埼玉県議会 県議会トップ画像

本会議及び予算特別委員会の生中継・録画中継をご覧になれます。

会議録の内容を、検索したい言葉や発言者などで検索できます。

ここから本文です。

ページ番号:239115

掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柿沼貴志議員)

あらゆる人が生き生きと活躍できる居場所と社会の実現にむけて

Q 柿沼貴志 議員(自民党)

知事は、総合的な孤独・孤立対策を進める中で、インクルーシブ社会の推進や、いじめ、不登校、ひきこもりへの支援を充実させると、強く方向性を示しております。
3年間続いたコロナ禍での生活で、潜在的には自覚されていた様々な問題が顕著に表に現れてきました。例えば子供たちの孤独・孤立化、社会的にも問題となっているヤングケアラー、不登校、生活困窮、児童虐待など、相談の件数はコロナ禍で急激に増加しました。つまり、学校が教育にとどまらない福祉的な価値と地域のプラットフォームとしての役割を果たす必要性が高まってきております。
出生数が7年連続減少、77万人まで減少していく中で、孤独・孤立化が社会問題として取り上げられていることは、正に子供たちへ大人の支援が、行政の役割として急務であるということを物語っております。この問題を、国は少子化問題と同様の重要課題と捉え、今国会で孤独・孤立対策推進法が成立し、4月に施行されます。
一方、知事は、埼玉県孤独・孤立対策官民連携プラットフォームを構成し、官民、NPOが連携し、予防する地域づくりを推進しております。これは、分野や種別、地域を超え、団体が広くつながることで、オール埼玉体制で課題解決に取り組むというものです。
また、県では、孤独・孤立化対策の関連事業について、国の重点計画に示されている4つの基本方針別に分類しており、柱の1つである、状況に合わせた切れ目のない相談支援には、具体的な事業名として、いじめ・不登校対策相談事業が入れられております。
知事は、昨年、座長を務める九都県市首脳会議の中で、「様々な課題を抱える児童・生徒への対応強化について」と題した文部科学省への要望書を取りまとめ、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づき、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーを常勤職員として配置できるよう措置することを求めてくださいました。
これらの動きの中で、既に東京都では、困難を抱えた生徒支援として、高校内に常勤のスクールソーシャルワーカーを配置した居場所カフェの設置が検討されております。また、神奈川県では、教育予算が埼玉県よりもおおよそ900億円少ないのにもかかわらず、コロナ禍における教育予算編成の基本的な考えとして、学校を支援のプラットフォームとして、コロナ禍で顕在化した様々な困難を抱える子供たちの対応を強化するとしております。正にこの視点は、様々な課題を抱える児童生徒への対応の強化でありまして、困窮する子供たちへ大人の支援を届ける予算編成を実現していると言えます。
具体的には、神奈川県は、スクールソーシャルワーカーの予算を、令和4年度、およそ小・中・高合わせて1億円だったものから、令和5年には高校だけで2億円と増額しております。神奈川県の求人情報も見ましたけれども、勤務日数は2日から4日とありました。それに対して埼玉県では、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームと言いながら、高校のスクールソーシャルワーカーは前年度およそ3000万円でありまして、令和5年度も3000万円と変わっておりません。神奈川県に対して7分の1程度の予算措置であり、採用人数も勤務日数の増加も見られません。
そこで、質問です。
既に神奈川県や東京都では、子供たちの顕在化した人的な配置を予算に組み込み、課題解決に積極的に動き出しております。埼玉県の教育予算は前年踏襲と言えますが、常勤化を含め、困難を抱える生徒のワンストップ対策として、具体的な進捗と推進の方向性を知事にお伺いします。

A 大野元裕 知事

子供たちが孤独・孤立の状態に陥ることなく、安心して学校生活を送るためには、日頃から学校が生徒の抱える課題を把握をし、状況に応じて外部の関係機関と連携して対応することが必要であります。
特に家庭環境に困難を抱え、福祉機関などの支援が必要な子供たちにとって、学校におけるワンストップの相談窓口となるスクールソーシャルワーカーが果たす役割は、大変重要であると認識をしております。
こうした考えの下、令和4年度に、スクールソーシャルワーカーを全日制高校24校に新たに配置をし、また定時制高校6校の配置を週2日から週3日へと拡充をしたところでございます。
他方、議員お話しのスクールソーシャルワーカーの常勤化につきましては、国による調査研究が継続的に行われておりますが、常勤の職として求められるべき職責や担うべき職務の在り方等について、未だ方向性は示されていない状況であります。
そこで、令和4年度に九都県市首脳会議で取りまとめを行わせていただき、平成29年度に改正された学校教育法施行規則において、学校職員にスクールソーシャルワーカーは位置づけられたものの、常勤職員として配置できるよう措置されていないために、国に対して要望を行い、そして、令和4年度に引き続き今年度にもスクールソーシャルワーカーの常勤化を求めることを埼玉県単独でも要望をしたところでございます。
教育委員会には、国の調査研究の動向を踏まえながら、令和4年度に拡充した配置の効果を検証をさせているところであり、困難や悩みを抱える児童生徒のワンストップの支援体制につき、引き続き検討していただき、その結果に基づき適切に判断をしたいと考えております。

再Q 柿沼貴志 議員(自民党)

知事の答弁で、一歩前進するべく、九都県市の会議でも国に要望してくださいました。これは感謝申し上げます。
ただ、前回の私の質問から大分期間がたっていますが、答弁の内容としてはそこまで変わっておりません。私、そのときも言ったと思うんですけれども、困難を抱える生徒たちは、一刻を争う子供たちが本当に多いんですね。今やってあげなければいけない重要な課題だというふうに認識しております。
今後、教育長や福祉部長にもいろいろ質問はしますけれども、知事としてできることは、やっぱり人的配置と予算の措置なんです。これがなければ先に進められないと思います。国の要望がなかなか先に進まない中、東京都や神奈川県は具体的なものを前に進めようとしております。是非、知事にはもう一度、力強い、埼玉県の困難な生徒を救えるための力強い答弁をしていただきたく、再質問させていただきます。

A 大野元裕 知事

スクールソーシャルワーカーの常勤化につきましては、先ほど御答弁させていただいたとおり、国において措置がなされていない状況であり、要望したと申し上げました。
他方で、令和4年度に拡充した効果の検証を行わせていただいているところであり、議員御指摘の例えば神奈川県などにおいては、小中学校などでは実は年に1回程度の訪問という形で、埼玉県とは随分形が違っています。必ずしも、どちらが手厚いかという議論ではないように思います。
そうだとするとやはり、まずは、令和4年度に拡充したものの検証を進めさせていただきたいと思います。
他方で、配置拡充の効果につきましては、モデル校に留まらず常勤化に向けて、私は国に強く働きかけることは継続させていただきたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?