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掲載日:2019年6月26日
Q 村岡正嗣議員(共産党)
アベノミクスの恩恵なんて全く感じられない、これが地域での圧倒的な声です。アベノミクス、消費税大増税路線の下、県内中小企業は厳しい経営を余儀なくされています。こうした中、安倍首相は消費税10パーセント増税の先送りを表明せざるを得ませんでした。自公政権によるアベノミクスの破綻は、もはや明白です。大企業は史上最高の利益、一方、労働者の実質賃金は5年連続マイナス、5パーセントも目減りです。個人消費は2年連続マイナスです。これは戦後初めての異常事態にほかなりません。国の経済政策をどう見るか、それは地方経済のかじ取りにも関わります。知事は、これまでアベノミクスについて評価できる点と評価しづらい点があるということを考えれば、本当の評価はこれからではないかと発言されてきました。もう結論は出ているのではないでしょうか。アベノミクスに対する知事の現在の評価をお示しください。
今、自公政権が決断すべきは最悪の不公平税制であり、個人消費を低迷させる消費税増税中止です。社会保障の財源は、大企業や高額所得者の応分の負担で賄うべきと指摘をしておきます。
さて、私は先般、日本一のものづくりのまち、東大阪市を訪問し、中小企業振興条例に基づいた中小企業支援策について学んできました。同市では、条例制定とともに中小企業振興会議を発足、その中にものづくり支援施策のあり方検討会など、更にきめ細かな体制を確立し、2014年に提言を行いました。同市の優れている点は、施策の根本に大規模な事業所アンケートを据えていることです。2007年に6,000社中3,770事業所を対象としたアンケートを皮切りに5年ごとにアンケートを実施、テーマを絞った事業承継アンケートなども5割を対象に実施しています。その結果、きめ細かい支援を打ち出しているのです。
本県では、5か年計画、埼玉県産業元気・雇用アップ戦略が策定中です。新戦略策定に当たって、四半期ごとに2,200事業所のアンケートを行っていますが、県内約25万の事業所に対して0.9パーセントに過ぎません。
産業労働部長に伺います。全事業所を視野とした実態調査となるよう、アンケートの対象を思い切って広げること、また、事業承継など個別のテーマを設けて実施することについて、更に埼玉県中小企業振興基本条例の具体化のための検討会議を設け、実態に即した提言を行うべきと考えます。戸田市などでは、振興会議を結成し、関係団体の意向を反映する努力をしています。以上、3点、答弁を求めます。
A 上田清司 知事
アベノミクスに関する評価についてでございます。
数値を追ってみますと、物価はデフレ脱却とはいかないもののプラス基調となり、GDPも直近の平成28年1月から3月期は実質年率換算で1.9%の伸びになっております。
失業者も平成27年は平成24年と比べて53万人減少し、失業率は4.1%から3.3%へ低下しております。
一方、労働者の賃金の上昇にはやや課題があります。平成27年度の物価変動の影響を除いた実質賃金は、前年と比べて0.1%減少し、5年連続で減っております。ご指摘のとおりです。
近年、就業者数が増えている福祉や介護の分野では、給与水準が低い状態にございます。
また、平成27年と平成24年とを比較して、正規労働者はほぼ横ばいでありますが、非正規労働者数は142万人増えております。
アベノミクスの大胆な金融緩和や機動的な財政政策は、一定の成果を挙げてきたものと思います。
しかし、アベノミクスの成功の可否は、構造改革によって経済を成長軌道に乗せていく「成長戦略」にあるのではないかと私は思っています。
民間投資を喚起し成長力を大きく底上げするには、中小企業の生産性を高める施策、また、より付加価値の高い産業へのシフト、先端産業の育成などが必要でございます。
このような政策は、2年や3年で成果を出せるものではないと思います。
従いまして、私は評価できる点と評価しづらい点があるという評価をしております。
A 立川吉朗 産業労働部長
「アンケートの対象を広げること」についてでございます。
県では、中小企業の経営状況を継続的に把握するため、四半期経営動向調査を実施しております。
中小企業の支援に当たっては、的確に課題を把握し、スピード感を持って取り組むことが大切でございます。
また、アンケート調査を補うため、職員が直接、企業を訪問して経営者の生の声を聴き、経営課題の把握を行っておるところでございます。
そのため、中小企業の業種のバランスに配慮しつつ、対象企業数を絞った調査としております。
なお、全事業所を対象とした調査である「経済センサス」をあわせて活用してまいります。
次に、「個別のテーマを設けて実施すること」についてでございます。
四半期経営動向調査は、景況感などの項目のほか、御指摘の事業承継や人手不足の状況など、毎回必要なテーマを設定して実施しております。
今後もこの調査を通じて経営環境の変化による影響やその時々の課題への対応状況を把握し、中小企業の支援に努めてまいります。
最後に、「検討会議を設け、実態に即した提言を行うべき」についてでございます。
施策の実施に当たっては、日頃から関係団体との意見交換などにより、中小企業の課題やニーズの把握に努めております。
また、商工会議所、商工会の経営指導員による巡回指導などを通じて適切な支援を行っております。
県では、こうした様々な機会を通じて関係団体の意見を伺っていることから、新たに検討会議を設置する必要性は低いものと考えております。
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