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掲載日:2023年3月13日
Q 岡 重夫 議員(県民)
これは、平成22年4月1日に県が作成したホームページをそのまま転記したものです。
ここにある高等学校防災拠点校は、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災の際、お年寄りや障害のある方々が不自由な避難生活を余儀なくされた教訓を踏まえ、災害時に学校が地域の防災活動の拠点として十分な役割を果たすことから、埼玉県は平成8年度から平成11年度の4年間で、県立179校のうち38校を防災拠点校と位置付けました。
また、避難場所として機能を持たせるために太陽光発電設備やソーラー給湯設備、さらにはトイレやシャワーなどの設備など多数設置し、1校当たり約8億円、総額で約314億円の予算をかけて整備を行いました。そして、この38校は当時、環境庁長官賞や通産大臣賞を受賞した県が誇る防災拠点施設でもあります。
また県は、埼玉県地域防災計画に基づき、市町村の防災計画にも避難所として位置付けています。私も幾つかの市の防災担当課長に、この防災拠点校が市の避難所に指定されているか聞いたところ、全員が「避難所に指定しているが、これまで活用したことがない」と答えてくれました。
私は、また先月、県立蓮田松韻高校の設備などを視察しましたが、非常用設備や食堂など宿泊できる設備なども完備し、ある程度長期の避難生活が可能なことを確認しました。一方で、大雨の際には校庭が冠水するため、車両は駐車できないことも分かりました。確かに蓮田松韻高校は地震の際の避難所としては良いのですが、豪雨の際、校庭が冠水し駐車場として使えなければ、避難所としては適していません。
これらのことを考えると、当時、この38校の拠点校は大地震を想定した避難所として整備を行い、豪雨災害は想定されていなかったのではないかと思います。そのためか、昨年の台風第19号では特に川越市、東松山市、坂戸市の3市が河川の堤防決壊などで多くの避難者が出たにもかかわらず、3市の高等学校を防災拠点が避難所として活用されたのは、松山女子高校だけでした。
そこでまず、台風第19号の際になぜ川越高校、川越工業高校、そして坂戸高校が避難所として活用されなかったのか伺います。
次に、県はこれまで防災拠点校に関して所在する市や町と、避難所として活用方法などの協議などを行ってきたのか、教育長に伺います。
続いて、この拠点校が整備されてから既に約20年が経過する中で、県庁内でその地域的な偏りや活用方法などについて検証が行われてきませんでした。
そこで、今後、地震だけでなく豪雨などの自然災害の際、県民が役立つ防災拠点校としての在り方について検討が必要と考えますが、知事の御見解を伺います。
A 大野元裕 知事
台風第19号の際に川越高校、川越工業高校そして坂戸高校が避難所として活用されなかった理由についてでございます。
台風第19号では川越市が市内63カ所の避難所のうち28カ所、坂戸市が22カ所のうち16カ所を開設しましたが、議員お話しのとおり川越高校、川越工業高校及び坂戸高校は活用されておりません。
その理由といたしまして、川越市では近隣の小中学校を避難所として開設することで対応可能であったためと伺っております。
一方、坂戸市では坂戸高校が浸水想定区域内にあるため避難所として活用することを考えなかったと伺っております。
次に、県民に役立つ防災拠点校の在り方についてであります。
防災拠点校は、阪神・淡路大震災の教訓から、大地震の際に被害が想定される地域に人口割合などに応じて設置された経緯があります。
これまで本県には大規模な災害が比較的少なかったことから、実際に防災拠点校の設備が活用された事例はほとんどありませんでした。
しかし、今回の台風第19号では防災拠点校16校が避難所として開設され、うち13校が実際に利用されました。
近年、自然災害が激甚化、頻発化しており、いざという時に県民の方が安心して避難できる環境の整備が重要です。
防災拠点校は地震を想定して整備したところから、水害時には活用できない施設が存在することや、整備されて20年以上が経過し設備の老朽化が進んでいることなど、防災施設としては課題が存在することも認識しております。
また、災害時の実効性を確保するためには、地域住民と共同で訓練を行うなど、日頃から地域の防災活動と連携した取組も大切であります。
今後行う防災拠点校の活用等の検証結果を踏まえ、市町村からも丁寧にニーズを聞きながら、地域の中で機能し、有効に活用されるよう防災拠点校の在り方について検討を進めてまいります。
A 小松弥生 教育長
これまで防災拠点校に関して、所在する市町と避難所としての活用方法などの協議を行ってきたのかについてお答えを申し上げます。
防災拠点校の活用方法については、従来は大地震を想定し、地域住民や地元市町の職員に対して非常時に使う施設や設備を実際に動かしながら説明するなど、理解を深めていただいておりました。
一方、水害など地震以外の自然災害時の活用方法といった視点では、必ずしも十分な協議ができておりませんでした。そのため、昨年の台風19号による大雨を受けて、防災拠点校を含め避難所に指定されている県立学校及び教育機関に対し、市町村の防災担当課と連絡を取り、万全の体制を期するよう指示いたしました。
その結果、市の防災担当者とともに現地を確認しながら、実際の避難を想定した施設の状況把握を行うなど、連携の強化につながっております。
今後とも、これまでの活用状況なども検証し、市町村との連携を深め、災害の種類を問わず、防災拠点校が県民の安心安全の確保に資するよう努めてまいります。
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