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掲載日:2026年10月23日
Q 梅澤佳一 議員(自民)
この質問は、亡くなられた浅井県議が昨年6月定例会において提言をされておりました。その際、環境部長は、情報収集と活用方法を研究していくといった答弁であり、あまり積極的ではないと感じたところであります。私も浅井さんの思いを受け継ぎ、浅井さんと共に質問をさせていただきます。
埼玉県では現在、脱炭素社会、カーボンニュートラルを目指し、再生可能エネルギー導入のため、県民や事業者に対し、太陽光発電設備の設置費の補助など様々な支援を行っているとともに、県有施設への太陽光発電設備の導入に取り組んでいるものと認識をしております。
このような中、国では、令和7年2月18日に閣議決定された政府実行計画において、ペロブスカイト太陽電池の率先導入を掲げています。政府は6月、ペロブスカイト太陽電池の導入について、国が保有する施設へ2035年に50メガワットから70メガワット、2040年に100メガワット以上を導入する目標を設定いたしました。1キロワットアワー当たり14円が可能となる技術の確立を目指し、コスト縮減のため、国の施設等に率先して設置を進めるとのことです。また、来年度、自治体や企業が導入する太陽光発電設備のシリコン製パネル本体の購入費用への補助金を見直す方針を示し、ペロブスカイト太陽電池の導入を支援の対象として、来年度予算の概算要求に今年度当初予算の4倍を計上しています。
本格的な普及に向けては、技術開発や生産体制の整備だけでなく、公共部門などが率先して導入し、需要をつくり出していくことが重要であるとの方向性も示されていることから、自治体への普及も今後進められていくと思われます。
本県としても、県有施設や避難所を活用したモデル事業を実施し、その効果や課題を検証することが重要と考えます。既に、他の自治体では公共施設を活用した実証も始まっております。本県も、次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会に加盟しており、様々な研究をされていると思います。
そこで、導入目標や設置手法などを定めた計画あるいは方針を定め、例えばGMOアリーナさいたま、北部拠点等の県有施設、避難所への設置などを行うべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
また、先ほども申し上げましたように、先行して事業化している自治体もございます。神奈川県では現在、企業との連携協定に基づき、県有施設を実証フィールドとして提供する取組に加え、民間企業が主体となる実証に対する補助制度を設けるなど、官民連携によって社会実装を進めています。また、さいたま市でも3事業者を公募、選定して、市有施設を実証フィールドとして提供しています。
このように、本県においても今の段階から県が率先してモデル事業として県有施設を活用し、発電量、耐久性、施工性、維持管理コストなどについて知見を蓄積し、市町村などへ積極的に情報提供することで、県内における導入の促進につなげていくことが重要と考えますが、知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
本県の再生可能エネルギーの利用ポテンシャルは、ほぼ太陽光発電に限られており、再生可能エネルギーの拡大には、太陽光発電をいかに増やしていくかが重要であります。
そのためには、軽量で柔軟という特性から、屋根だけでなく、壁や窓などにも活用の幅が広がるペロブスカイト型の次世代型太陽電池の活用を進めていく必要があります。
現在策定を進めている次期環境基本計画においても、社会実装の状況を踏まえながら導入を検討していく方針を盛り込んでおり、県有施設としては、北部地域振興交流拠点での設置について検討を進めております。
他方、ペロブスカイト太陽電池は、近年発電効率が急速に改善している一方で、メーカーの量産体制が十分に整っておらず、通常の単層モジュールの太陽光発電と比較しても耐用年数が短く、国の資料を基に算出したところ、シリコン型に比べ、国の補助金を活用してもなお3倍の価格差があり、現時点ではコスト面の課題があります。
今後、令和12年に向けて、供給量が増加し、コストが低下していくことも見込まれていますので、引き続き国の動向を把握するとともに、メーカー等との意見交換を通じ、コストや供給体制などの情報収集を行い、費用対効果も見極めながら、県有施設への更なる導入について検討してまいりたいと思います。
次に、市町村などへの情報提供による導入促進についてでございます。
議員お話しのとおり、市町村などにコストや耐久性等の情報を提供し、ペロブスカイト太陽電池の導入可能性について普及の初期段階から検討していただくことは、今後の速やかな導入にとって有効と思います。
このため、令和8年7月には、メーカーと連携してフィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入に向けた市町村担当者向け講習会を開催し、約40名の方にご参加をいただきました。
講習会後には、国の調査支援事業への参加意欲を示す市や、フィルム型以外のガラス型やタンデム型についても、情報提供を希望する市町村があるなど、高い関心が寄せられました。
今後も、国やメーカー、さいたま市をはじめとする先行自治体から、導入の検討に必要な情報を収集し、市町村のニーズに応じて積極的に情報提供するとともに、メーカー等が希望する場合には実証の場を提供するなどで、県内への普及拡大につなげてまいりたいと思います。