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掲載日:2019年6月26日
Q 山本正乃議員(民進・無所属)
平成37年となる2025年には、2015年と比較し、生産年齢人口が約27万人減少し、特に医療や介護などの支援の必要性が高まる後期高齢者の急速な増加が見込まれています。本県の75歳以上後期高齢者人口は平成22年は約58万9,000人でしたが、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年には約117万7,000人に増加し、15年間で約2倍となり、全国で最も後期高齢者の増加率が高いと見込まれています。また、高齢化に伴って医療費も増加することが予想されています。このため、高齢者ができる限り長い間健康で暮らすことができ、いざ医療や介護が必要になったときには必要なサービスを切れ目なく受け取ることができる仕組みが必要です。
知事は、10年後を見据えた3大政策の一つとして、2025年への挑戦を掲げ、医療、看護、介護の資源を充実させ、有効に作動させるシステムを再構築し、安心・安全な社会をつくりますとおっしゃっています。また、知事は、健康長寿埼玉プロジェクトを全県展開することにより、誰もが毎日を健康で生き生きと暮らすことができる健康長寿社会を実現するとされています。
平成24年度から取り組んでいる健康長寿埼玉プロジェクトを推進し、健康寿命の延伸と医療費の抑制を目指すことは、私も最重要な課題だと考えています。そのためには、健康長寿埼玉プロジェクトの県内取組を加速すべきではないでしょうか。
そこで、この健康長寿埼玉プロジェクトの現在の取組状況はどうなっているのか、また、今後どのように全県展開を図っていくのか、知事にお伺いします。
次に、健康長寿サポーターについてです。
健康長寿埼玉プロジェクトの目標である健康寿命の延伸を実現するためには、県民の健康意識を高め、健康に関する草の根運動を活発にさせることが何よりも大事です。そのためには、自ら健康づくりに取り組むとともに、御家族、御近所など健康情報を広めていただく健康長寿サポーターを増やしていくことが重要です。
そこで、私は平成26年9月定例会におきまして、健康長寿サポーターとなった方々が御自身の経験を生かしながら、それぞれの地域でサポーターの講師を務めることができる新たなサポーター制度を提案いたしました。そうしたところ、県では平成27年度からスーパー健康長寿サポーター制度を新たに導入していただき、既に養成を受けたスーパー健康長寿サポーターの皆様が県内各地で活動を始めたと伺っています。私もその養成講習に参加し大変参考になりましたが、そこで得た知識が更に実践活動につながるなど、講習内容の更なる充実を図っていく必要があると考えています。
そこで、これまでのスーパー健康長寿サポーターの養成と活動の状況、さらに今後のスーパーサポーターの養成に向けた講習の充実について、保健医療部長に伺います。
A 上田清司 知事
「2025年問題への対応について」のお尋ねのうち、「健康長寿埼玉プロジェクトの推進について」でございます。
まず、現在の取組状況でございますが、埼玉県の県民一人当たりの医療費は千葉県に次いで全国で2番目に低く、県民の健康状態は比較的良好ではないかと思われます。
しかし、御案内のように、本県の75歳以上の高齢者が2010年の59万人から、2025年には約2倍の118万人となり全国一のスピードで増加することが予測されています。
このため、先手を打つ意味で、比較的早い時期から健康長寿の取組に取り組んでまいりました。
まず、平成24年度から平成26年度にかけて、7市でモデル事業を取り組んでまいりました。
モデル事業のうち「毎日1万歩運動」と「筋力アップトレーニング」で、参加者の中性脂肪の低下など身体状況の改善が見込まれることが分かりました。
また、「毎日1万歩運動」では年間約2万4,000円、「筋力アップトレーニング」では年間約7万9,000円の医療費抑制効果があることも学会で発表されたところでございます。
仮に40歳以上の県民のうち10人に1人がこのプログラムに取り組めば、年間約100億円の医療費抑制効果があるという試算も出ております。
63市町村の国保の赤字が合計で約300億円でございますので、もし10人のうち3人がこうしたトレーニングをやっていただければ、こうした国保の赤字が解消される可能性もあるかと思います。
そこで、この「毎日1万歩運動」と「筋力アップトレーニング」の2つを推奨モデルとして、平成27年度から埼玉県全体への普及拡大を目指すことといたしました。
平成27年度に、志木市、三芳町では1,000人規模で取り組む「とことんモデル」を実施しました。
平成28年度は、さらに、鴻巣市、北本市、ふじみ野市が「とことんモデル」に挑戦することが決まっております。
現時点で、100人規模の「埼玉モデル」を含めると28の市町村が実施することになっております。
参加者数は平成27年度の約4,700人から、平成28年度は約15,000人へと3倍に拡大する見込みです。
今後、市町村独自の取組とともに健康長寿埼玉モデルが県内63市町村に広がるように努めてまいります。
また、平成25年度から県民の健康意識を高め、県民が健康づくりに取り組む機運を醸成するため、健康長寿サポーターを養成してまいりました。
平成28年3月末で46,394人となっております。引き続き、県民100人に1人となる75,000人を目指してまいりたいと思っております。
次に、今後どのように全県展開を図っていくかについてでございます。
今後さらに、より多くの方々に取り組んでいただくためには、手軽に楽しみながら健康づくりに取り組める仕組みが必要ではないかと思っております。
忙しくて運動教室に参加できない人や、これまで健康づくりに関心がなかった人にも参加していただくような取組でございます。
そこで現在、平成29年4月の稼働を目指して、「健康マイレージ制度」を構築しているところでございます。
この制度は、参加者が通信機能の付いた歩数計を持って歩き、街なかに設置された読み取り装置から、歩数データなどを送信してポイント化して、貯まったポイントを賞品などと交換ができる、そういう仕組みを考えております。
日本の縮図であります埼玉県での取組が成功できれば、日本が抱える大きな課題の解決につながるものではないかと考えております。
健康長寿埼玉の実現に引き続き取り組むとともに、プロジェクトの成果を全国に発信してまいります。
A 三田一夫 保健医療部長
スーパー健康長寿サポーターの養成及び活動の状況についてでございます。
スーパー健康長寿サポーターは、市町村と協力し、健康長寿サポーター養成講習の講師として活躍していただく方々で、平成27年度に新設したものです。
スーパー健康長寿サポーターになるためには、健康づくりに関する専門的な知識を取得するため、県が指定する講習を受けることが必要です。
昨年7月には、「栄養、食生活の改善」、「歯及び口腔の健康」、「身体活動及び運動」など分野別に掘り下げて専門知識を取得するための講習を開催しました。
また、11月には参加者からの御提案により、実際に講師として活躍できるように、プレゼンテーション能力を高めるための「フォローアップ講習」を県内4か所で行いました。
現在154人が認定されており、自治会や老人会、健康まつりなどに併せて開催する講習会の講師として活躍していただいております。
次に、今後のスーパー健康長寿サポーターの養成に向けた講習の充実についてでございます。
今年度は、養成後なるべく早く活動できるように、専門知識を学ぶ講習と「フォローアップ講習」を7月に合わせて実施いたします。
その際には、すでに活躍されている方々から日頃の取組を報告いただくなど、能力の向上と参加者相互の交流につなげていきたいと考えております。
今後とも講習の充実に努めてまいります。
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