平成28年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（飯塚俊彦議員）

災害用Wi-Fiの整備について

Q　飯塚俊彦議員（自民）

今回の熊本地震につきましては、その災害の規模、震度の大きさもさることながら、震度1以上の地震の回数の多さにも驚かされ、自然の驚異に対して人間の非力さに、がく然とする思いであります。私は、今回の災害に対して、救助活動をはじめ避難所運営の問題、救助物資の仕分け・配送等で多くの教訓があったと思います。そして、特に安否確認やその時点ごとの災害の状況、交通やインフラの状態、避難所や支援物資集積基地等の情報、何といっても御家族、御親族との連絡の確保が一番大切だったのではないかと考えます。ここまで進んだソーシャルネットワークの社会で、普段利用できた携帯電話やネット情報が使用できなくなったときは、大きな災害になればなるほど身にしみるものだと思います。
そこで、私は、ソーラー発電設備のついたWi-Fi基地局の機能を持つ設備を街路灯や照明灯などの埼玉県の主要な施設に設置したらどうかと考えます。上田知事は、埼玉エコタウンプロジェクト等を進めてこられました。今後のプロジェクトの中で、このWi-Fi基地局を設置したらいかがかと思います。照明灯は、ソーラー発電によって、天気が良ければいつでも発電ができ、蓄電池に電気を充電しておけば、災害時に電線が切断されても自力でWi-Fi機能を維持できます。また、夜間の照明設備としてだけではなく、携帯電話やコンピュータ等の電子機器への充電設備としても利用ができます。
このようなWi-Fi機能を持った街路灯や照明灯を一定の割合で、例えばJR各駅広場や公共機関、避難施設予定地などに設置し、一つのまちを何か所かでカバーするなど、地域防災計画に食料や水と同じレベルで通信手段確保を計画し、県民の皆様に周知し、災害時に利用してもらうシステムを確立していただけたらよいと思います。災害対応を戦略に例えるならば、現在の状況や周辺の方々のインフラの被害状況等を把握することから始まるものだと思います。熊本地震の被害状況や、2回目、3回目の地震で亡くなられた方々のことを考えますと、正しい情報がどこの場所でも取得できることが必要だと思います。
そこで、同じく危機管理防災部長に2点お伺いいたします。
埼玉県では、大規模災害時における通信手段の確保として、Wi-Fiを整備することについてどのようにお考えでしょうか。
今回の地震等の災害が指定されたときに、公共機関が発する災害情報や避難指示等の連絡手段はどのようなものを想定しているのでしょうか。

A　槍田義之　危機管理防災部長

大規模災害時における通信手段の確保策としてWi-Fiを整備することについてでございます。
議員から御提案のありました、ソーラー発電設備の付いた照明灯にWi-Fiなど無線LAN機能を追加することは、平時には環境にやさしく、旅行者などへの観光振興施策としても優れていると考えます。
また、災害時にも有効と考えますが、一方で大規模災害発生時には、通信事業者が無線LANの無料開放を実施します。
先の熊本地震においても、事業者が地震発生後、無線LANの無料開放を行い、避難所にも移動アクセスポイントを設置しています。
本県でも大規模災害が発生した場合には、迅速に避難所などで無線LANの利用が可能となるよう大手通信事業者へ要請することとしております。
次に、災害情報や避難指示等の連絡手段についてでございます。
災害情報は住民にいち早く正確に伝えることが求められます。
伝達手段としては、防災行政無線、広報車による広報、緊急速報メール、ホームページへの掲載など様々な手段を活用することを想定しています。
また、速報性や効率性を考慮すると、テレビ放送やラジオ放送なども有効です。
このため、市町村長が行う避難指示等の情報や避難所開設情報を一つの操作でテレビ局などのメディアに一斉配信できる災害オペレーション支援システムを本年3月に整備いたしました。
去る5月17日にはメディア向け一斉配信の訓練を実施し、NHKやテレビ埼玉のデータ放送の画面に表示することができました。
今後とも防災情報をいち早く確実に伝え、県民の安心安全の確保に努めてまいります。

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。