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掲載日:2024年4月3日

令和6年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

流域治水への取組について

Q 蒲生徳明 議員(公明)

地球温暖化などの影響で、豪雨や台風による水害が頻発化・激甚化しています。公明党は、防災・減災の重要性を一貫して主張してきました。とりわけ水害への備えとして、流域全体であらゆる関係者が協議をし治水対策を行う、流域治水の更なる加速化を訴えています。今後、近年の水害の教訓を踏まえ、これまで以上に官と民、国と地方がしっかり協力する体制づくりが重要で、従来の河川管理者らによる治水に加え、地域全体で取り組む流域治水への抜本的見直しが必要と考えます。
そこで、今後、県として流域治水をどのように展開していくのか、知事に伺います。
次に、流域治水の自分事化について伺います。
流域治水の自分事化とは、住民や企業などが自らの水害リスクを認識し、自分事として捉え、当事者意識を持って主体的に行動することです。
国では、住民や民間企業等のあらゆる関係者が流域治水を持続的・効果的に進めるための施策を検討するために、令和5年4月、水害リスクを自分事化し、流域治水に取り組む主体を増やす流域治水の自分事化検討会を設置しました。この行動計画では、まず自分自身に関わる水害リスクを知ることが自分事化の第一歩であり、例えば自分の住む地域の浸水頻度を示した水害リスクマップを活用し、水害のリスクを知ることもその一つです。
さらに、水害リスクの低いエリアへ住居等を誘導するなど住み方を工夫することは、流域治水の取組の一つとして重要であり、自分事化により、この取組が前進すると期待しています。そのため、行政は水害リスクマップなど住民等の主体的な行動に役立つ情報提供など、流域治水の普及啓発に積極的に取り組み、自分事化を後押しする必要があると考えます。
このように流域治水の自分事化は、その効果をより高めるためにも必要と考えますが、自分事化を踏まえた本県の取組について、知事に伺います。

A 大野元裕 知事

昨今、毎年のように水災害が発生する現状を踏まえますと、災害は想定しないところで起きる、我々の想定を超えるような時代になっております。
このため、流域の防災・減災にあらゆる関係者が協働しハード・ソフト両面で取り組む「流域治水」を、本格的に実践する必要があると思います。
ハード対策については、まず河川管理者として河道や調節池などの整備を加速化してまいります。
加えて、様々な関係者と連携し、学校の校庭や住宅敷地等に降った雨水を一時的に貯留又は地中に浸透させる施設の整備を進めてまいります。
ソフト対策については、県民への円滑な情報発信を行うとともに、多くの県民の迅速な避難行動の実現に向けて洪水予報河川の拡大等に取り組んでまいります。
例えば、令和5年6月の大雨により大規模な浸水被害のあった中川・綾瀬川流域の県南東部において、流域治水を加速化し、概ね5か年で浸水被害の大幅な軽減を図るため、草加市など流域の6市1町と国、県が連携して、2月5日に「中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト(案)」を公表いたしました。
このプロジェクトの実施に当たっては、中川・綾瀬川流域の河川を「特定都市河川」に指定し、国の予算の重点措置による事業の加速化や、雨水貯留浸透施設の整備促進などの法的枠組みを活用して、流域治水をより強力に推進し、浸水被害の防止・軽減を図ることとしております。
今後とも、県民の生命、財産を守るため、流域治水の取組を加速化し、更なる県土の強靭化と安心・安全の確保に努めてまいります。
次に、流域治水の「自分事化」についてであります。
流域治水の目指すところは、流域のあらゆる関係者が一丸となって対策を進めていくことであり、そのための機運醸成が流域治水成功のカギを握ると私はかねてから申し上げており、私の考えは国がまとめた自分事化と同じであります。
これまでも県では、県民自らが主体的に行動するよう、避難にも役立つ浸水想定区域図の公表、水位計や河川監視カメラの更なる増設などを行い、リスク情報等を発信してまいりました。
さらに、令和6年度には、全ての県管理河川において、床上浸水相当など被害規模別に浸水頻度の範囲を示した、議員御指摘の水害リスクマップについても公表をし、住まい方の工夫等を促進してまいります。また、これまでも流域治水に対する理解を深め、防災意識の向上が図られるよう講演会やパネル展による啓発活動を行っており、私自らもシンポジウムなどにおいて県民の皆様に直接発信することにより、流域治水の更なる機運醸成に向け取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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