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掲載日:2026年8月18日
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NPO法人スマイリングキッズバイ想根会は平成27年にNPO法人として設立され、川口市を中心に、学校、PTA、地域と協力し一体となり、児童が安心して勉強、スポーツ、芸術に打ち込める環境と場づくりを行うとともに、学校を中心とした温かい地域のコミュニティ作りに寄与することを目指し、日々活動しています。
今回は、令和8年4月に開催された「第15回 川口クマガイソウまつり」と、子どもたちの総合的な学習の時間にも深く連携している校内の「野草園&ビオトープ」を取材しました。
川口市立根岸小学校のシンボルであるクマガイソウを地域全体で見守り、校内に整備された豊かな自然環境(ビオトープや野草園)を広く知ってもらうことを目的として、開催されています。
クマガイソウはラン科の植物で、その膨らんだ形の唇弁(しんべん)が、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した武将、熊谷直実(くまがいなおざね)の付けていた防具「母衣(ほろ)」の形に似ていることから名付けられたと言われています。
学校の落ち着いた学習環境を大切に守りながら、クマガイソウや豊かな自然環境を静かに観察し散策を楽しむイベントです。

川口市立根岸小学校の北校舎裏手などに静かな野草園が整備されています。ここには、埼玉県内の自生地で100個体未満となった貴重なラン科植物の「クマガイソウ」が植えられています。かつては、根岸地域に広く自生しており、根岸小学校の校章のモチーフになるなど地域のシンボルとして多くの人に愛されていましたが、開発や環境の変化で一度は完全に姿を消してしまった歴史があります。この地元のシンボルを復活させようと、平成23年から地域住民や学校応援団の手によって大切に守られてきました。しかし近年は猛暑により非常に厳しい栽培環境が続いています。
今年は残念ながら花が咲かなかったクマガイソウエリアにて、厳しい気候変動に対応するための日よけ構造の改良といった、現在進められている猛暑対策について、詳しい説明をお伺いました。
こうした地道な手入れと試行錯誤により、別の栽培エリアでは、今年もその特徴的で愛らしい淡いピンク色の花が咲いていました。
また、野草園の近くには、動物や昆虫の名前がついた野草を集めた「植物園なんだけど動物園!」のコーナーが広がっています。ウラシマタロウが釣り糸を垂らしているような姿の「ウラシマソウ」や、マムシのような斑点模様を持つ「マムシグサ」など、ユニークな山野草を間近に観察でき、豊かな生態系を楽しく学べる工夫が凝らされていました。

クマガイソウ ウラシマソウ
野草園の先(北校舎の裏側)には、静かに佇む「シイタケの原木栽培エリア」があります。ここでは、地元のシイタケ農家さんから安く提供していただいた原木を利用し、原木シイタケの栽培が行われています。シイタケ栽培を生業とされている農家さんが活動をバックアップしてくれているため、ノウハウが豊富で、わからないことがあればすぐに専門的なアドバイスをもらえる体制が整っています。子どもたちが総合的な学習の授業の中で自ら菌を植え付け、収穫して「食育」を学ぶ大切な教材となっています。
さらに、役割を終えて古くなったシイタケの原木を一箇所に積み上げておくことで、カブトムシの幼虫の餌になり多くの幼虫が育つなど、学校の中で資材が循環するサイクルが作られていました。

これら野草園や原木シイタケエリアとはまた別の場所に、ビオトープが整備されています。
このビオトープの池は、埼玉県内で絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている「ニホンアカガエル」や「アズマヒキガエル」が自生・産卵する貴重な水辺です。子どもたちが授業を通じて、卵から孵ったおたまじゃくしを安全に保護・育成し、少し大きくしてから再びこの池に放流することで、カエルたちの定着率を高めています。
おたまじゃくしを狙うカラスなどの外敵対策を施すなど、地域の人々の手によってきめ細かな保全と管理が継続されています。

代表理事の清水様にお話を伺いました。
平成23年に、根岸小学校のシンボルであり校章のモチーフにもなっている「クマガイソウ」が、校内からも地域からも完全に消えてしまっていることが分かりました。当時は子どもたちだけでなく、学校の先生方も本物のクマガイソウを見たことがないという状況でしたので「自分たちの学校のシンボルを、自分たちの手で復活させよう」と、地域住民や学校応援団が中心となってプロジェクトを立ち上げ、県の補助金をいただきながら始めたのがきっかけです。その後、活動をより継続的なものにするためにNPO法人として組織化しました。
ただ植物を眺めるだけではなく、子どもたちが自然のサイクルを体感できる場所にしたいと考え、自然に触れ合う活動を取り入れています。
シイタケ栽培のほかに、カエルたちの卵を一時的に子どもたちが安全に保護し、少し大きく育ててから池に戻すという保全活動もその一つです。カエルの卵は、昨年は5個しか確認できませんでしたが、今年は48個まで増えました。温暖化による思わぬ良い影響もあるのかもしれません。
地球温暖化に伴う「近年の猛暑・酷暑」です。クマガイソウは、夏を無事に越せないと翌年の春に芽を出すことができません。近年のあまりの暑さにより、株の数が約5分の1近くまで減ってしまいました。
これまでのような遮光ネットの掛け方では、上に落ち葉が詰まって雨水が地面に届かなくなってしまうため、今年は日よけの構造自体を新しく作り直している最中になります。この時期に日よけがしっかり機能していないと、来年はもう花が咲かなくなってしまいます。
クマガイソウの保全やビオトープの活動を、無理なく長続きさせ、学校と地域が主体となった「持続可能な仕組み」としてしっかりと根付かせていきたいです。こうした保全活動は、行政の助成金だけに頼っていては、長く続けることが難しいという現実があります。だからこそ、私たちは地域の方々や地元の企業と手を取り合い、汗を流して活動を支え合う関係性を大切にしています。

清水様、取材にご協力いただきありがとうございました。