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掲載日:2019年6月26日

平成28年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(村岡正嗣議員)

だれもが安心できる介護保険制度について 

Q 村岡正嗣議員(共産党

安倍自公政権は、増え続ける社会保障費を抑制するために、軽度者の介護保険制度からの切り離しや特養の軽度者締め出しをはじめ、様々な制度改悪を実施しました。その結果、高齢者の中に保険あって介護なしという状況が急速に広がっています。国が高齢者いじめを推し進める中、地方自治体が県民の命と暮らしを守る防波堤として全力を尽くすことが求められていると強く指摘するものです。
そこで、以下、福祉部長へ質問いたします。
今、埼玉県内の介護保険料は平均4,835円、15年余りで約1.8倍となっています。政府は、2025年に全国平均で8,200円にまで保険料が引き上がるとの見通しを示しています。このような負担の限度を超えた保険料を背景に厚労省の調査では、介護保険料を滞納し、市区町村から資産の差押え決定を受けた65歳以上の高齢者は2014年度に初めて1万人を超えたことが明らかになりました。埼玉県では、15市町で173人に上ると伺いました。
そこで、まず介護保険料滞納による差押えの実態について、県はどのように把握しているのか説明を求めます。
また、昨年4月からは年収280万円以上の介護サービス利用者の負担が2割に引き上げられました。そのため、要介護5の80歳の男性では2万7,000円余りの利用料が5万6,000円となって、訪問看護を60分から30分に変更せざるを得なくなったと聞きました。余りの負担の重さに、介護保険料では3分の2の市町村が、利用料では9割が独自減免制度を設けざるを得なくなっているのが現状です。県としても助成制度を創設し、減免制度を実施している市町村を応援すべきと考えますがどうか。また、国に対しては2割負担の利用料を1割に戻すよう強く働き掛けるべきと考えますが、お答えください。
さらに、次の問題は介護施設の職員確保が本当に難しくなっていることです。こうしたとき、新座市の老人保健施設が65歳以上の労働者について、自動的に社会保険の事業主負担分を給与から天引きしていたとして、労基署の指導で過去の天引き分を労働者に返還したという報道がありました。高齢労働者からの訴えで、県が特別監査に入ったことから、労基署が行政指導に踏み切りました。介護施設では、このような労働法違反が絶えません。
さて、私は川口市内の特別養護老人ホームや介護老人保健施設を先日視察しましたが、新規採用ができても退職者が多く、いつでも人員不足と聞きました。原因の一つとして、特に特養が原則要介護3以上とされ、重度化、高齢化し、みとりプランへの移行も増え、職員の過重労働に拍車がかかっていることです。ある施設長さんは、若い職員にとってはみとりは精神的にきつい。特に夜勤は、いつみとりの人が亡くなるか分からない。その不安やプレッシャーは大きい。入居して一か月以内で亡くなる人もいると、介護職の苦労を語っていましたが、人材の定着には、その苦労に見合った賃金が保障されるべきです。現状は、介護職員の平均月給は24万円余りに過ぎず、全産業平均と比べていまだに8万6,000円もの差があります。国は、介護労働者の処遇改善を声高に打ちだしておりますが、改善には程遠い現状です。
そこで、介護報酬の処遇改善加算ですが、看護職や調理師、運転手などは対象外とされております。その改善については、県も国へ要望を行っていますが、実現していません。引き続き国に強く申し入れていただきたい。また、かつて県が実施していた民間社会福祉施設等職員処遇改善費ですが、高齢者・障害者施設、保育施設などの職員に定額を県が給付し、確実に全ての職員に届くとして大変喜ばれた優れた制度でした。今こそこの制度を復活させるべきです。以上、答弁を求めます。

A 田島 浩 福祉部長

介護保険料滞納による差押えの実態についてでございます。
県内で差押えの決定を受けた方は、平成26年度では15市町、173人で、市町村民税が課税されている世帯の方がほとんどでございます。
次に、県として助成制度を創設し、減免を実施している市町村を応援することについてでございます。
介護保険の減免につきましては、保険者である市町村が主体的に行うものですので、県による助成制度の創設は困難であると考えております。
次に、利用料の2割負担を1割負担に戻すことについてでございます。
介護保険制度を持続可能なものとするためにも、高齢者も収入に応じた負担が必要と考えておりますので、1割負担に戻すよう国へ働き掛けることは考えておりません。
次に、介護報酬の処遇改善加算の対象職種拡大を国に申し入れることについてでございますが、今後とも引き続き国に対して要望してまいります。
最後に、かつて県が実施していた民間社会福祉施設等職員処遇改善費を復活させることについてでございます。
この事業は、介護保険制度等の導入により福祉サービスの利用が行政が決定する方式から利用者と施設が契約する形に変わったことなどから、平成16年度をもって廃止したものでございます。事業の復活は困難であると考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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