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掲載日:2026年9月17日
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NPO法人ヒールアップハウスは、川口市精神障がい者家族の会「わかば会」の、同じ障がいで苦しむ人たちの力になりたいという思いから生まれました。ノーマライゼーションの理念のもと、精神障がいのある人が安心して地域で暮らし、社会参加や就労を実現できる地域づくりを目指して、平成18年に設立されました。
就労継続支援B型事業・就労定着支援事業「晴れ晴れ」、就労継続支援B型事業「にちにち」、地域活動支援センターⅢ型「のびのび」、特定相談支援事業「ひらひら」を運営しています。
今回は、川口市内で焼菓子「ベーゴマクッキー」の製造販売を行う「晴れ晴れ」を訪問しました。
「晴れ晴れ」は、障がいのある方々がお菓子づくりの仕事を通してはたらく一歩を踏み出すことを支援しています。
「ベーゴマクッキー」は、地域とつながるものを取り入れたいとの思いから、埼玉県産の小麦と米粉を使用し、川口の鋳物職人による特製金型を用いて製造されています。ベーゴマ原寸大サイズのかわいらしいクッキーです。

黒い外観の建物の中に入ると、白を基調とした明るく開放的な空間が広がっています。これには、人間も見た目と中身は違うことを表現したいとの思いが込められています。土間の先には様々なデザインの椅子が置かれた多目的室があります。人もそれぞれ個性があり、個性ある人々が同じ空間で共生していることが表現されています。珪藻土の壁は、建築途中に地域住民も参加して一緒に塗られました。「ここ私が塗ったのよ」と地域の方がふらりと立ち入るきっかけにもなっています。

作業室では利用者の方々が一生懸命クッキーの製造や箱詰め作業などに取り組んでいました。

「晴れ晴れ」では障がいを抱える方々が落ち着いて過ごし、「ここなら頑張れる、働きたい」と心から思える環境が整えられていました。 また、「晴れ晴れ」の建物、そこで製造されている「ベーゴマクッキー」には、「地域で暮らしたいから、地域のモノを大切に」という晴れ晴れの商品への想いが詰めこまれていました。
代表理事の石﨑様にお話を伺いました
「わかば会」設立当時は、精神障がいが福祉制度の枠外に置かれ、家族が孤立している状況でした。「わかば会」は、そんな精神障がい者の方を家族として持つ人々が、家族だけで悩みを抱え込むことなく、同じ悩みを共有する皆さんで集い支え合う場として生まれました。
「わかば会」では、「子どもたちが日中通う場所を作りたい」との願いから「小規模作業所」を開所し、皆さんが集まってお話をする場所を作りました。その後、障がいのある方たちの「働きたい」という本質的な願いから、規則正しく稼働する「就労支援の場」としての現在の形に転換しました。
転換当初は、皆さんとの間に「働く」ことのイメージにギャップがあったため、「働くとはどういうことか。」の認識のすり合わせを1年がかりで行いました。そのすり合わせの中で、皆さんがこの地域で暮らしていきたいと思っていることを改めて確信しました。「ベーゴマクッキー」は、そんな「晴れ晴れ」と地域の接点を結ぶものとして考え生まれたものです。
法人格となったことで、地域の皆様からの信用と信頼を得ることができたことです。
助成金も受けられるようになり、活動の枠や幅が広がり、いろいろな夢が描けるようになったと感じています。
現在の「晴れ晴れ」の建物が「建つ」と決まったことです。
私自身、川口市に何の地縁もなかったため、この建物を建てるまでには資金の融資や土地の問題など、非常に大きな苦労がありました。
そんな中、「晴れ晴れ」の皆さんの「ベーゴマクッキーを作り、売り続けて、地域のために貢献したい」という想いが伝わって、地域の皆様の信用を得て、この建物を建てることが決まったときは何よりも嬉しかったです。感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。ここはたくさんの方の信用が詰まっていますので、この場所をずっと大切にしていきたいです。
今後、私たちの居場所を作ってくださった地域の皆さんに恩返しをしていけたらと思っています。
年間2~3名が一般企業へ就職しています。
「晴れ晴れ」では、働くことを諦めないでほしいという方針があります。本人が「働きたい」と思うタイミングを待ち、本人が「働きたい」と思った時に一歩踏み出せるための基礎体力を、日頃の作業を通じて引き上げることを目標としてます。
皆さんに健康な体を芯から作ってもらえるような食事を提供したいと考えています。
私自身「食べているものがその人の体を作る」と思っており「食生活」を重視しています。また災害時などに一番必要なのは「体力と気力」であり、その力をつけてもらうためにも「日々の食事」の大切さを伝えたいと思っています。
市内の空いている畑を活用して、自分たちの畑でお野菜を作り、それを皆さんに提供する食事の仕組みを、この場所から生み出せたらいいなと考えています。
畑で野菜を作って元気になり、それを美味しく食べて元気になり、作る側も食べる側も皆さんが健康になっていく…そうした「元気の輪」を地域に広げていきたいです。
地域連携を拡大していきたいです。
障がいだけの分野での活動ではなく、今後2040年問題に向け、地域が一丸となって、災害を乗り越えられるような、まちづくりに貢献していく活動を広げていきます。
障がいの分野では、就労支援や日中活動、相談支援、地域生活の支援をさらに充実させ、一人ひとりの希望やペースに合わせた事業を考えていきたいです。障がいのある方が、働くことだけではなく、地域活動を通じて、それぞれの力を発揮できる機会を広げていきます。
また地域の企業、行政、福祉関係機関、地域住民の皆さまとのつながりを深めながら、障がいの有無にかかわらず、誰もが安心して暮らし、役割を持って活躍できる「共成社会」の実現を目指します。
石﨑様、取材にご協力いただきありがとうございました。