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掲載日:2021年9月22日

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NHK大河ドラマ主人公 渋沢栄一の活躍を今に伝える県境の魅力めぐりその6 読者プレゼント

 埼玉県の最北端・本庄児玉地域は、通勤・通学、通院、買い物など日常的に群馬県との県境を行き来し、県北にあって熊谷市や深谷市などとは異なる生活圏を形成しています。

この県境にまたがる地域は、令和3年のNHK大河ドラマの主人公渋沢栄一や、2021年に没後200周年を迎える盲目の国学者・塙保己一をはじめ各分野で活躍する多くの先人たちを輩出しており、我が国の成長を支えた産業遺産も数多く点在する地域です。

この特集は、東京国際大学非常勤講師・NPO川越きもの散歩代表の藤井美登利氏に取材、執筆をお願いし、地域の皆様にご登場頂きながら進めてまいります。

当時の時代背景や、渋沢栄一と絹産業にまつわるお話など、写真やエピソードを挿み分かりやすくお伝えし、こちらにお出かけの際に参考となるよう周辺施設のご案内も併せてしていきます。

fujiisan

藤井美登利氏

東京国際大学非常勤講師・NPO川越きもの散歩代表 埼玉県共助仕掛人

https://kawagoe-kimono.jimdofree.com/

https://silk-story.jimdofree.com/(絹のものがたり)

さいたま絹文化研究会(秩父神社・高麗神社・川越氷川神社)会報誌発行。埼玉県内の染織工房や絹文化とまちづくりを紹介する単行本「埼玉きもの散歩」をさきたま出版会より上梓。

栄一ロゴ青

その6 繭で栄えたまち・本庄を歩く① 創業460年「戸谷八商店」15代目に聞く~戸谷八郎左衛門と渋沢栄一~(本庄市)

このシリーズは、埼玉県北部及び群馬県境のエリアに残る、渋沢栄一ゆかりの人やものを掘り起こすことを目的に取材を続けています。読者の皆様からの情報提供も大歓迎です。

今回は渋沢栄一の書があるとお聞きし、中山道本庄宿で460年間、同じ場所で陶磁器の店舗を構える「戸谷八商店」を訪問しました。驚くことに、永禄3年(1560)創業、埼玉県で最古の企業として東京商工リサーチに認定されています。永禄3年とは、織田信長の「桶狭間の戦い」があった年です。いったいどんな歴史が眠っているのか、渋沢栄一ゆかりの書もあるということで、どきどきしながら15代目戸谷充宏さんをお訪ねしました。

戸谷八外観

旧中山道・本庄市中央にある戸谷八商店。

店舗の間口と奥行きは江戸時代から変わらず、安政時代の蔵や井戸も当時のままの姿を伝えています。かつて隣には参勤交代の大名が泊まる本陣がありました。

 

戸谷八と蔵

 

「戸谷家は、元々は新田義貞の家臣で利根川水系に複数の拠点をもつ廻船問屋でした。1560年に世良田村(せらだむら)(群馬県太田市)から同じく新田家臣の末裔たち『花の木十八軒』と呼ばれる人たちと共に本庄宿の開発に従事しました。その中には秩父セメントを創業した諸井家も含まれています。戸谷家は草分けの名主として、神社仏閣の招聘や本庄宿の整備に関わり、その後、陶磁器や砂糖、小麦などの問屋を始めます。陶磁器は、現在の愛知県の瀬戸地方より利根川を使い仕入れていました。」 と戸谷充宏さん。

戸谷八店内

店舗は明治11年築。江戸時代、陶磁器は最先端技術を要する高級品でした。

江戸時代の木箱

蔵に残されている江戸時代の木箱。利根川舟運で陶磁器を運ぶ際に使ったもの。

離れの藤井氏と戸谷さん

「戸谷八」15代目の戸谷充宏さんと筆者(藤井)

夏のしつらえ

明治30年代に建てられた離れにてお話しを伺いました。いまは貴重な繊細な夏の建具が見事です。中庭に面し、心地よい風が通ります。

番付

幕末の豪商番付表。分家の中屋半兵衛ら本庄商人たちが多々います。

 

本庄の近代化に尽力・白髭のおじいさん 戸谷八 11代目

戸谷八11代目

戸谷八11代目 戸谷八郎左衛門(嘉永3年―大正11年)

 

「戸谷八」は明治以降、陶磁器販売も行いながら、銀行、生糸、繭、鉄道などの事業に関わっていきます。

「11代目・12代目の事業展開をみると、渋沢栄一翁の影響を強く受けていると思います。明治27年に本庄商業銀行を諸井孝次郎らと共に設立します。諸井家は渋沢家と親戚で、富岡製糸場への繭の納入を担当していました。本庄は繭市場で栄えていたので、繭糸商に資金を融資する銀行が必要になりました。11代目も製糸場や繭市場を設立しています。栄一翁は、地域の産業を振興するために銀行が必要だと確信し、全国に出向いてその設立に尽力していますね」と戸谷さん。

本庄銀行

本庄商業銀行の写真。右から3人目が11代目戸谷八郎左衛門。

左の煉瓦の蔵は担保の繭を保存するために造られたもの。今も旧中山道の同じ場所に現存しています。栄一はパリから帰国後に大蔵省に入り、「国立銀行条例」を制定します。退官後は第一国立銀行の頭取になり、全国で約40もの銀行の設立に尽力します。「銀行の父」「日本資本主義の父」と呼ばれる所以です。

戸谷八煙突

戸谷八工業部では土管を製造。特許も取得していました。

 

 

タクシー

タクシー会社も経営しました。

「11代目は明治44年に戸谷工業部を設立し、瓦や土管の製造も始めます。タクシー会社や製菓会社、繭市場など10以上の会社を設立し、県立高校への寄付や交番の設置などの社会貢献も行っています。12代目戸谷間四郎は本庄、伊勢崎間の鉄道事業も構想していました。織物や絹産業がさかんな地点を結ぶシルク鉄道といえますね。十間道路や坂東大橋の開通に貢献しましたが、鉄道は実現はしませんでした。十間道路には12代目の顕彰碑が残っています。」

12代顕彰碑

十間道路にある戸谷間四郎の顕彰碑(本庄市東台2-1-10 )

渋沢栄一と戸谷八

藤井さんと戸谷さん

渋沢栄一の書の前で15代目と著者

中庭をのぞむ客間には栄一翁の書が掲げられていました。

「春水満四澤(しゅんすいしたくにみつ)」(春になって雪解けの水が四方の沢に満ち、どの川も悠々と流れている。おおらかで穏やかな水は、天地を潤し五穀豊穣をもたらす目出たい前兆が感じられるという内容)中国の詩人、陶淵明の漢詩「四時歌(しいじか)」よりとったものです。栄一翁は陶淵明の漢詩を好んだようで、飛鳥山の本宅や離れの名前も、その作品からとっています。

「残念ながら、どのようないきさつでこの書を11代目が栄一翁に書いてもらったのかは伝わっていません。本庄商業銀行を一緒に設立した諸井家と栄一翁は親戚だったので、そのつながりで頂いたのだと思います。11代目は、栄一翁と諸井恒平、本多清六博士が設立した埼玉の若者を支援する『埼玉学生誘液会』にも評議員として関わっています。栄一翁より10歳年下でしたが、本庄での戸谷八の事業展開をみると、栄一翁の影響を強く受けているように感じます。利益を独占するのではなく、ネットワークを大事にし、公益の視点で町全体が良くなっていくことを考えていたと思います。長い歴史の中では事業の縮小、整理、転換もあり、その都度乗り越えてきました。今後も戸谷八のHPを活用して、本庄宿の先人たちの取り組みや歴史を多くの方に知ってもらいたいと、日々勉強をしています。」と語ってくださいました。

訪問を終えて・・・

埼玉県で最古の企業が本庄市にあるとは!江戸時代から愛知県の瀬戸地方から陶磁器を仕入れていたとはまさしく、「瀬戸物」の語源を強く感じた次第です。「瀬戸物」の販売は戸谷家の女性の仕事だったとのこと。当主は銀行、工場、鉄道など本庄の近代化をすすめる事業や社会貢献に関わっていました。明治の日本には、渋沢栄一をロールモデルとした「戸谷八」のような人たちが各地に沢山いたことでしょう。この記事を読まれた方の住む地域にもきっといたはずです。

家訓は「自主独立」と「連携」という「戸谷八」460年の波乱に富んだ歴史の続きは、ぜひ15代目戸谷充宏さんによる「戸谷八」HP(別ウィンドウで開きます)をご覧ください。そして、機会があればぜひ店舗を訪れてみてください。歴史好きの15代目とお会いできるかもしれません。

有限会社戸谷八商店 陶磁器販売・不動産賃貸 本庄市中央1-7-21 TEL090-3107-8770

営業時間 10:00~18:30 定休日:水・日・祝日

(文責・NPO川越きもの散歩・さいたま絹文化研究会 藤井美登利)

*本文・画像の無断転載はご遠慮ください。

本庄まちあるき レトロな洋館を発見!

旧本庄警察署外観

旧本庄警察署 (埼玉県指定文化財)

戸谷八商店から中山道を一本裏に入ると、横浜の西洋館のようなレトロな建物が目にはいります。明治16年に本庄警察署として建てられた建物です。長らく歴史民俗資料館として活用されてきましたが現在は閉館し、新たな活用が検討されています。埼玉県内でも、明治10年代の洋風建築は大変少なく貴重な建物です。

旧本庄警察署と藤井さん

門の外から見学ができます。

本庄土産はテラスバで!

本庄駅南口複合施設3階にはカフェ、スタジオ、インフォメーションセンターなどを併設した「テラスバ本庄」(別ウィンドウで開きます)があります。

テラスバインフォ

インフォメーションセンター

営業時間は9時~21時 地元の和洋菓子や加工食品、本庄絣などの名産品、本庄市のマスコットキャラクター「はにぽん」グッズもそろっています。市内の各種観光案内パンフレットやウーキングマップも取りそろえていますので、是非足をお運びください。

マロン

ミニレポートでも紹介したお店のお菓子も購入できます。

はにぽんをモチーフにしたかわいいお菓子もたくさん。

 

 

 

本庄紬

本庄絣のスカーフやネクタイ

和菓子

羊羹や最中やおせんべいなど和菓子も人気。予約すれば生菓子も購入できます。

達磨

日本神社の青いだるま。サイズもたくさん。

カフェ×テラスバ

営業時間は8時~22時(注:感染予防対策のため営業時間が変更されている場合があります。)定休日は日曜日・年末年始です。

カフェ

カフェ看板

ドリンクメニューも豊富です!色とりどりのクリームソーダ。インスタグラム(別ウィンドウで開きます)でも情報発信中。

読者プレゼント

5名の方に本庄市のマスコットキャラクター「はにぽん」の手ぬぐいをプレゼントいたします。(色はお任せください。)氏名・住所・メールアドレス、はにぽん手ぬぐい希望と記入の上、この連載の感想も是非添えていただき、u241110@pref.saitama.lg.jpあて9月30日(木)までにメールでご応募ください。応募多数の場合は抽選になります。発送をもって当選発表とさせていただきます。

手ぬぐい5色

青てぬぐい

テラスバ手ぬぐい

手ぬぐいはテラスバ本庄でも購入できます。

 


その1 農村ミュージアム「かねもとぐら」(本庄市児玉)

~「論語と算盤」がバイブル 高窓の里に生きる渋沢の精神と世界遺産とのつながり~

高窓の写真

その2 世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」「田島弥平旧宅」 

140年前に島村からイタリアへ! ~渋沢栄一の養蚕人脈をたどる~

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その3 旧渋沢邸「中の家」渋沢栄一生誕の地

深谷市指定文化財・埼玉県指定旧跡(深谷市)

中の家

 

その4 渋沢栄一論語の師・尾高惇忠と桃井可堂郷土史料館(深谷市)

 

尾高家

その5 渋沢栄一の養蚕人脈 飯島曽野(その)(深谷市)
~宮中御養蚕へご奉仕した埼玉県の女性~

飯島本陣

その7  繭で栄えたまち・本庄を歩く②
渋沢栄一ゆかりの旧家諸井家と明治の郵便(本庄市)

諸井家住宅

お問い合わせ

企画財政部 北部地域振興センター 本庄事務所  

郵便番号367-0026 埼玉県本庄市朝日町一丁目4番6号 埼玉県本庄地方庁舎1階

ファックス:0495-22-6500

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