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掲載日:2026年10月23日
Q 梅澤佳一 議員(自民)
ここ数年、米価は非常に不安定な状況で推移しております。農林水産省の米需要の見誤りから米不足が生じ、いわゆる令和の米騒動となりました。その対策として、米価を下げるために備蓄米が放出されましたが、これが影響し、今年は米価が大幅に下落をしました。さらには、燃料費や肥料価格の高騰による生産コストの増加が続いておりますが、物価高騰分の価格転嫁さえ、ままならない状況が続いています。しかし、県内の農家の皆様は、そのような中でも、不安定な気候状況や世界情勢と必死に闘いながら、県民の皆様に対し安心・安全なお米を生産いただいている状況です。
しかし、さらに追い打ちをかけるように、今年は収穫が始まる9月が記録的な長雨となったことによって、稲刈り時期に大幅な遅れが生じております。このような状況下で、米の品質と収穫量が大きく低下をしております。
サイドブックスの資料を御覧ください。傍聴の皆様は、参考資料を御覧いただきたいと思います。
倒れた稲が水につかり、芽が出ている稲、水につかったまま腐っている稲も数多くあります。また、雨がやんでも水田の水が抜けず、コンバイン等の機械が入れず、収穫を諦めるほ場も数多く出ている状況です。
そこで、知事に3点質問をさせていただきます。
1点目、記録的長雨の被害を県としてしっかりと把握できているのでしょうか。
2点目、把握した被害に対し、生産者にどのような支援を考えているのでしょうか。
3点目、再生産可能な米価の安定には長期的な視野が必要と考えます。農家が計画的に作付けを行い、再生産可能な価格で販売ができるよう、県としてどのような対応をしていくのでしょうか。
以上、知事の御所見、御見解をお答えください。
A 大野元裕 知事
長雨による被害への迅速かつ的確な対応のためには、状況を早期に把握することが重要と考えます。
このため、県では普及指導員が随時、現地を巡回し、農作物の生育状況や被害の発生状況、農作業の進捗状況などを確認するとともに、JAや市町村などからも情報収集を行っています。
特に、水稲については、4月から11月まで月2回、全県で統一的に、生育・品質状況を把握しています。
長雨に見舞われた9月以降でありますが、米農家への巡回指導・調査を強化し、被害状況の迅速な把握に努めております。
これまでに確認できている長雨の影響として、水稲の実が充実する登熟期に天候不順が続いたため、収穫作業の遅れや、一部地域では稲の倒伏も発生をしております。
水稲の刈取りの進捗状況については、9月24日時点で、平年では約6割のところ、約4割にとどまっており、刈取り時期の遅れは、米粒の「ひび割れ」や「着色」といった品質低下の発生につながります。
また、穂が長期間水分を含んだ状態にあったため、穂に付いたまま米が芽を出してしまう「穂発芽」も県内全域で散見されています。
引き続き、関係機関との連携を密にしながら、被害状況や収穫の進捗状況の把握に努めるとともに、必要な対策を迅速に講じてまいります。
次に、生産者に対する支援であります。
県では、これまで、生産者に向けて、水稲生産における長雨や台風を踏まえた排水対策、生育状況と天候を踏まえた適期での刈取り、収穫後の適切な乾燥などの周知に努めてまいりました。
これまでのところ、今回の長雨により、埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づく特別災害指定の要件を満たすまでの被害は確認されておりませんが、今後の被害状況を注視し、条例に該当する場合には、市町村と連携し、次期作の種苗費等の掛かり増し経費への補助や制度資金のあっせんなどを速やかに実施します。
最後に、農家が計画的に作付けを行い、再生産可能な価格で販売できるよう、どのような対応をしていくのかについてであります。
米価につきましては、需要と供給の動向を踏まえ、民間の取引環境の中で形成をされるものと承知しています。
また、米価の決定に影響する主食用米の需給見通しに関する情報提供や、食料安全保障の観点から実施される備蓄米制度の運用などは、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律に基づき国が担う役割です。
国では米や麦、大豆等が将来にわたり安定的に生産・供給されるよう、令和9年度から生産性向上の観点を踏まえた新たな水田政策を開始することとしております。
県といたしましても、国の需給見通しや備蓄米の買戻しの状況を注視し、需給に関する情報提供に取り組んでまいります。
また、生産者の所得向上につなげるためには、消費者に対する県産米の販売促進も重要であると認識しています。
そこで、本年9月には、県内量販店において、今年から本格的に販売が始まる県育成の新しいブランド米「えみほころ」のトップセールスを私自らが行ったほか、彩の国だより10月号でも「えみほころ」を紹介しており、11月からの地産地消月間においても、県産米をPRいたします。
さらに、価格変動に対するセーフティネットである収入保険制度がございます。
未加入の生産者に対し、関係機関と連携しながら制度の周知を徹底し、加入拡大を進めてまいります。
県といたしましては、県内の米農家が将来にわたり安定して営農を継続できるよう、引き続き、積極的に支援してまいります。