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掲載日:2024年1月12日

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感覚過敏のある人に対する優しい社会環境づくり

(監修:発達障害総合支援センター  センター長  市川宏伸(児童精神科医))

発達障害のある人は、聴覚・視覚などの感覚刺激に対して敏感なこと(感覚過敏)が多くあります。
感覚過敏が、問題と思われている行動の原因になっていたり、日常生活上に著しい困難を生じさせている場合も考えられます。
このページでは、そうした感覚過敏のある人への配慮について、ご紹介します。

なお、ここでは、感覚過敏のある人に対する配慮について記載していますが、刺激に対して反応が鈍い「感覚鈍麻」の方もいます。
刺激に対する反応は人それぞれですので、その人にあった配慮が必要です。

感覚過敏の例

聴覚過敏
  • 混雑しているお店などガヤガヤしている所が苦手
  • 花火や運動会のピストルの音など大きな音が苦痛
  • 掃除機、エアコンなど家電製品の音を嫌がる
視覚過敏
  • 強い光を苦痛に感じる
嗅覚過敏
  • 他人が気付かないようなにおいを嫌がる(例:食品や柔軟剤、バスなどの乗り物のにおい)
味覚過敏
  • 味の少しの違いに気付き、同じものばかり食べる
  • 特定の味や食感をとても嫌がる
触覚過敏
  • 服などの肌触りにこだわる(苦手で着られない服や靴下などがある)
  • 抱っこを嫌がったり、撫でられることが苦手

対応方法

苦手な感覚を無理に克服させることは、本人によりいっそうの苦痛・ストレスを与えることになります。
そのストレスは感覚過敏の悪化にもつながります。
そのため、無理強いせず、苦痛となっている刺激を取り除いていくことが大切です。

例えば、聴覚過敏のある人は耳栓やイヤーマフを利用して耳から入る刺激を減らしたり、視覚過敏のある人はサングラスを利用して光の刺激を減らすなど、グッズを利用することも方法の一つです。これらのグッズは子供用のものもあります。

また、最近では、感覚過敏に対する以下のような取組も少しずつ広がっています。

※以下に挙げた対応方法は一例です。また、効果の感じ方には個人差があります。

クワイエットアワー

イギリスで始まった、感覚過敏により外出にストレスを感じる人たちのために、日時を限って、施設の館内放送を止めることや、照明を通常より暗くすることで、配慮を行う取り組みです。

例えば、スーパーマーケットなどの店舗で週に1回、1時間のクワイエットアワーを設けることで、その時間は感覚過敏のある人でも安心して買い物をすることができます。

【事例】

埼玉県では、県有施設でクワイエットアワーの導入を検討していくにあたり、羽生水郷公園さいたま水族館、埼玉県立川の博物館で試行を実施しました。

【事例】

※川の博物館では試行後、引き続きイヤーマフ等の貸し出しやカームダウンスペースの設置、センサリーマップの配布をしています。

センサリールーム

感覚過敏のある人が安心してスポーツ観戦などができるよう、音や光を軽減するとともに、感情やストレスが高まったときに落ち着くための特別なスペースです。

例えば、スタジアムでのスポーツ観戦ができない感覚過敏のある方やその御家族のために、施設内にセンサリールームを設置することで、落ち着いて試合観戦をすることができます。

【事例】

街中や公共空間での配慮

街中や公共空間において、大きな音などの強い刺激を受けることがあります。
突然強い刺激を受けると、感覚過敏のある人はパニックを起こすこともあります。

そうした強い刺激を回避できる場所や、パニックが起こったときに気持ちを落ち着かせる場所を作ることも配慮の1つです。

【事例】

イヤーマフ

聴覚が過剰に敏感(聴覚過敏)な人は、他の人が気にしないような特定の音、大きな音などに対して、過敏に反応したり、不安を感じたりします。音の刺激を緩和するためにイヤーマフを使う方もいます。

埼玉県では、MOVIXさいたまと連携して、聴覚過敏の人が大きなスクリーンで映画を楽しめるよう、イヤーマフの無料貸し出しを期間限定で実施しました。

【事例】

 

お問い合わせ

福祉部 発達障害総合支援センター  

郵便番号330-0081 さいたま市中央区新都心1-2 小児医療センター南玄関3階

ファックス:048-601-5552

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