埼玉県議会

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掲載日:2019年7月11日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(辻   浩司議員)

補助金停止による子供たちへの影響について

Q   辻   浩司   議員(民主フォーラム

埼玉県では、2010年度に埼玉朝鮮学園への県補助金が停止されて10年が経過しようとしています。県のこの決定は、2011年3月に上田知事が市民団体からの要請を受けて、拉致問題を理由に予算計上していた補助金を支給しないと決定をしたことに端を発しています。
その後の2011年の6月県議会で、吉田芳朝議員の一般質問に対する答弁において、知事は、埼玉朝鮮学園のコーチが整理回収機構RCCから仮差押えされていることを引き合いに出し、経営の健全性が確認できれば再開できる条件が整うと答弁しました。
その後、2012年1月に学校側がRCCへの返済を完了し、仮差押え解除になりました。ところが、同年3月、埼玉県議会は予算特別委員会において、拉致問題等が解決されるまで予算の執行を留保すべきとの附帯決議を採択しました。
2013年2月、知事は定例記者会見において、拉致問題に進展がなく、たび重なるミサイル発射や核実験などに対する国民感情や県議会決議などを総合的に考えて、次年度予算に補助金を予算計上すらしないことを表明しました。
また、同じく昨年6月定例会の知事答弁では、朝鮮総連の朝鮮学校への影響力や朝鮮総連と朝鮮学校の関連性についての懸念を表明し、新たに支給停止の理由に加えました。その結果、財務の健全性は確認されたものの、県議会の附帯決議と朝鮮総連との関連性についての懸念という二つの理由から、2019年度も予算計上しないこととなりました。
このように、北朝鮮の拉致問題を理由に始まった補助金停止は、その後、朝鮮学校の経営健全性という理由が付け加わり、さらに県議会の附帯決議も加わり、またミサイル発射や核実験に対する国民感情も理由に加わり、最後は朝鮮総連と朝鮮学校の関係性があるから補助金は支給できないなどといった形で、後から後から新しい理由が加わっています。
しかしながら、拉致問題は日朝間における外交問題であり、埼玉朝鮮学校に責任があるわけでもなく、また埼玉朝鮮学校が努力をしてどうにかなる問題ではありません。そして、言うまでもなく、外交問題を理由に日本で学ぶ外国籍の子供たちの学習環境が悪化するなどということはあってはならないことです。
社会的には在日外国人に対するヘイトスピーチが問題になっています。2020年に東京オリンピック開催を控え、差別問題への対応が国際的に注目をされており、これらの動きに対しては厳しく対処していく必要があります。拉致やミサイルなどの問題は外交問題であり、そのことで日本で暮らす外国籍の子供たちが差別や偏見にさらされることがあってはなりません。
しかし、実際には、かつては朝鮮の民族服であるチマチョゴリの制服を切り裂かれるなどの事件が発生し、チマチョゴリの制服の校外での着用が難しくなったり、近年では、埼玉朝鮮学校初等部に通う児童が、近隣の小学生からわざわざハングル語で「死んじまえ」を意味する言葉を投げつけられたという事案が発生するなど、差別と偏見にさらされている実態があります。本来は、北朝鮮政府が行っていることと、日本で暮らす子供たちには何ら関係はないわけで、行政は県民であるこれらの子供たちを偏見から守らなければならない立場です。
しかしながら、県が行ってきたのは、そのこととは逆に、北朝鮮政府のやっていることを朝鮮学校に連帯責任を負わせて補助金を停止し、結果として、北朝鮮政府の拉致や核開発と朝鮮学校を同一視することを助長することでした。
今、朝鮮学校の子供たちは自分たちにはどうにもできない理由によって学習環境が悪化させられ、通学の途上で身の危険を感じ、委縮しています。このような思いを子供たちにさせている原因の一つに、埼玉県のとってきた態度があるのではないでしょうか。
そこで知事にお聞きします。県が行ってきた補助金停止という措置が子供たち一人ひとりの心にどのような影響を与えているとお考えでしょうか。自分たちの存在を否定されるような、ここにいてはいけないのだろうかと思わされるような県の措置は、子供たちの心に深い傷を与えていると私は考えますが、知事はどのように感じておられるのかお聞かせください。

A   上田清司   知事

子供たちは本県並びに我が国の未来を担う大切な財産、すなわち「人財」であります。
朝鮮学校に通う子供たちも、他の学校に通う子供たちと同じ様に大切な存在です。
暴言などの差別的行為は決して許されるものではありません。
極めて不愉快な話だと思います。
また、暴言と補助金停止とは直接関係のない話であるということは御理解いただきたいと思います。
埼玉朝鮮学園への運営費補助金については平成22年度から不交付としております。平成25年度からは予算計上も見送っています。
不交付としている理由は二つあります。
一つ目は、平成24年3月の予算特別委員会における「拉致問題等が解決されるまで予算の執行は留保すべきである」という附帯決議があることです。
二つ目は、就学支援金裁判で国が主張する朝鮮総連の朝鮮学校への影響力や、朝鮮総連と朝鮮学校との関係性についての懸念があることです。
国は朝鮮総連と朝鮮学校の関係性が、教育基本法で禁じる「不当な支配」に当たらないことの十分な確証が得られないと主張しています。
学園への補助金はこれらの理由により不交付としているところです。
このように、補助金停止という措置は明確な理由があって行っているものであり、子供たちの心の影響と直接的に結び付けるべきものではないと考えております。
補助金の不交付は決して子供たちの存在を否定するものではございません。

再Q   辻   浩司   議員(民主フォーラム

知事は、子供たちに対する暴言等は許せないと。しかし、学校への補助金停止、それはそれ、これはこれだというふうにお答えしました。しかし、私はこういった子供たちが無意識にこういう言葉を出してしまうというのは、やはり今の社会の現われなんだというふうに思っております。
朝鮮学校では、この事件を受けて近隣の小学校に呼び掛けて、朝鮮学校の子供が近隣の学校を訪問して朝鮮の踊りを行事で披露するなど、そういった交流をしているということで、近隣の小学校の校長先生も非常にそれを重く受け止めて、何とかこれをなくしていこうということで、民間の中でそういった交流をしているというふうに伺っております。私はこういうことが大事ではないかというふうに思っております。
地方行政はこういう住民間の分断を埋めていくということが必要だというふうに思っておりますが、こう考えたときに、補助金停止問題と暴言の問題、それはそれ、これはこれということではないのではないかというふうに思っておりますが、改めて知事の認識をお伺いしたいと思います。

再A   上田清司   知事

朝鮮学校への補助金停止問題について、「補助金停止が子供たちへの心の傷になっているということと補助金停止を分けることは必ずしも適切ではないのではないか」という御指摘でございます。
確かに、補助金停止という一つの事象が何らかの形で朝鮮学校における教師あるいは親との関係の中で、日常の会話の中で、そうしたことが行われている可能性は当然ありますので、傷つくことはゼロとは申し上げません。
ただ、必ずしもこの補助金停止そのものが、すべての原因がそこにあるということではなくて、いろんな形での、北朝鮮と日本との関係だとか、様々なところが大きな課題として、社会的に問われていますので、そうした影響を含めて、この課題はあるのではないかと思いますので、これだけを結びつけるのはちょっと難しいのではないかということで、改めて答弁をさせていただきたいと思います。

再々Q   辻   浩司   議員(民主フォーラム)

朝鮮学校への補助金停止問題についての子供たちへの影響についてですが、知事は何らかの形で子供たちに影響があることもあるだろうと。ただし、それは埼玉県の補助金停止だけではなくて、様々な国際状況、北朝鮮政府の行為等、様々影響しているだろうというお答えでございました。
私がこの問題にこだわるのは、外交問題ではなくて、やはりこれは人権問題だというふうに考えるからであります。拉致は許せないという県民感情もあると思います。ましてや、埼玉県には拉致被害者の方もいらっしゃいます。しかし、そのように社会がヒートアップしているときにこそ、地方自治体はその渦に巻き込まれて別な犠牲者になっている、その人たちの存在にも思いを馳せる必要があるんだと思いますし、それが政治の役割だというふうに思います。
その意味では、埼玉県だけのことではないというふうに考えているとおっしゃいますが、しかし私は、一方の補助金停止ばかりが強まりますが、そこで犠牲になる子供たちをどうにかしたいという知事としての役割がいまいち見えてこないというのが現状でございます。
したがって、この子供たちへの影響について、やはりもっと目を向けるべきだというふうに考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか。

再々A   上田清司   知事

先ほども申し上げました補助金停止という、この筋はしっかりと通さなければならないというように考えております。
しかし、先ほど辻議員から御指摘があったような話について何らかの知恵を出す必要があることについては、私は考えておりますので、先ほどの答弁と同じですので御理解いただきたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。  

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