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掲載日:2024年3月26日

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答申第7号 「県主催のイベントに係る講師・出演者への謝金に関する支出負担行為決議書(平成13年6月11日決裁)(支出負担行為番号00028)」外2件の部分開示決定(平成14年8月2日)

答申第7号(諮問第14号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が平成13年9月4日付けで行った、「支出負担行為決議書(平成13年6月11日決裁)(支出負担行為番号00028)」、「支出負担行為決議書(平成12年6月16日決裁)(支出負担行為番号00038)」及び「支出負担行為決議書(平成11年6月23日決裁)(支出負担行為番号00034)」(以下「本件文書」という。)の部分開示決定(以下「部分開示決定」という。)のうち、本件異議申立てに係る出演者の出演料並びに出演料を特定し得る部分(以下「出演料等」という。)については開示すべきである。
2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成13年8月6日、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し本件文書の開示請求を行った。

(2) 本件文書は、支出負担行為決議書及びその添付書類の見積書からなっている。支出負担行為決議書は、人権・同和問題講演会等の開催業務委託費を支出することを決定した文書であり、また、見積書には内訳として出演料等が記載されている。

(3) 実施機関は、出演料等について、条例第10条第1号及び同条第2号に該当するため、不開示決定を行うのが適当であると判断し、平成13年9月4日付けの公文書部分開示決定通知書によりその旨を申立人に通知した。

(4) 申立人は、平成13年10月2日付けの異議申立書により、実施機関に対し、部分開示決定により不開示とされた部分のうち、出演料等について開示すべきであるとして異議申立てを行った。

(5) 当審査会は、本件異議申立てについて平成13年10月12日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(6) 当審査会の本件審査に対し、実施機関から平成13年12月18日付けの「開示決定等理由説明書」(以下「説明書」という。)の提出を、申立人から平成14年1月18日付けの「開示決定等理由説明書に対する反論書」の提出を受けた。

(7) 当審査会は、平成14年1月22日に、実施機関である同和対策課の職員から事情聴取を行った。

(8) 申立人は、平成14年4月22日に、口頭による意見陳述を行った。

3 申立人の主張の要旨

申立人は、本件文書の記載内容のうち、出演料等について開示するよう求め、その主な理由として以下の3点をあげている。

(1) 出演料等は、住民・県民の財産である税金を保護し、税金がどのように使われているかを知る意味でも公にすることが必要である。したがって、条例第10条第1号及び同条第2号の不開示理由には該当せず、同条第1号ただし書ロ及び同条第2号ただし書に該当し、開示するべきである。また、条例第12条の「公益上の理由による裁量的開示」にも該当する。

(2) 実施機関は、個人のプライバシーを優先しすぎている。出演料等はスポンサーである住民から出ており、住民スポンサーとしての知る権利を優先すべきである。

(3) 役所が主催するという公共性を重視する行事に出演する講演者は、ボランティア精神の一環で来るべきである。営利目的の事業活動とは異なり、講演者の事業活動に支障をきたすという論理は成り立たない。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関は、出演料等の主な不開示理由として以下の3点を主張している。

(1) 本件文書には出演者の氏名が記載され、これが開示されており、出演者を識別することができることから、出演料等を開示することにより特定の個人の収入に関する情報が明らかになってしまう。したがって条例第10条第1号に該当する。

(2) 出演者はその社会的地位などから各種の活動を個人として行っており、当該活動により収入を得ているのであるから、事業を営む個人に該当する。そして、出演者が行う演目は、出演者の経歴に培われた知識、技術及び能力に基づいて行われるものであり、事業を営む個人の技芸の範疇に属するものである。したがって、その出演料は、技芸に対する評価の対価として支払われるものであることから、開示することにより、事業を営む個人の事業活動が害されるおそれがある情報であり、条例第10条第2号に該当する。また、法人等の出演者についても、出演料は当該法人等の技芸に対する評価の対価として支払われるものであることから、開示することにより、法人等の事業活動が害されるおそれがある情報であり、条例第10条第2号に該当する。

(3) 出演料の金額については、業務の委託先である法人(以下「イベント会社」という。)と出演者との契約に基づき決定されるものであり、特定の法人の取引内容に関する事項である。したがって、取引内容については、特定の法人の営業上のノウハウに関するものであって、開示することにより、当該法人の事業活動が害されるおそれがある情報であり、条例第10条第2号に該当する。

5 審査会の判断

1 本件文書には、県主催のイベントの開催に係る経費等の情報が記載されている。

2 実施機関の主張の主旨は、出演料等は条例第10条第1号及び同条第2号に該当するため、開示すべきではないという点にある。よって、以下この点について検討する。

3 条例第10条第1号該当性について

本件文書に記載された出演者は、その活動形態からして、県主催のイベントに一個人として参加しているものではなく、「講演」や「司会」等の「事業」を営む個人として参加していると解するのが相当である。そして、当該「事業」の対価として見積られた出演料等についても、事業を営む個人の当該事業に関する情報であると解されることから、出演料等は条例第10条第1号には該当しないものと認められる。

4 条例第10条第2号該当性について

(1) 条例第10条第2号は、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」については、原則として開示しないと規定している。
ここでいう「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは、法人等又は事業を営む個人の生産技術、営業、販売上のノウハウ、経営方針、経理、人事等の情報で、開示することにより、法人等又は事業を営む個人の事業活動等が損なわれると認められるものその他開示することにより法人等及び事業を営む個人の名誉が侵害され、又は社会的信用若しくは社会的評価が低下するものを広く含むものと解される。
そして、これに該当するか否かの具体的な判断については、当該情報の内容、性質をはじめとして、当該法人等又は事業を営む個人の事業活動における当該情報の位置づけ等により総合的に判断すべきであると考える。
そこで、出演料等が条例第10条第2号に該当するか否かを検討すると、出演料等は、イベント会社が県主催のイベント開催業務の受託金額を見積る際にその内訳として用いたものである。そして、出演料等は、主催者や開催目的をはじめ、様々な要因・事情によって決められるものであるから、これが開示されたからといって、出演者に不当なランク付けがなされることにより、当該出演者の名誉が侵害され、又は社会的信用若しくは社会的評価が低下し、出演者の事業活動が害されるとまでは言えない。
したがって、出演料等を開示することにより、出演者の「正当な利益」を害するおそれがあるとは認められない。

(2) また、実施機関は説明書において、実際に出演者に支払われた金額は、イベント会社と出演者との契約に基づき決定されるものであり、イベント会社の取引内容に関する事項である旨主張している。しかし、出演料等を開示することにより、イベント会社の営業上のノウハウが明らかとなり、本件異議申立てに係るイベントだけではなく、他のイベントにおけるタレント等との出演交渉に影響を及ぼし、事業活動に支障をきたす等、イベント会社の「正当な利益」を害するおそれがあるとは認められない。

(3) 上記(1)及び(2)により、出演料等は条例第10条第2号には該当しないものと認められる。

5 したがって、出演者の出演料及び出演料を特定し得る部分については、開示することが適当であると判断する。

6 なお、申立人は、出演料等は条例第12条に該当するため開示すべき旨についても主張しているが、出演料等は、上記のとおり不開示情報には該当しないことから、本件異議申立てについて条例第12条の適用を論ずる余地はない。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

審議の経過

年月日

内容

平成13年10月12日

諮問を受ける(諮問第14号)

平成13年12月18日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成14年1月18日

異議申立人より反論書を受理

平成14年1月22日(第8回審査会)

実施機関より意見聴取及び審議

平成14年4月22日(第11回審査会)

審議

平成14年5月27日(第12回審査会)

審議

平成14年6月24日(第13回審査会)

審議

平成14年7月18日(第14回審査会)

審議

平成14年8月2日

実施機関に答申

 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

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