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掲載日:2022年3月30日
Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
埼玉県において、限られた予算や期間の中で、組織の壁を越えて全体最適化の見地からDXを推進するためには、そのエンジンとなる効果的な推進体制が必要ではないでしょうか。資料によりますと、知事直轄プロジェクトとして、知事をトップに、その下に副知事をCIOとしたDX推進会議とあります。CIOは、トップである知事の下、庁内マネジメントの中核であり、庁内全般を把握するとともに、部局間の調整にも力を発揮しなければならず、この体制では少し脆弱ではと思います。
総務省の自治体DX推進計画には、「自治体のDX推進に当たっては、CIOのマネジメントを専門的知見から補佐するCIO補佐官等の役割が鍵となる」、さらに自治体DX全体手順書には、「専門的知見から補佐をするには、外部人材の活用を積極的に検討する」とあります。
そこで、お伺いいたします。限られた予算や期間の中でDXを推進させる効果的な推進体制構築のためには、専門的な知見を持った外部からのCIO補佐官を任用すべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
また、体制を強化するには、ただ単に担当課の人員を増やすだけでなく、先ほど述べた意識改革、能力強化をした上で、適切に全庁的な人員配置を行う必要があると思います。埼玉県でDXを推進するには、更なる体制の強化が必要と考えますが、どのように取り組まれていくのか、併せて知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
外部からのCIO補佐官を任用すべきではないかについてでございます。
議員御指摘のとおり、DXの実行において専門的知見によりCIOを補佐する体制を構築することは重要であります。
そのため、本県では今年度よりDXに詳しい外部専門家のコンサルティングを受けることとし、海外の先進事例や最先端のデジタル技術などに関する知見の提供により、CIOを補佐しております。
また、組織的には、全庁のデジタル化に関する政策を取りまとめていくデジタル政策幹を行政・デジタル改革課に配置し、更にその下にDXを推進する専門の担当として、DX推進担当を設置しました。
デジタル政策幹は、本県の大規模な情報システム開発や情報戦略の企画・立案を行ってきた経験を有する職員を任命しており、デジタル化と行政の両方の知見を持つ人材としてCIOを補佐する役割も担っております。
近い将来、国との高度な技術の調整や民間事業者との連携など、更に複雑化した課題に対応するフェーズが必ずやってまいります。
当面はコンサルティングやデジタル政策幹によりCIOを補佐してまいりますが、今後は、フェーズに応じて必要となる専門性を有する外部人材の活用について、議員御指摘のような任用形態も含め検討してまいります。
次に、DXを進めるための更なる体制の強化です。
DXの推進においては、議員御指摘のとおり単に人数を増やすだけでなく、意識改革、能力強化をした上で、特に部局間の連携を活発化していく必要がございます。
本県では現在それを「DXプロジェクト」という体制によって実行しています。
本プロジェクトは、DX推進に係る企画や取組の調整など、DXの実行部隊の役割を担った組織で、全庁の総勢約260名のメンバーが部局単位で構成されたユニットに分かれて活動をしております。
各ユニットにはリーダーが配置され、縦割りではなく横の連携を行っています。
また、プロジェクトメンバーに対しては、DXの知識・意識の底上げのため、外部講師を招いて、国やデジタル技術の動向などDXに関する勉強会を定期的に開催しています。
今年度は本プロジェクトで「DXビジョン・ロードマップ」の策定作業を集中的に行いましたが、共通するビジョンとそれに関連する施策・事業における部局間の連携についても、有効に機能したと考えております。
今後はシステムやサービスの実装段階に入るため、データフォーマットの統一や、システム連携のための業務プロセスの共通化など、今まで以上に個別具体的なテーマの検討が必要となります。
このような検討の際には、必要な時に必要な対象組織が速やかに構成できる、プロジェクトベースでの推進が有用と考えます。
各テーマに合わせて関係するユニット・組織を機動的に集め、これまでの縦割り行政を克服し、横の連携によりDXプロジェクトの活動を更に活発化させ、体制の強化を図ってまいります。
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