゆかりのある、12県に点在する名所で、近世・近代を通じて、広く鑑賞の対象となった景観を一体のものとして評価したものです。
埼玉県には「おくのほそ道の風景地」の一つとして、「草加松原」があり、平成26年に、県内では56年ぶりの国指定名勝となりました。
新しい文化財の種類として、重要文化的景観というものも制度化されております。これは、例えば滋賀県の「近江八幡の水郷」などのように、地域の風土と人々の生活・生業があいまって形成された景観を広い範囲にわたって保護するものです。
また、文化庁は「歴史文化基本構想」の策定を市町村に推奨しております。
この「歴史文化基本構想」は、市民の参画も得て、地域に所在する様々な種類の文化財を関連性を持たせて総合的に把握して、保存活用を図っていくものでございます。
また、日本遺産の認定も、有形無形の一連の文化遺産を物語にすることによって、地域の魅力を発信するものです。
今後は、このように、観点を大きく広げて、県内の名勝地や遺跡をはじめ文化財の価値を見直し、市町村と連携して、これまで気づかなかった新しい文化遺産としての価値を見出すことが大切と考えております。
このような取組が、結果として国指定の文化財を増やすことにつながっていくものと考えております。
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