トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和5年6月定例会 > 令和5年6月定例会 一般質問・質疑質問・答弁全文 > 6月26日(月曜日) > 金野桃子(県民) > 令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(金野桃子議員)
ここから本文です。
ページ番号:238899
掲載日:2023年8月8日
Q 金野桃子 議員(県民)
高次脳機能障害について、私は、令和4年9月定例会において全体的な支援の充実強化を求めましたが、残念ながら議論は平行線で終わりました。
前回取り上げた課題の中でも、特に議論がかみ合わなかったのが小児の高次脳機能障害であると感じており、今回改めて、当事者団体である高次脳機能障害を持つ子供の家族会の皆様や支援団体の皆様にもお話をお伺いし、再度質問に取り上げたいと思います。
前回、埼玉県には小児の高次脳機能障害の支援拠点がなく、県内在住の当事者のお子さんとその御家族は、神奈川県や千葉県のリハビリテーションセンターで支援を受けている旨をお伝えしました。
小児の高次脳機能障害は、回復期のリハビリ、復学後の教育機関との連携など総合的な支援が必要であり、県内に支援拠点をつくるべきだと考えていますが、御答弁では、支援拠点については県総合リハビリテーションセンターがまずは担い、これに障害者福祉推進課も携わって、関係機関の話も聞きながら進めてまいりたいとのことでした。
私は、小児の高次脳機能障害についても、次期の第8次地域保健医療計画や第7期障害者支援計画に位置付けた上で、県リハの中に小児科をつくり支援拠点とするか、あるいは実際に高次脳機能障害の子供を診ているであろう小児医療センター内に支援拠点をつくり、支援拠点に高次脳機能障害児を診られる医師を月1回程度であっても配置し、当事者の意見を聞いて実態把握をした上で、必要な施策、例えば医師を講師とした研修会の実施や、教育や医療機関への周知・啓発を行うことが大切だと考えますが、福祉部長及び保健医療部長に御見解をお伺いいたします。
A 金子直史 福祉部長
まず、小児の高次脳機能障害について、第7期障害者支援計画に位置付けることについてです。
県は現行の第6期障害者支援計画において、高次脳機能障害者及び小児が身近な地域で支援を受けられるよう、相談事業の推進や関係機関の人材育成などを位置付けております。
現在、次期計画の策定を行っているところであり、引き続き、小児の高次脳機能障害について位置付けを行ってまいります。
次に、県総合リハビリテーションセンターに小児科を作り支援拠点として、高次脳機能障害児を診られる医師を月1回程度派遣することについてです。
県総合リハビリテーションセンターに設置している高次脳機能障害者支援センターでは、小児を含めた相談に応じ、地域の支援機関につなぐなどの支援を行っております。
一方で、リハビリテーションセンターで提供する医療は、概ね中学生以上を対象としており、小児科医はおりません。
小児科を設けるには、新たに小児科医の他、小児医療に精通した看護師や作業療法士などの医療従事者が必要となります。
特に、小児の高次脳機能障害に精通した医師は全国的にも少なく、月1回程度であっても配置することは現状では難しいと考えております。
このため、これまでも医療機関を対象に研修を実施してまいりましたが、今後は、保健医療部とも連携して、医師や当事者家族を講師とした研修会を実施するなど、高次脳機能障害児に対応できる医療機関を増やしてまいります。
次に、当事者の意見を聞いて実態把握した上で、必要な施策を行うことについてです。
議員お話しのとおり、当事者の方々から現状やニーズを伺って実態把握を行うことが重要ですので、今後、家族会などの関係団体と定期的な意見交換の機会を設けたいと考えています。
また、福祉、医療、教育等の関係者を対象として理解を促進する研修会の実施や支援について分かりやすく紹介するパンフレットや、ホームページの作成など、周知啓発に努めてまいります。
A 表久仁和 保健医療部長
まず、小児の高次脳機能障害を地域保健医療計画に位置付けることについてでございます。
高次脳機能障害は、外傷性脳損傷などにより、記憶力や注意力の低下などの症状が現れ、日常生活や社会生活に支障が出ることから、必要な医療やサービスを受けられるよう、適切な診断がなされることが必要です。
そのため、現行の地域保健医療計画においては、医療と福祉の連携体制の充実を図ることとしております。
今年度策定する第8次計画においても、障害者支援計画との整合を図りながら策定してまいります。
次に、支援拠点を小児医療センター内に設置することについてでございます。
小児医療センターでは、外傷などで入院した急性期の小児患者を治療する過程で、高次脳機能障害が疑われる場合、障害の程度を評価し、診断を行っています。
高次脳機能障害の診断を受けた方については、外傷などの治療が終了した後は、療育施設などにつないでいます。
議員お話しの小児医療センター内に小児の高次脳機能障害の支援拠点を作り、総合的に支援することは、小児医療センターが担っている高度急性期医療とは性質が異なり、難しいものと考えています。
医師等の研修会の開催に際し、小児医療センターを含め対応可能な医療機関の方に広く協力を呼び掛けるなど、支援体制の構築に向け福祉部と協力してまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください