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掲載日:2023年7月4日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(白土幸仁議員)

道路用木製製品の活用

Q   白土幸仁議員(自民

本年2月定例会において議員提案により可決させていただきました農林水産業振興推進条例に関わる1年間にわたるプロジェクトチームにおいて、県内林業の現状とこれからの展望について関係団体の皆様からのヒアリングをさせていただきました。また、実際の現場に赴き、直面したのは、切れば切るほど経費がかかり逆ざやになってしまうが、間伐をしなければ災害など多面的機能を有する山が荒れてしまう現状も見させていただきました。木材需給率は昭和30年には94.5パーセントであったのが平成27年には30.8パーセントという実情の中、強く感じたことは、県内林業を持続可能にするためには山だけを見てはいけない、植林、生産から消費まで全ての段階において大胆に支援していかなければ、自立は不可能であることでした。また、特に出口である消費拡大に向けての支援を強化することが持続可能な林業をつくり上げるには最重要であると強く感じたところです。
そのような中、執行部におかれましては、県内公共事業や県内民間業者においては県産木材の積極的利活用に努力していただいているところではございますが、現状を見ると林業の環境は持続可能な状況とは言えないと考えます。
そこで提案ですが、今現在、県道の総延長は約2,800キロ、森林管理道の総延長は約860キロあります。そのうち県産木材として木製ガードレールが利用されているのが県道はなし、森林管理道に関してはたったの約1キロということでございました。県道や森林管理道のガードレール等、道路用木製製品活用率が少しでも進み、10パーセントにもなれば、総延長から考えるとかなりの消費が生まれると考えます。しかし、木製のガードレールは通常のガードレールの3倍の経費がかかると聞いておりますし、耐久性も劣るとお聞きしております。もちろん、更なる研究開発が重要ですが、総延長が延びることにより経費は抑えられると考えますし、耐久性が劣るということは交換時期が早いということになり、更なる消費が生まれるということでもあります。また、木製製品はガードレールだけではなく、他県では歩道境界ブロックや側溝のふた、カーブミラー等にも木製品を使用しているとお聞きしております。
林業に対しては、国・県から様々な財政支援をしているわけでございますが、それは消費が拡大することで必ず縮小していくはずでございます。木製ガードレールを含めた道路用木製製品を開発、そして利活用をすることで、更なる消費拡大が可能となり、耐久性の劣ることから交換時期が早くなることや、既存の経費より割高であっても県の林業における支出全体から見れば、支出の抑制が図られると考えますが、いかがでしょうか。県土整備部長及び農林部長の御見解をお聞かせ願います。

A 西成秀幸 県土整備部長

ガードレールなどの道路付属物は、高い安全性を確保するため十分な強度を持ち、耐久性に優れ、維持管理が容易なものを用いることとしております。
道路用木製製品の利用にあたっては、いくつかの課題がございます。
まず、木製製品は従来の製品に比べ材料費が高く、例えば既設のガードレールを木製に切り替えるには、通常の3倍の費用がかかります。
また、木製のガードレールや歩車道境界ブロックは、衝突により破損しやすい材質であるため、安全性を保つための点検や修繕を、これまで以上に頻繁に行う必要がございます。
さらに、木製製品の耐用年数は約10年であり、鋼製ガードレールの 20年や歩車道境界ブロックの50年に比べると、更新工事の回数が増えるため道路利用者にご不便をかけることともなります。
現段階では、道路用木製製品の利用については難しい面がございますが、県産木材の建設資材への利用について、関係部局ともに連携し、調査、研究してまいります。
また、埼玉県建設資材県産品紹介制度や県産品フェアを通じ、公共工事全般に用いる県産木材を広くPRできる場を提供するなど支援をしてまいります。

A 篠崎 豊 農林部長

本県の人工林の約8割が利用可能な時期を迎えており、森林の循環利用を進めるためにも、木材を生産・加工・利用することが重要です。
このため、公共施設や住宅等への利用促進のほか、公共工事での利活用に取り組んでいます。
森林管理道では、議員お話しの木製ガードレールや、側溝の蓋などに利用しておりましたが、経済性、耐久性などの課題がございます。
このため現在、森林管理道整備事業においては、簡易な水路、案内板、工事看板など安全性・耐久性を考慮して利用しております。
また、治山事業においては、落石防止工や治山ダムの型枠などに木製製品を利用しています。
これらの事業において平成24年度から5年間に約1,000立方メートルを使用しており、この量はスギ丸太で換算すると1万本に相当します。
今後も森林管理道などで利用を進めるとともに、近年新たな木製製品の開発が進んでおりますので、関係部局と情報を共有しつつ、利用について働きかけを行ってまいります。
県産木材の消費拡大は林業者の収入増加につながることから、県内林業の活性化に向けて木材の利用拡大に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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