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掲載日:2026年10月23日
Q 梅澤佳一 議員(自民)
私は、利根川沿川自民党県議有志9名で利根川の治水を考える会を結成し、毎年、国土交通省利根川上流河川事務所長を招き、県の担当課も加えて、治水や利水、また上流ダムの状況等について勉強会を行ってきました。国の施策について分かりやすく説明していただき、大変参考になると同時に、国の機関との関係が密になり、いざ災害の発生時や地元対策においては大きな力となりそうです。
そして、地元住民の広報として、昨年度は、首都圏氾濫区域堤防強化対策と八ッ場ダムについて、本庄市、神川町、上里町、深谷市、美里町、寄居町、熊谷市、行田市、羽生市、加須市、久喜市への新聞折り込みを行い、広く住民への広報活動を実施いたしました。
利根川では、来年令和9年にカスリーン台風から80年が経過します。この機に、利根川令和の大改修が始動し、「気候変動に負けない利根川を地域と共に」と題し、カスリーン台風の悲劇を二度と繰り返さないよう、河道対策と上流対策で利根川を気候変動に負けない河川に大改修することとしています。
そこで、この改修事業での具体的な計画や内容について伺うとともに、その重要性を少しでも県民に理解していただきたい、推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、埼玉県は利根川中下流部、江戸川と特に関わり合いが深く、治水対策においては、沿川の関係市町との協働が大切であると考えます。埼玉県でも、国との共同事業である中川・綾瀬川流域での治水事業などの情報を的確に県民や県内自治体に提供することが大切と考えますが、いかがでしょうか。
本年8月7日には、第76回利根川治水同盟治水大会が千葉県栄町で開催され、埼玉県からも首長さんや県議など多くの関係者が参加をされました。同盟会会長の浜田靖一衆議院議員や副会長の野中厚衆議院議員の挨拶では、利根川への思いや重要性、治水対策の継続性が示されました。
このように、首都圏を含む沿川住民の生命、財産を守り、地域を繁栄させようと行われてきた大会ですが、昭和23年、結成大会での会場は我が栗橋小学校の講堂でした。そして、この小学校は、あの下総皖一先生も通っていた学校でもあります。以来、地元では、栗橋町ほか5か市町水防事務組合として、水防団の訓練、研修会を約80年間継続されてきました。
カスリーン台風での利根川決壊現場は埼玉県です。今年も9月16日に、加須市大利根地区カスリーン公園、大利根水防センターにおいて、第32回「治水の日」慰霊・継承式典が挙行され、改めて犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、この教訓を風化させることなく後世に語り継ぎ、利根川の治水事業の重要性を広く理解していただけるよう開催をされました。
今後も、県管理河川を含む利根川水系の治水対策について、埼玉県が積極的に推進していくべきと考えますが、以上、県土整備部長に御所見を伺います。
A 小島茂 県土整備部長
国では、カスリーン台風以降、約80年をかけて利根川の堤防や遊水地・ダムなどの整備を行ってまいりました。
これまでの整備により、着実に治水安全度が向上してきた一方、令和元年東日本台風では堤防の天端近くまで水位が上昇するなど非常に危険な状況となりました。
そのため、堤防の整備や河道掘削などの「河道対策」と既存ダムの有効活用や中止されたダム予定地の活用などの「上流部対策」を「令和の大改修」と銘打ち、気候変動に負けない利根川の早期実現を目指しているところです。
河道対策については、羽生市付近において堤防強化対策などが進められており、上流部対策についても、中止ダムの現地調査など必要な検討を更に加速させ、一刻も早い事業化を実現し、速やかに治水安全度の向上を図っていただきたいと考えております。
また、議員ご指摘の通り、本事業の推進にあたっては、県民の皆様にその重要性を十分に御理解いただくことが不可欠と考えております。
そのため、県といたしましては、引き続き国と緊密に連携し、各種イベントやホームページなどを活用して事業の重要性をしっかりと情報発信し、県民の皆様とともに事業を推進してまいります。
次に、「中川・綾瀬川流域での治水事業などの情報を、的確に県民や県内自治体に提供することについて」でございます。
浸水リスクが高い地域において実施している治水事業については、地域の皆様に対策の進捗や効果を丁寧にお知らせすることが重要と考えております。
「中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト」では、国や県、関係市町が実施する対策の目的や内容、期間のほか、対策ごとの進捗や現場状況などを図表化し、ホームページで公開しております。
さらに、県庁オープンデーをはじめとする各種イベントや、地域の小学校などでの県政出前講座において、流域治水に関するパネルや動画を活用し、事業の内容や地域の安全性が向上していることをお伝えしています。
現在、過去の水害や家庭で実施できる防災対策などを学ぶための教材動画を作成しており、今後は学校教育や地域活動の場で広く活用いただくことにより、流域治水を自分事として捉える地域づくりに取り組んでまいります。
次に、「利根川水系の治水対策を埼玉県が積極的に推進すべきについて」でございます。
令和元年東日本台風では、上流のダム群に加えて渡良瀬遊水地などが洪水貯留機能を最大限に発揮したことや、整備が進められている堤防強化対策などの効果により、利根川水系での甚大な被害が回避されました。
一方、気候変動に伴う豪雨の激甚化・頻発化が進む中、県民の生命や財産を守り、様々な経済活動を下支えする県土の強靱化に向け、さらなる治水対策の推進が必要です。
そのため、あらゆる機会を通じて国へ事業推進を要望するとともに、県の事業については、緊急流域治水プロジェクトなどの一層の充実に向け、国の補助金の積極的な活用を図り、効果の早期発現を目指してまいります。
国をはじめとする関係者とともに、激甚化・頻発化する水災害へ敢然と立ち向っていく決意で、利根川水系の治水対策の推進に全力を尽くしてまいります。