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掲載日:2025年7月8日
Q 松井弘 議員(自民)
国の大気汚染防止法の改正により、令和3年4月から段階的に規制強化が行われ、令和4年度から施行している石綿を含む建材の有無を確認する事前調査結果の報告が始まりました。
石綿による健康被害が注目されるようになり、懸念されることは分かります。私も建設に関わる事業主でありますから、この問題は重要なことだと認識しています。
しかし、目まぐるしく社会情勢の変化がある中で、中小零細企業において厳しいことだらけであります。資材の高騰、人手不足などによる倒産件数も、建設業がトップであります。そこに石綿事前調査結果報告という新たな業務が加わり、仲間からも「業務に対して圧迫している」との声を聞きます。
県ではアスベスト対策として補助制度がありますが、アスベストの含有調査に対する補助額は1検体当たり8万円、かつ1棟当たり25万円でありますが、対象は石綿含有のおそれのある吹きつけ材に限ります。また、除去等工事に対しても、延べ床面積による制限があります。
事前調査において規模の大きな特定建築物では、アスベストの吹きつけ材などは書面確認と目視で分かりますが、内装使用材料などの石綿含有の調査は大変な作業になります。特に補助対象にならない1,000平米未満の共同住宅などでは、調査するだけでも莫大な日数と費用がかさみます。特に中小零細企業においては、解体工事で80平米、リフォーム工事や改修工事では100万円以上の工事が事前調査結果報告書の提出対象です。
過去の質問でお願いをしましたが、担当部局から事前調査結果報告書の必要性が届いているようには感じています。しかし、新たに分かったことは、そのリフォーム工事や改修工事で発生した少量のアスベストが含有している産業廃棄物の処分費です。処分業者も少なく、含有材料の書類提出など、そしてアスベストの含有材料の処分代金は高額です。場合によっては聞き取りできないこともあります。
令和4年度の一般質問で、調査・除去費用の補助について質問をさせていただきました。答弁では、「国の審議会における提言を受け、社会的リスクの大きい不特定多数の者が利用する建築物について、優先的に対応する必要がある」という答弁を頂きました。
健康被害につながるおそれがあることから理解はできます。また、補助対象拡大の提案もさせてもらいましたが、「令和7年度までの期限が延長された国の補助を活用し着実に進めたい」とありました。
そこで、現在までの補助実績など対策がどこまで進んでいるのか。また、改めて補助対象の拡大を含め、今後の対応をどのように行うのか、都市整備部長に伺います。
A 伊田恒弘 都市整備部長
まず、現在までの補助実績など、対策がどこまで進んでいるのかについてでございます。
アスベスト含有吹付け材は、経年劣化や損傷などによって飛散し、健康被害につながる恐れがあることから、県では、民間建築物における含有調査及び除去等の対策工事に対して補助を行っています。
含有調査は用途や規模に関わらず全ての建築物を対象に、対策工事は延べ面積1,000平方メートル以上の全ての建築物のほか、不特定多数の方が訪れる集会場や物販店舗などを対象としています。
令和6年度までの16年間で含有調査は97件で657万円、除去など対策工事は25件で1億1,865万円、合計122件で1億2,522万円を補助しています。
これらの取組により、対策工事の対象となる建築物5,213棟のうち、吹付け材にアスベストが含まれていないことの確認や除去工事などが行われ、5,154棟が対策済みとなっており、残り59棟となっております。
次に、補助対象の拡大を含め、今後の対応をどのように行うのかについてでございます。
アスベスト対策については、社会的リスクの大きい大規模な建築物や集会場、物販店舗などの不特定多数の者が利用する建築物を優先に取り組み、健康リスクを軽減していくことが重要であると考えております。
このため、補助対象の拡大については、対策の進捗状況や国の動向などを踏まえ、今後、検討してまいりますが、まずは、現行の補助制度を維持し、不特定多数の者が利用する建築物を優先にアスベスト対策を進めてまいります。
具体的には、今後、残る物件の建物所有者を職員が直接訪問し、含有調査の実施を要請するとともに、補助制度の活用を促すなど、アスベスト対策が確実に、早期に完了するよう取り組んでまいります。
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