宿日直勤務について
3 労働時間・休日・休暇
3-7 宿日直勤務について
質問です
現在の勤務先には宿直勤務があり、宿直勤務がある日は、午後5時まで通常の勤務をし、宿直勤務を行った後、翌日も通常勤務があります。
なお、宿直勤務中は、仮眠時間が4時間程度であり、翌日の勤務は体力的に非常に厳しいのですが、このような状況は法的に問題ないのでしょうか。
ここがポイント
- 宿日直勤務については、労働の密度や態様が普通の労働と著しく異なり、ほとんど労働する必要のない勤務のみを認めるものです。
- 宿日直勤務を行うには、所轄労働基準監督署長の許可が必要です。
お答えします
1 宿日直勤務とは
宿日直勤務とは、使用者の命令によって一定の場所に拘束され、緊急電話の受理、外来者の対応、盗難の予防などの特殊業務に従事するもので、夜間にわたり宿泊を要するものを宿直といい、勤務内容は宿直と同一ですが、その時間帯が主として昼間であるものを日直といいます。
なお、使用者が宿日直勤務について労働基準監督署長の適法な許可を受けた場合は、週40時間、1日8時間という法定労働時間について定めた労働基準法第32条の規定にかかわらず、労働者を使用することができます(労働基準法施行規則第23条)。
また、宿日直勤務に該当する労働者について、労働基準法第41条第3号は、「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、適用しない。」としています。
これは、宿日直勤務については、労働の密度や態様が普通の労働と著しく異なり、普通の労働と一律に規制することが適当でないため、労働時間、休日の規制の枠外に置いているものです。
2 宿直勤務の翌日の勤務は可能か
宿直勤務については、常態として、ほとんど労働する必要のない勤務のみを認めるものです。このため、宿直勤務を行ったとしても、翌日の勤務へ大きな影響はないものと通常考えられ、所轄労働基準監督署長の許可を適法に受けている場合は、法律上翌日の勤務を禁止するものではありません。
ただし、宿直勤務の時間中に常態として通常業務を行っており、実態は宿直勤務ではなく夜勤とみなされる場合は、本来、日勤と夜勤の交替制にすべきでしょう。交代制の場合、週40時間、1日8時間という法定労働時間(労働基準法第32条)の規定が適用されることになります。
3 対応方法は
- (1)まずは現状の宿直勤務について検討を
御相談のケースでは、仮眠時間が4時間程度とありますので、まずは、現状の勤務が、常態としてほとんど労働する必要のない宿直勤務といえるのか、それとも、通常業務を行っており、夜勤と考えられるのかを十分検討する必要があります。
- (2)会社へ確認・申入れをする
会社に対して、所轄労働基準監督署長の許可を適法に受けているかを確認してみてください。
また、労働基準監督署長の許可を受けている場合でも、宿直勤務中に通常業務を行っており、宿直勤務とは考えられない場合は、宿直勤務の内容を見直し十分な睡眠時間が確保できるようにするか、日勤と夜勤の交代制とし労働時間に算定した上で、基本的には翌日には日勤は行わないように会社に申し入れることが考えられます。
なお、会社への申入れについては、他の従業員の方も同様に考えているようでしたら、皆さんで一緒に行った方がよいでしょう。
また、会社に労働組合があるようでしたら、労働組合として対応することも考えられます。
いずれにしても、現状の勤務態勢では、翌日の業務にも影響することを会社に十分説明し、改善を求めることが必要です。
- (3)国の労働基準監督署への申告
所轄労働基準監督署長の許可を適法に受けていない場合は、労働基準法違反として、国の労働基準監督署へ申告(労働基準法第104条)することが可能です。
また、所轄労働基準監督署長の許可を受けていても、宿直勤務中に常態として通常業務を行っており、宿直勤務とはいえないと考えられる場合は、実情を労働基準監督署に説明してみてください。
ここにも注意!
宿日直勤務の許可条件は、次のとおりです。
- (1)原則として、通常の労働は許可せず、定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態発生の準備等を目的とするものに限って許可すること
- (2)宿直、日直とも相当の手当を支給すること(1回の宿日直手当の最低額は、宿日直につくことの予定されている同種の労働者に対して支払われる1日平均賃金額の3分の1)
- (3)宿日直の回数が、頻繁にわたるものは許可しないこと。勤務回数は原則として、日直については月1回、宿直については週1回を限度とすること(宿日直を行い得るすべての労働者に宿日直をさせても不足であり、かつ勤務の労働密度が薄い場合はこれを超えることも可)
- (4)宿直については、相当の睡眠設備を条件として許可すること
「労働相談Q&A もくじ」に戻る