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掲載日:2019年6月26日
Q 村岡正嗣議員(共産党)
北浦和公園内にある黒川紀章氏設計の埼玉県立近代美術館は、近現代美術を中心に自主企画に積極的で埼玉の作家を大事にする美術館と評判です。2013年には入館者700万人を達成し、昨年4月にリニューアルオープンしました。現在、第66回となる県展が開催されていますが、埼玉の県展は今や全国トップクラスと言われるほどです。
知事に伺います。全国に誇れる埼玉県立近代美術館の価値について、知事の評価をお答えください。
この3月、日本近代美術史にその名を残す明治の洋画家の106年ぶりの回顧展、原田直次郎展を見ましたが、その迫真の描写には圧倒されました。1万2,000人を超える方々が訪れたのもうなずけるところです。この原田直次郎展は、埼玉、神奈川、岡山、島根の4つの県立美術館による合同の全国巡回展で、一館ではこうした規模の美術展開催は困難です。公立美術館間でのネットワークがこれを可能にさせたのです。
そこで伺います。今後も、更にネットワークの拡充を図ることについて、ネットワーク形成には学芸員の存在が不可欠ですが、本県の学芸員は10人です。同規模県の神奈川県や愛知県の学芸員は15人です。学芸員の増員を図るべきです。教育長よりお答えください。
A 上田清司 知事
近代美術館は日本画家の橋本雅邦など埼玉ゆかりの作家から、モネ、ピカソなど海外の巨匠まで幅広く優れた美術作品を所蔵し活用することで県民が美術と出会う機会を提供しています。
また、著名な建築家であります黒川紀章が初めて手掛けた美術館として、建物を見るだけでもその価値が見いだせるとも言われています。
さらに、見て、触れて、美術と出会う目的から館内のあらゆるところに優れたデザインの椅子を配置し、観覧者が自由に座って楽しむことができる「椅子の美術館」としても全国で有名だと伺っております。
私も近代美術館において世界的な芸術家であります草間彌生さんの展覧会やピカソの陶芸展などを鑑賞し、独自の作風に大変感銘を覚えたこともございます。
また、全国最大規模の「県美術展覧会」をはじめ、工芸展や書道展など、県民主体の様々な展覧会が開催されており、私も時間の許す限り、拝見をしております。
どの展覧会も県民の熱意やひたむきさを肌で感じることができ、正に県民に根付いたすばらしい美術館であると認識しております。
このほか、美術館の規模は小さいですが、学芸員の知恵や工夫を生かし、他の美術館とのネットワークを駆使した企画展を毎年開催しております。
例えば、昨年度は全国の美術館や美術専門家と協力し、障害者アートの展覧会である「すごいぞ!これは!」を開催し、マスコミにも多く取り上げられ全国的にも注目されました。
これは、文化庁の「戦略的芸術文化創造推進事業」に全国から応募のあった73件中、採択を受けた27件の中でも、障害者アートの芸術性を高める先見的な取組として、大変高い評価を受けたものでもございます。
このように多彩な活動を展開している近代美術館は、県民が美術と出会い、新たな考え方や価値を発見する拠点施設として欠かせない存在だと考えております。
A 関根郁夫 教育長
公立美術館においては、全国の公立美術館143館が加盟する「美術館連絡協議会」という団体がございます。
議員お話の「原田直次郎展」は、この協議会に加盟する埼玉、神奈川、岡山、島根の4つの美術館による巡回展で、本県近代美術館が中心となって企画立案したものです。
また、今年度は「日本におけるキュビスム」という企画展を埼玉、鳥取、高知の3館が共同研究のうえ巡回することとなっております。
このような企画展の開催は、美術館同士、学芸員同士のネットワークにより実現した相互協力のよい例といえます。
学芸員を増員すべきとの御提案につきましては、教育局の定数削減を進めている中であり困難ではございますが、さらに近代美術館の価値を高められるよう努めてまいります。
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