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掲載日:2024年4月2日

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答申第148号 「公文書ファイル管理表2008年(平成20年分)」の不開示決定(平成21年12月22日)

答申第148号(諮問第186号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県公安委員会(以下「実施機関」という。)が、平成21年4月9日付けで行った「公文書ファイル管理表2008年(平成20年)分」を保有していないとして不開示とした決定は、妥当である。

2 異議申立て及び審議の経緯

(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成21年3月27日付けで埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し次の公文書の開示請求を行った。

  • ア 公文書ファイル管理表2007年分(以下「請求1」という。)
  • イ 公文書ファイル管理表2008年分(以下「請求2」という。)
  • ウ ファイル基準表2008年(度)分(以下「請求3」という。)
  • エ ファイル基準表2009年(度)分(以下「請求4」という。)

(2) 実施機関は、平成21年4月9日付けで、申立人に対し次のとおり通知した。

  • ア 請求1については、公文書不開示決定を行った。
  • イ 請求2については、公文書不開示決定(以下「本件処分」という。)を行った。
  • ウ 請求3については、公文書開示決定を行った。
  • エ 請求4については、公文書不開示決定を行った。

(3) 申立人は、平成21年4月16日付けで、実施機関に対し、本件処分の取り消しを求めて、異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成21年6月5日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会は、平成21年7月8日付けで実施機関から理由説明書(以下「説明書」という。)の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成21年7月10日付けで説明書を申立人に送付した。なお、申立人は、反論書の提出をしていない。

(7) 当審査会は、平成21年8月25日に実施機関の職員から意見聴取を行った。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 同種の文書の開示請求の事案である埼玉県情報公開審査会答申第143号を引用して、「2006年(平成18年)公文書ファイル管理表」を現時点でも「利用に供されてい(る)ことが適切な状況であ(る)のか疑問を感じざるを得ない」

(2) もともとの「埼玉県公安委員会公文書開示等事務手続規程」(2001年・規程第12号)では、「総務課長は、当年分の公文書ファイル管理表を2部作成し、1部を翌年1月末までに文書課長に送付する」と定められていた。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 公文書ファイル管理表について

「公文書ファイル管理表」は、条例第31条に規定されている公文書を検索するための資料として、「公文書を検索するための資料に関する告示」(平成13年埼玉県公安委員会告示第267号。以下「告示」という。)に基づき作成しており、埼玉県公安委員会公文書開示等事務手続規程(平成13年埼玉県公安委員会規程第12号。以下「事務手続規程」という。)第20条において、「公文書を検索するための資料は、公文書ファイル管理表とし、文書課長が総務課長と協議の上作成し、総務部文書課の窓口に備え付けるものとする。」と規定し、現在、「平成18年(2006年)公文書ファイル管理表」を埼玉県警察本部総務部文書課(以下「文書課」という。)の窓口に備え付けている。

(2) 不開示決定の理由について

本件異議申立てにかかわる対象文書である「公文書ファイル管理表2008年(平成20年)分」については、告示及び事務手続規程に基づき、埼玉県警察本部(以下「警察本部」という。)において作成、保有されることになっており、実施機関は作成も保有もしていないことから、条例第14条第2項に基づき不開示決定を行った。

(3) 申立人の主張について

  • ア 申立人は、3(1)のとおり主張しているが、公文書ファイル管理表の作成、保有は、警察本部で行っており、警察本部で適切に措置されるものと考える。
  • イ 申立人は、3(2)のとおり述べているが、埼玉県公安委員会公文書開示等事務手続規程の一部を改正する規程(平成15年埼玉県公安委員会規程第2号)の施行により、現行規程に改正され、現在は理由として述べられている文書作成の手順はとられていない。

5 審査会の判断

(1) 本件異議申立てについて

本件処分は、公文書ファイル管理表の平成20年(2008年)分の開示を、申立人が求めたことに対して、実施機関は、請求に係る公文書は作成しておらず保有していないとの理由により、不開示決定を行ったものである。それに対して、申立人は、平成18年(2006年)の公文書ファイル管理表が現時点でも利用に供されていることが適切な状態であるのか疑問を感じる等の理由により本件処分を取り消すことを求め、本件異議申立てを行ったものである。
このため、以下、本件処分に係る公文書ファイル管理表及び申立人の主張について検討する。

(2) 公文書ファイル管理表について

  • ア 条例第31条は、「実施機関は、その定めるところにより、公文書を検索するための資料を作成し、一般の利用に供するものとする。」と規定している。
    そこで、当審査会において、実施機関における公文書の検索資料である公文書ファイル管理表が、実施機関が主張するように、他機関である警察本部で作成、保有されるものであるのかについて検討する。
  • イ 警察法(昭和29年法律第162号)では、警察本部は、公安委員会の事務を補佐することとなっており、埼玉県公安委員会運営規則(昭和29年埼玉県公安委員会規則第1号)第14条において、公安委員会は、その権限に属する事務の一部を、警察本部長に委任することができると定めている。それを受けて、埼玉県公安委員会事務専決規程(平成9年埼玉県公安委員会規程第6号)では、公安委員会の権限に属する事務のうち、条例第31条が定める事務については、警察本部の担当所属長が専決権者となっており、埼玉県警察組織規則(昭和50年埼玉県公安委員会規則第1号)において、文書課が、情報の公開に関する事務をつかさどることになっているため、警察本部総務部文書課長(以下「文書課長」という。)が専決権者である。
  • ウ 告示において、公文書を検索するための資料は、公文書ファイル管理表とし、文書課長が保管し、一般の利用に供するものと規定している。また、事務手続規程第20条において、公文書ファイル管理表は、文書課長が警察本部総務部総務課長(以下「総務課長」という。)と協議の上作成し、文書課の窓口に備え付ける旨が規定されている。
  • エ 上記イの規則及び規程並びに告示により、実施機関は、条例第31条に基づく公文書ファイル管理表の作成事務等を他機関である警察本部長に委任し、文書課長が作成及び保有を行っていると認めることができる。したがって、実施機関において公文書ファイル管理表の作成及び保有をしていないとしたことは是認できる。
  • オ しかしながら、理由の提示は、実施機関の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を相手方に知らせて不服の申立てに便宜を与えるものである。実施機関が不開示決定通知書に記載した内容からでは、上記の事情をおよそ理解することはできない。
    したがって、実施機関においては、公文書が存在しない具体的な事情を説明するべきであった。

(3) 申立人の主張について

  • ア 申立人は、現在、文書課窓口に備え付けてある公文書ファイル管理表が平成18年(2006年)のものであることについて、現時点でも利用に供されていることが適切な状態であるのか疑問を感じると主張しているため、当審査会では、公文書ファイル管理表の平成20年(2008年)分が、警察本部において作成されているか否か、実施機関から説明を受けた。
  • イ 事務手続規程は、平成15年4月に改正されており、改正前は、申立人が述べているとおり、総務課長は、当年分の公文書ファイル管理表を2部作成し、1部を翌年1月末までに文書課長に送付する旨の規定がなされ、毎年作成することになっていた。しかし、改正後は、公文書ファイル管理表は、文書課長が総務課長と協議の上で作成するようになり、作成する時期についての規定がなくなった。
  • ウ 公文書ファイル管理表とは別に、埼玉県公安委員会文書管理規程第10条では、実施機関において、文書等の分類及び整理に基づき、ファイル基準表を毎年作成する旨が規定されている。実施機関によると、ファイル基準表の内容に変化があり、公文書ファイル管理表が、検索資料として支障の生じたときに、警察本部において新たに作り直している。
    現時点においては、警察本部において平成20年(2008年)の公文書ファイル管理表は新たに作成されているが、当該文書が、開示請求当時、警察本部において作成され、存在していたと推測させる事情はうかがえない。公文書ファイル管理表は、検索資料として一般の利用に供するために作成するものとされているので、その都度、速やかに作成すべきである。

(4) 本件処分の妥当性

以上のことから、公文書ファイル管理表が、警察本部において作成及び保有されていることが分かり、さらに、警察本部において毎年作成されるものではなく、開示請求時点においては、平成18年(2006年)分の公文書ファイル管理表を新たに作成し直した事実も確認できないことから、実施機関が、公文書ファイル管理表2008(平成20)年分を作成、保有していないとして、不存在の決定を行ったことは、妥当であると認められる。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
磯部 哲、加々美 光子、白鳥 敏男

審議の経過

年月日

内容

平成21年6月5日

諮問を受ける(諮問第186号)

平成21年7月8日

実施機関から理由説明書を受理

平成21年7月23日

審議(第二部会第46回審査会)

平成21年8月25日

実施機関から説明及び審議(第二部会第47回審査会)

平成21年10月22日

審議(第二部会第49回審査会)

平成21年11月26日

審議(第二部会第50回審査会)

平成21年12月22日

答申

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

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