トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年2月定例会 > 令和2年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 3月3日(火曜日) > 木下博信(自民) > 令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木下博信議員)
ここから本文です。
ページ番号:174494
掲載日:2020年3月31日
Q 木下博信 議員(自民)
埼玉県民としてのアイデンティティ、必要だとお考えですか。調査によって違いますが、埼玉県の郷土愛は全国最下位、もしくはワースト3が定位置です。アイデンティティが必要だと考えると、「これは悪いこと、誇りやふるさと意識を育む事業を考えて実行しなければ」となります。
一方で、県としてのアイデンティティは不要と考えると、別に問題はなく、市町村が豊かで活力あれば、それで良いということになります。そもそも信州・越後・薩摩や長州など、江戸時代からあったようなくくりから埼玉県があるわけではありません。明治維新以降に大宮県・川越県・忍県・岩槻県などができ、更に群馬の一部と成立した熊谷県、それを再編統合してできたのが埼玉県です。
つまり、当時の政策で人工的に引いたくくりであって、歴史的・文化的な価値や共同体意識から生まれるアイデンティティは、あろうはずもありません。その歴史的な背景があるからこそ、「川越市民だ」「熊谷市民だ」「秩父市民だ」「草加市民だ」「川口市民だ」というアイデンティティは、結構熱く存在しています。
どうでしょうか、埼玉県民意識などというものは置いて、市町村民としての誇りを持ってもらえれば、何も問題ないんではないでしょうか。政府が当時の都合でつくった、あくまで広域行政の単位が埼玉県なのです。県民意識の醸成や誇りにつながるような事業は放っておいて、広域行政体としての役割に徹してしまって十分というより、そういう仕事に専念すべきだと考えます。いかがでしょうか。
そもそも「飛んで埼玉」がディスられている埼玉県で大ヒットして、さきの地上波放映でも埼玉県の視聴率が他地域の倍以上だったというような現象は、「埼玉県」というくくりに愛着はないけれど、そこをいじられて「そうそう」と楽しめるからヒットした側面がある気がします。そういう埼玉だからこそ他県と違い、県としての役割を明確化・簡素化し、本来やるべき事業に集中できるのはメリットであると考えます。いかがでしょうか。
メリットがあるとお考えになるのであれば、大野知事としての執行体制を築いていく中で、埼玉県としてアイデンティティを求めることが必要かどうかという視点から、県の事業を再点検してみることについてどのように考えられるか、お考えをお聞かせください。
A 大野元裕 知事
アイデンティティー、すなわち、自身がどこに帰属意識を持つかについては、誰かから与えられるものではなく、自分自身の経験や考えなどの中から自ずと生まれてくると考えます。
一方、県という行政主体は、県民がより豊かで幸せになるよう広域的行政サービスを提供するものであると考えています。
アイデンティティーが強いか弱いかに基づくのではなく、埼玉県に居住する全ての県民の命と財産を守り、経済を活性化させ県民生活をいかにより良くしていくかが、知事としての責務であると考えます。
こうした取組の結果として、県民の郷土への帰属意識や愛着、いわゆる県民のアイデンティティーが高まるものと認識しており、アイデンティティーの強さ弱さではなく、埼玉県に居住する県民の皆様にとっての豊かさ、幸せを追求するためにアイデンティティーが役に立つのであれば、しっかりとそれを使わせていただきたいと思っています。
国・都道府県・市町村はそれぞれ役割があり、県としてその業務に注力すべきということは議員御指摘のとおりだと思います。
広域行政体としての県の役割は、個々の市町村では難しい雇用政策、観光、広域交通などにもあると考えています。
また、先進的な市町村などの取組を支援し実現化していくことや、基礎的自治体の範囲を超えて効果的・効率的に取組を実施することも、県に求められている役割であると考えます。
例えば、埼玉版ネウボラでは、和光市のような産前産後の手厚い支援の実例を参考にしながら、各地域の実情に応じた市町村の取組を支援し、「子育て世代包括支援センター」の全県展開を図っております。
また、令和2年度に新たに取り組む「渋沢栄一翁を軸とした観光振興」では、深谷市が地元で観光客の受け入れを担い、県は渋沢栄一、荻野吟子、塙保己一の三偉人をテーマとした広域的な観光振興を進めたいと思っています。
県としての広域的な役割を認識した上で、国や市町村と連携・協力をしながら、県政を運営してまいりたいと思います。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください