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掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(武田和浩議員)

弾道ミサイルの落下に備えたシェルターの整備について

Q 武田和浩 議員(民主フォーラム)

昨年から頻繁に弾道ミサイルの発射が繰り返されており、国民の不安感が増大しています。
内閣官房の国民保護ポータルサイトによると、弾道ミサイルは、発射から10分もしないうちに到達する可能性があるとされています。この弾道ミサイルに対して、同サイトは、個人レベルでの対策として、できれば近くの頑丈な建物の物陰に隠れ、地面に姿勢を低くして伏して頭部を守る。窓から離れるか、窓のない部屋に移動すると述べており、これは地震発生時の対応と同じ行動であります。
しかし、発射実験が行われているミサイルであれば、発射から日本に着弾するまでの時間は約5分とされ、Jアラートが出てからは約1から3分とも言われています。
国民保護ポータルサイトには避難施設が掲載されており、万が一のときの施設一覧が地図上に示され、分かりやすい内容となっていますが、掲載されている施設は、地震などの災害時の避難所とほとんど同じであり、学校施設が中心となっています。平日の日中に弾道ミサイルが発射されたのであれば有効な避難施設となり得ますが、夜間や休日は施設が施錠されているため、建物内に逃げ込むことは困難を極めると思います。
また、耐震化はされているものの、爆風等に対して効果があるかどうかは不安がある避難施設もあるのではないかと思います。
県民の命と暮らしを守るためには、ミサイルシェルターなどの整備の検討を進める時期に来ているのではないかと考えます。知事の御見解を伺います。

A 大野元裕 知事

国民保護法における地方公共団体の事務は法定受託事務であり、シェルターの整備は、国がその方針を定め、全国統一的な対応を行うべきと考えています。
他方で、北朝鮮からの弾道ミサイルの場合、発射地点にもよりますが、着弾まで約4分とされ、緊急一時避難施設やシェルターに避難することは極めて困難であります。
イスラエル国民は武力紛争やテロ等への切迫感が強く、ミサイル着弾時の訓練を繰り返しており、1991年の湾岸戦争では、イスラエルに39発のイラクのスカッド系ミサイルが着弾をいたしましたが、イスラエル国民は建物への避難が困難であっても、物陰に身を隠したり、地面に伏せて頭部を守るなどの避難行動をとったために、ミサイルによる直接の死者はわずか2名でありました。
これは、頑丈な建物やシェルターに逃げ込むよりも、短い時間でも可能な選択肢を検討し、適切な避難行動をとる方が命を守るために重要であることを示していると思います。
こうした事例も参考に、県内にJアラートが発出された場合の県職員がとるべき行動を定め、いざという時の迅速な対応の徹底を図るとともに、埼玉版FEMAにおいても関係機関と連携して適切な行動をとるためのシナリオ作りに努めてまいります。
また、県民の皆様には、自らの命を救うための適切な避難行動について、県ホームページや、あるいは市町村による情報発信などで周知を図っております。
県といたしましては、シェルター整備も含めた避難措置等の在り方の検討を国に要望するとともに、避難施設等の有無にかかわらず、可能な避難行動の啓発に引き続き努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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