トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年2月定例会 > 令和2年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 3月3日(火曜日) > 諸井真英(自民) > 令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(諸井真英議員)
ここから本文です。
ページ番号:174672
掲載日:2020年3月31日
Q 諸井真英 議員(自民)
我が国の生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じており、総人口についても2008年をピークに減少に転じております。そのような状況にあっても、本県はこれまで緩やかではありますが、人口は増加してきました。しかし、これは出産、死亡といった人口の自然減を転入・転出の社会増が上回った結果に過ぎません。首都圏に位置しているという好条件にあぐらをかいていては、近い将来立ち行かなくなる恐れは否めないというふうに思います。間もなく本県も人口減少局面に入ると見込まれております。既に人口減少が進行している他県に比べ、いささか危機感が薄いのではないかというふうに危惧しております。
また、生産年齢人口が減少するだけではなく、高齢者人口がピークとなる2040年問題など、今まで誰も経験したことのない大きな課題が差し迫っております。当然のことながら、これらの課題については一朝一夕に解決するものではなく、長期的なスパンで対策を講じる必要がございます。
そこで、行政に携われてから40年、また3年にわたり事務方のトップとして県庁をまとめ上げ、県庁を知り尽くしている奥野副知事にお尋ねいたします。異次元の少子高齢化という課題を抱える本県において、今後進むべき取組の方向性について副知事としてどのようにお考えになるのか、御所見をお伺いいたします。
A 奥野 立 副知事
お話のように本県の人口減少、人口構成の高齢化は今後、急速に進むことが予測されています。
2040年には総人口が現在より50万程度減少しますが、その中で幼少期人口と生産年齢人口が合わせて100万人程度減少する一方で、65歳以上の高齢者人口は50万人程度増加します。
中でも75歳以上のいわゆる後期高齢者人口の増加が大半を占める見込みとなっております。
国が取り組んでいる年金や医療保険改革はもとより、健康長寿や女性シニアの活躍支援、地域包括ケアシステムの構築といった県が現在力を入れている取組も、社会のあり方を人口減少・超高齢社会に適合するものに変えていこうとする試みであると理解しております。
人口減少や高齢化の程度や進み方は、地域ごとに一様ではありません。
議員御指摘の2040年問題に対応していくために、二つの視点が欠かせないと考えております。
それは地域ごとに絆や紐帯をいかに確保していけるか、そして地域の活力をいかに維持していくのかということです。
前者は、独り暮らしや夫婦だけの高齢者世帯の増加、8050問題といった、今後の人口減少・高齢化によってもたらされる社会課題に対応できる仕組みや資源を地域ごとにいかに創り上げていくのかということです。
後者は、移動手段の手当て、買い物や医療機関など生活に欠かせない施設の配置といったまちづくりのあり方を見直すこと、そして、いかに地域経済を活性化していくのかということです。
この二つの課題を克服し2040年に向け、強い地域社会を構築していくのは正直極めて難しいタスクであり、茨の道となると思います。
しかし、これからの埼玉県が乗り越えていかなければならないテーマでもあります。
議員から「あぐらをかいていてはダメだ」と温かい御助言を頂戴しました。
首都圏に位置している、交通ネットワークが発達している等の本県の比較優位性については単に享受するのではなく、2040年に向けて戦略的に活用する必要があると私も思います。
一方で、2040年問題解決に向け、有力なツールとなり得るAI・IoTなどのICT技術は本県の比較優位性を後退させてしまう可能性もあります。
このことと関連して、2040年に向けては、これまで以上に熾烈な地域間競争に直面せざるを得ないのではないかと危惧しております。
全国各地域の中でまずは埼玉という地域が選ばれることが必要であり、さらには、県内各地域でも同じような競争に直面をせざるを得ない状況を覚悟する必要があります。
2040年に向けて課題を克服できた地域、真剣に努力をしている地域は選ばれ、人や資源が集まり、怠った地域はますます劣位な状況に置かれます。
二つの課題を乗り越えていくために、今後の県政のあり方としても二つの視点が大切であると考えております。
一つは、県の職員全員が2040年問題を「我が事」として捉え、本気で向き合うことです。
2040年というのはわずか20年先のことであり、40歳台前半以下の職員にとっては2040年はまだ現役であり、県庁の中核として活躍をされています。
40歳台後半以上の職員にとっても、自らの人生の第2ステージのあり方が決まる20年となります。
幸い上田県政から大野県政となって一番変わったのは大野知事が県の施策について2040年代を視座に打ち出そうとされていることであると受け止めております。
大野知事の下、一丸となって課題克服のために取り組んでいってほしいと願っております。
二つ目ですが、今定例会でも多くの議員の方々から埼玉の将来像に関わる御質問をいただきました。
誠に心強い限りでございます。
まずは、県議会の皆様から2040年を見据えた御助言・御意見をどしどしいただきたいと思います。
さらに、まちづくりの主体である市町村をはじめ、企業、各種団体、NPO、そして志のある県民お一人おひとりなど、この埼玉をフィールドとして活動・活躍される皆様がそれぞれ主役となって協働して、この高い壁に挑んでいっていただきたい。
そして、できることならば私もその末尾に加えていただきたいと思っております。
それが今私がこれからの県政に望んでいることでございます。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください