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掲載日:2023年3月13日
Q 岡 重夫 議員(県民)
昨年12月25日の新聞各紙に、平成30年度に教員のわいせつ行為やセクハラ行為で処分された全国の公立学校の教員の数が過去最多の282名で、被害者の半数は教え子との衝撃的な報道がなされました。また、埼玉県では9名が懲戒処分されたとあり、本年度に入っても教員のわいせつ行為などが多発している状況は、まさに埼玉教育の非常事態で、このままでは県民、保護者、学校の地域の方々、そして子供たちの信頼をも失いますので、わいせつ行為などの根絶が急務です。また、それらの行為は教育に対する信頼の失墜だけでなく、被害に遭った子供の未来、そして人権の尊厳も奪い去ってしまうことを肝に銘じるべきだと思います。
県教育委員会では、これまで県立高校や県内の市町村教育委員会に対し、平成29年10月に教育長が「不祥事の根絶を目指して」と題したメッセージを、平成30年7月には「不祥事根絶アクションプログラム」を、続いて平成31年1月に「不祥事根絶のための演習事例集」を出すなど、毎年次々と対応を行ってきました。更にその後も、教職員のわいせつ行為などが発生していることから、「わいせつ行為等根絶行動指針」を出して、児童生徒との交際禁止やSNSを使った私的な連絡の禁止など、具体的な指示を出しました。
しかし、教育委員会がこのような様々な努力をしても、残念ながらそれらの行為がなくなっていないのが現状です。
そこでまず、教育長の現在の思いと、特にわいせつ行為などがなくならない原因をどのように考えているのか、併せて伺います。
次に、性犯罪に関する様々な資料などを読んでいると、性犯罪の犯人の多くは、いわゆる性依存症という病気であって専門的な治療が必要だそうです。また、専門の医師は、子供も性の対象と考えるいわゆる小児性愛障害を持った人間は、常習性と衝動性が強く、他の性犯罪に比べて再犯率が高いとも言っています。そして、この小児性愛障害は、自分が性犯罪を犯しているという感覚がないことも特徴で、合理的に子供に接触できるよう小学校の教師や保育士を職業として選択する者もいるという、衝撃的なことを言う医師もいます。
このようなことから、教師の採用試験時点でそのような教師としての不適格者を見抜かなければなりませんが、現行採用試験では見抜くのはなかなか困難ではないかと思います。
しかし、専門医の中には、アンケート方式の質問の中に受験者が性依存症などの質問と分からないような項目を入れる方法もあるという医師もいます。
そこで、採用試験の面接試験や適性試験の中に、いわゆる性依存症や小児性愛障害などにより子供に特別な関心を持っている者が判別できる質問を入れて、不適格者を排除する方法を検討してはどうか、教育長の御見解を伺います。
また現在、新規採用や現職の教職員に対し、わいせつ行為などの根絶に向けた研修を行っていますが、更に内容などを検討し、強化を図ることが必要ではないかと思いますが、併せて教育長のお考えを伺います。
A 小松弥生 教育長
まず、私の思いとわいせつ行為などが無くならない原因についてでございます。
今年度処分したわいせつ事案は13件で、過去10年で最多の件数となり、極めて憂慮すべき状況であると認識しております。被害者となった児童生徒や県民の皆様に対して大変申し訳なく思っております。
特に学校内でのわいせつ行為は、閉じられた空間の中で、大きな権力を持った教員が弱い立場の子供に対して行う卑劣きわまりないものです。
私が教育長に就任して以来、「できることは何でもやる」との方針を掲げ、「不祥事根絶アクションプログラム」を策定し、教職員の意識改革や研修の充実、教員採用試験の工夫改善など、様々な取組を実施してまいりました。
昨年3月には、「教育長緊急メッセージ」として、「児童生徒を性の対象として見ているのであれば、教師という職を辞してもらいたい」という強い思いを全教職員に対して発したところでございます。
これらの取組を行ってまいりましたが、教職員一人一人に確実に伝わっていない、また、定着していないのではないかという、大変悔しい思いを持っております。
わいせつ行為などが無くならない原因については、規範意識の欠如、自分は大丈夫という過信、一方で自制心がきかないという弱さ、さらには性に対する依存症に起因するものもあると考えております。
次に、「子供に特別な関心を持っている者を排除する方法を検討してはどうか」についてでございます。
議員お話しのように、子供に接触することを目的に教師という職業を選択する者がいるのであれば、決して許されないことです。
平成30年度実施の教員採用選考試験から、個人面接の際に具体的な処分事例をもとにした質疑を行い受験者の観察を行っております。
加えて、今年の夏に実施する試験から女性の面接試験員を増やし、より多様な視点で選考することを計画しております。
御提案の面接試験や適性検査で不適格者を排除することにつきましては、性犯罪に詳しい医師や臨床心理士などの意見を参考に、何ができるのか、どういった質問が効果的か検討してまいります。
次に、「わいせつ行為などの根絶に向けた研修の強化について」でございます。
県教育委員会では、学校向けのホームページに、多様な研修資料を掲載し、職員研修会で活用することで教育公務員の自覚を高めるよう指導しております。
わいせつ行為などの根絶に向けては、すでに実施している研修に加え、犯罪防止の専門家の知見を取り入れた研修などを実施する必要があると考えます。
また、今月、岡山県に職員を派遣し、不祥事を原因別に類型化し身近なものとして捉えさせる研修など、外部有識者の知見を活かした先進的な取組を学んでまいりました。
これら他県の取組も参考にしながら、研修をさらに充実、強化してまいります。
さらに、被害を受けた子供たちは、将来に渡り深い傷を負うことになるため、性犯罪に巻き込まれないよう、性に関する正しい知識を身に付けるための指導の充実にも努めてまいります。
県教育委員会としては、あらゆる手段を尽くして、わいせつ行為の根絶に全力で取り組んでまいります。
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